秘密の師弟関係

ほのじー

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第二章:恋の芽

宴会(後)

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「あ、キースさん、ずるいですぅ~私もミリアさんと飲みたいんですから~」
「ミリアさんの・・・髪の毛一本落ちましたね・・・研究室に持って帰って成分を検出しましょう」

皆酔っぱらっていて何を言っているか分からなくなってきたが、ミリアは久々に楽しい気持ちになった。

(今日の雪合戦のメンバー、この人たちで良かったぁ。女性だからって偏見もないし、すごく楽しい)

キースのファンらしい人たちからは「女のくせにでしゃばっちゃて、なんなのアイツ」という言葉が聞こえてきた。その言葉は小さい頃から言われてきたのでもう慣れたが、侍女になってから久しぶりに聞いたので少し悲しい気持ちになったが、雪合戦のメンバーは「ひがんでる女たちなんて気にすることないよ」などと励ましてくれたので嬉しかったし、キースがミリアを試合でフォワードに配置したこともキースが偏見なく戦略をたててくれたという思いで嬉しかった。


そんなミリアは間違えてキースが飲んでいた飲み物を飲んでいることには気づかなかった。

(あれ~?ふわふわする~)


「あれ、ミリちゃん僕のお酒飲んでるじゃん。酔っちゃったかな?」
「本当ですね~顔真っ赤なっちゃって」



「ミリア殿、どうしたんだ?」
ランドルフはミリアの異変に気づき、近づいてきた。
「いやぁ、団長~ミリアさん間違えてキース副団長のお酒飲んじゃったみたいで」
「おい、こいつ酒の度数いつもすっげー高いやつじゃねーか」

ランランがランドルフに事情を説明しているとミリアはランドルフがいるのに気がづいた。


(ししょー?)

「あれぇ~ししょーだぁ、抱っこ~」

ミリアはにっこりして両手をランドルフに突きだして駄々をこねた。ランドルフはそれを見て固まっているようだ。

「ぶふぅ~!!ミリアさん・・・破壊力強すぎです・・・私鼻血・・・鼻血が・・・マール、ティッシュ取って」
「魅了の魔法ですか・・・?やっぱりミリアさんの体を研究に・・・」
「やべぇ、無表情からの笑顔のギャップはんぱねぇ~俺ちょっと立っちゃったよ~」
キースは足の間をモゾモゾしながらミリアを見ていた。

「おおおおおお前ら、減る!見るな!!」
我に帰ったランドルフはミリアに上着を被せ、抱っこした。
「送ってくるから、お前らは宴会続けてくれ」
そう言ってランドルフはミリアを抱っこしてそそくさと宴会場を後にした。


「あ~あ、ミリちゃん、一番危ない騎士団長に連れてかれちゃったよ。貞操の危機じゃない?」
「大丈夫ですよ~ミリアさん家には~超シスコンの~弟がいますから~」
鼻にティッシュを詰めたランランが懐からノートを取り出し先程の情景を忘れまいと絵を描きながらキースに返答した。

「ぶふっ、お預けされる団長、それも可哀想すぎる!明日どんな顔で出勤するのか見ものだわ」



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