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終章:師匠との恋
団長の思い人Side:キース(後)
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部屋を出てきたミリアの顔からは悲壮感はなく、ランドルフもどこか吹っ切れたような顔をしていた。以前とは違う、互いへの信頼感、それだけではない何かが二人にはできていたように感じた。
しばらくすると双子の弟であるエドアルドが現地に到着し、二人は涙して抱き合っていた。ミリアを引き取ったエドアルドはミリアを騎士団が用意した馬車に乗せ、ランドルフと一言二言話して去っていった。
(俺の出る幕はもうなくなったな)
キースの初めての失恋は、とても悲しかったが、ミリアの相手が尊敬できる友人であり、ライバルであり、上司でもあるランドルフだ。
(彼なら君を幸せにしてあげれるだろう・・・悔しいけど)
だからといってランドルフを応援する気持ちもない。
(気持ちの踏ん切りがつくまで、彼女への気持ちを心に秘めておこう)
キースはそう決意した。
「キース、俺はしばらくここを離れないといけない。すまないが団長の仕事は君に任せるよ」
「え?何でだよ急に」
「ずっと仲違いしてた父親が実家に戻ってこいって言うんだよ。そうだな・・・最低三ヶ月は戻れないと思う」
「そっか・・・分かった」
キースは言うまいか迷ったがランドルフに伝えることにした。
「あのさ、最近騎士団に来たエドがミリちゃんだってことはすぐに分かったよ。だって俺はミリちゃんが好きだからね」
「・・・」
「ランドルフの気持ちも分かってる。だからミリちゃんに何も言うつもりもないよ。でももしランドルフ、君がミリちゃんを手放すときは・・・」
キースはランドルフを真っ直ぐに見る。
「僕は容赦しないよ」
「っ・・・」
ランドルフは苦々しい顔で、騎士団を出ていった。
しばらくすると、ゴシップ紙のヘッドニュースに、『ブラン騎士団長、実はサド侯爵の嫡男!?美女の従妹と婚約か!?』というニュースが流れ、ブラン騎士団でも話題になった。
「おい、団長が侯爵だったらしいぞ!」
「実家に戻ったって、跡継ぐためかよ」
「もう騎士団には戻ってきてくれないんですかね・・・」
「婚約相手の従妹って、写真で見たけど超美人だったぞ!」
(ミリちゃんに何も伝えず出ていくなんて・・・、酷いなぁ。ミリちゃんも寂しそうだ)
「エド君、ここいいかな?」
「あ、キースさん!どうぞ」
今日ミリアは昼に仕事があり、エドに扮したミリアが昼食にありつけたのは二時頃で、食堂はがらんとしていた。キースはミリアの横に座る。
「あ~疲れたよ。団長職ってこんな大変だったんだなぁ~」
「キースさんは、しっかりやってると思いますよ!僕もできる限りサポートするので何でも言って下さいね」
「エド君はミリちゃんと一緒で優しいなぁ」
「ははは、ありがとうございます」
ミリアとキースは静かな食堂で黙々と食事を進めていく。
「・・・団長、帰ってきませんね」
「そうだな・・・」
ミリアの顔が泣きそうであることに気づいた。
「エド君は団長が好きなんだね」
ミリアの目がぐらぐらと揺らぐ。
「エド君、僕は団長と十年以上の付き合いだけど、彼は人を裏切ったこともないし、誠実な奴なんだ。エド君が何を心配しているのか分からないけど、彼を信じてあげてもいいんじゃないかな」
「はい・・・キースさん、僕少しやることがあるので、失礼します。」
ミリアは食器を片付け、食堂を出ていった。
「はぁ~・・・なんで僕がフォローしてあげないといけないんだよ」
キースは策士である。ミリアにランドルフはもう戻ってこない、もうミリアとは関係を切ったと思わせるよう誘導することはできた。しかし、ミリアの悲壮な顔を見ると、これ以上悲しませたくないと思ってしまったのだ。
「今日夜は久々にご婦人達に(性的に)慰めてもらうか・・・」
キースは山積みの仕事を早く片付けようと席を立った。
しばらくすると双子の弟であるエドアルドが現地に到着し、二人は涙して抱き合っていた。ミリアを引き取ったエドアルドはミリアを騎士団が用意した馬車に乗せ、ランドルフと一言二言話して去っていった。
(俺の出る幕はもうなくなったな)
キースの初めての失恋は、とても悲しかったが、ミリアの相手が尊敬できる友人であり、ライバルであり、上司でもあるランドルフだ。
(彼なら君を幸せにしてあげれるだろう・・・悔しいけど)
だからといってランドルフを応援する気持ちもない。
(気持ちの踏ん切りがつくまで、彼女への気持ちを心に秘めておこう)
キースはそう決意した。
「キース、俺はしばらくここを離れないといけない。すまないが団長の仕事は君に任せるよ」
「え?何でだよ急に」
「ずっと仲違いしてた父親が実家に戻ってこいって言うんだよ。そうだな・・・最低三ヶ月は戻れないと思う」
「そっか・・・分かった」
キースは言うまいか迷ったがランドルフに伝えることにした。
「あのさ、最近騎士団に来たエドがミリちゃんだってことはすぐに分かったよ。だって俺はミリちゃんが好きだからね」
「・・・」
「ランドルフの気持ちも分かってる。だからミリちゃんに何も言うつもりもないよ。でももしランドルフ、君がミリちゃんを手放すときは・・・」
キースはランドルフを真っ直ぐに見る。
「僕は容赦しないよ」
「っ・・・」
ランドルフは苦々しい顔で、騎士団を出ていった。
しばらくすると、ゴシップ紙のヘッドニュースに、『ブラン騎士団長、実はサド侯爵の嫡男!?美女の従妹と婚約か!?』というニュースが流れ、ブラン騎士団でも話題になった。
「おい、団長が侯爵だったらしいぞ!」
「実家に戻ったって、跡継ぐためかよ」
「もう騎士団には戻ってきてくれないんですかね・・・」
「婚約相手の従妹って、写真で見たけど超美人だったぞ!」
(ミリちゃんに何も伝えず出ていくなんて・・・、酷いなぁ。ミリちゃんも寂しそうだ)
「エド君、ここいいかな?」
「あ、キースさん!どうぞ」
今日ミリアは昼に仕事があり、エドに扮したミリアが昼食にありつけたのは二時頃で、食堂はがらんとしていた。キースはミリアの横に座る。
「あ~疲れたよ。団長職ってこんな大変だったんだなぁ~」
「キースさんは、しっかりやってると思いますよ!僕もできる限りサポートするので何でも言って下さいね」
「エド君はミリちゃんと一緒で優しいなぁ」
「ははは、ありがとうございます」
ミリアとキースは静かな食堂で黙々と食事を進めていく。
「・・・団長、帰ってきませんね」
「そうだな・・・」
ミリアの顔が泣きそうであることに気づいた。
「エド君は団長が好きなんだね」
ミリアの目がぐらぐらと揺らぐ。
「エド君、僕は団長と十年以上の付き合いだけど、彼は人を裏切ったこともないし、誠実な奴なんだ。エド君が何を心配しているのか分からないけど、彼を信じてあげてもいいんじゃないかな」
「はい・・・キースさん、僕少しやることがあるので、失礼します。」
ミリアは食器を片付け、食堂を出ていった。
「はぁ~・・・なんで僕がフォローしてあげないといけないんだよ」
キースは策士である。ミリアにランドルフはもう戻ってこない、もうミリアとは関係を切ったと思わせるよう誘導することはできた。しかし、ミリアの悲壮な顔を見ると、これ以上悲しませたくないと思ってしまったのだ。
「今日夜は久々にご婦人達に(性的に)慰めてもらうか・・・」
キースは山積みの仕事を早く片付けようと席を立った。
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