秘密の師弟関係

ほのじー

文字の大きさ
上 下
36 / 121
第二章:恋の芽

宴会Side:ランドルフ

しおりを挟む
ランドルフは宴会で参加したグループのメンバーにより酒をかなり飲まされ、なかなか離してもらえなかった。酒は強い方なので相手を酔わしてからそっとその場を離れた。


(ん?ミリア殿の様子が変だな)


ランドルフは様子を見に行くと、ミリアはへなへなと力が抜けて机に顔を付せているようだった。正妃の侍女の話を聞くと、彼女は間違ってキースの酒を飲んでしまったようだ。

(酒に弱いのだな・・・)

ミリアはふと顔をあげた。顔は真っ赤に染まり、ランドルフの顔を認めると、ふわりと可愛らしい笑顔を見せた。

「あれぇ~ししょーだぁ、抱っこ~」

そう言って両手を広げてくる姿はやはり天使のようだとランドルフは思った。



その姿を目に焼き付けている間に隣から聞き捨てならない会話が起こっていた。キースなんかは足をモゾモゾとしている。

(ミリア殿で興奮するなんぞ、けしからん!!)

「おおおおおお前ら、減る!見るな!!」

ランドルフがミリアを勘違いにより拘束した際にランドルフはミリアの姿に興奮したのにもかかわらず、自分以外がそうなるのには耐えれないランドルフであった。



「うにゃぁ~ししょーの背中大きいですぅ~」
「胸筋もしっかりしてますね~」

ミリアはランドルフに背負われながら体をペタペタと触り楽しんでいるようだった。

(うぅ・・・胸まで触られて、俺は忍耐力を試されている!!)

ミリアは筋肉が好きなのだとランドルフは気づいた。

(キースより俺の方が筋肉はしっかりしてるぞ)


誇らしげになったランドルフ。筋肉保持のために筋肉強化プログラムを組んで明日から始めようと考えていたが、自然すぎで今まで気づかなかったが、ミリアがランドルフのことを「ししょー」と呼んでいる、と気づいた。

(師匠って・・・俺のことだよな。昔エドが呼んでいた呼び方だ。まさか、まさか彼女は・・・)



するとランドルフは急にゾワゾワっとした感覚に襲われ、考えていた意識が逸らされる。


ーチューーーー

「んん!!」


ミリアがランドルフの首筋を吸い始めたのだ。

「ミリア殿!!何を!!」
「うぅ~ん、首の筋肉見てたら、美味しそうに見えて、とりあえず吸ってみました~~」


ージューーーーーー!!


「ぐはぁ!」
先程よりも強く吸われ、ランドルフの股間はぐっと膨らんでいた。

「ミリア殿!家だ!君の家に着いたぞ!!」
「ありがとーございますーー鍵鍵、どこだー」

ミリアが鞄から鍵を探しているところに、家の玄関のドアがカチャ・・・と開いた。

「ミリ姉、帰ったの??」
「あ~エド~たっだいま~」
「エ・・・エド!!!」


そこに、道場に通っていた弟子が立っていたのだった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!

楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。 (リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……) 遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──! (かわいい、好きです、愛してます) (誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?) 二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない! ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。 (まさか。もしかして、心の声が聞こえている?) リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる? 二人の恋の結末はどうなっちゃうの?! 心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。 ✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。 ✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

【完結】過保護な竜王による未来の魔王の育て方

綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
魔族の幼子ルンは、突然両親と引き離されてしまった。掴まった先で暴行され、殺されかけたところを救われる。圧倒的な強さを持つが、見た目の恐ろしい竜王は保護した子の両親を探す。その先にある不幸な現実を受け入れ、幼子は竜王の養子となった。が、子育て経験のない竜王は混乱しまくり。日常が騒動続きで、配下を含めて大騒ぎが始まる。幼子は魔族としか分からなかったが、実は将来の魔王で?! 異種族同士の親子が紡ぐ絆の物語――ハッピーエンド確定。 #日常系、ほのぼの、ハッピーエンド 【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/08/13……完結 2024/07/02……エブリスタ、ファンタジー1位 2024/07/02……アルファポリス、女性向けHOT 63位 2024/07/01……連載開始

身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~

椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」 私を脅して、別れを決断させた彼の両親。 彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。 私とは住む世界が違った…… 別れを命じられ、私の恋が終わった。 叶わない身分差の恋だったはずが―― ※R-15くらいなので※マークはありません。 ※視点切り替えあり。 ※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。

憧れの騎士さまと、お見合いなんです

絹乃
恋愛
年の差で体格差の溺愛話。大好きな騎士、ヴィレムさまとお見合いが決まった令嬢フランカ。その前後の甘い日々のお話です。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~

真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。

処理中です...