38 / 121
第二章:恋の芽
騎士団のお仕事
しおりを挟む
ミリアは新しい短剣をガーターベルトに固定し、今日も侍女としての仕事へと向かった。ミリアは途中侍女長に呼ばれ、昼食後にシルベスターの執務室に向かうように言われたのだ。
ーコンコンーーー
「殿下、シャーロット様付き侍女のミリアさんがお越しです」
「ああ、入ってもらって」
「失礼します」
ミリアは執事であるシュバルツに部屋へと通された。
「やあ、ミリアちゃん、急に呼び出してごめんね!」
「いえ・・・」
「いやぁ、ミリアちゃん新しい帯剣の申請してたでしょ?ちょっと見せてよ」
「??は、はい。失礼します」
ミリアはスカートの中に手を入れ、ランドルフから貰った短剣をシルベスターに見せた。
「げほっ・・・ごほ、ごほ。ミリアちゃん、そんな堂々とスカートから・・・」
「??いけませんでしたか?」
「いや、いいんだ。ちょっと嫉妬しちゃう人もいるかな~なんて」
ミリアはそっと短剣をシルベスターに手渡した。それをまじまじと見たシルベスターははぁ、とため息をついた。
「いやぁ、執念を感じる剣だね。こんな素晴らしい短剣は見たことないよ」
「ランドルフ騎士団長には本当に良くしていただきました」
「うんうん、それでなんだけど、シャーロットの回りも最近落ち着いてきただろう?だからミリアちゃんには、午前だけブラン騎士団の事務の手伝いをしてほしいと思ってね」
「!?私がですか?」
「そうそう、あそこ脳筋ばっかだけだから、ちゃーんと予算とか計算できる人いないんだよー。ついでに騎士団の朝練に参加するといいよ。素晴らしい剣も貰ったんだし、体もきちんと鍛えとかないとでしょ?存分に練習してもらってたら、またシャーロットの護衛とかにも役にたつだろうしさ。大丈夫。ブラン騎士団員は口が固いから、女性である君が練習してるってことは口外しないように厳しく言っておくからさ」
(私なんかがやっていいのだろうか・・・)
女性の会計士は未だにいない。最近シャーロットを中心に働く女性を応援するプロジェクトが動いているのだが、なかなか浸透していかないのが現状である。シルベスターも進展しない女性の教育・労働体制に気を揉んでいるそうだ。そこで王城から徐々に浸透させようと、女性雇用を強化しているところだ。そんなミリアが騎士団の会計をするとは、かなり思いきったことなのである。
(シルベスター様やシャーロット様やの期待を裏切れない・・・)
「是非やらせてください」
「ミリアちゃんならそう言ってくれると思ったよ。じゃあ色々準備進めとくから、来週からさっそく頼むね」
「はい!」
ーコンコンーーー
「殿下、シャーロット様付き侍女のミリアさんがお越しです」
「ああ、入ってもらって」
「失礼します」
ミリアは執事であるシュバルツに部屋へと通された。
「やあ、ミリアちゃん、急に呼び出してごめんね!」
「いえ・・・」
「いやぁ、ミリアちゃん新しい帯剣の申請してたでしょ?ちょっと見せてよ」
「??は、はい。失礼します」
ミリアはスカートの中に手を入れ、ランドルフから貰った短剣をシルベスターに見せた。
「げほっ・・・ごほ、ごほ。ミリアちゃん、そんな堂々とスカートから・・・」
「??いけませんでしたか?」
「いや、いいんだ。ちょっと嫉妬しちゃう人もいるかな~なんて」
ミリアはそっと短剣をシルベスターに手渡した。それをまじまじと見たシルベスターははぁ、とため息をついた。
「いやぁ、執念を感じる剣だね。こんな素晴らしい短剣は見たことないよ」
「ランドルフ騎士団長には本当に良くしていただきました」
「うんうん、それでなんだけど、シャーロットの回りも最近落ち着いてきただろう?だからミリアちゃんには、午前だけブラン騎士団の事務の手伝いをしてほしいと思ってね」
「!?私がですか?」
「そうそう、あそこ脳筋ばっかだけだから、ちゃーんと予算とか計算できる人いないんだよー。ついでに騎士団の朝練に参加するといいよ。素晴らしい剣も貰ったんだし、体もきちんと鍛えとかないとでしょ?存分に練習してもらってたら、またシャーロットの護衛とかにも役にたつだろうしさ。大丈夫。ブラン騎士団員は口が固いから、女性である君が練習してるってことは口外しないように厳しく言っておくからさ」
(私なんかがやっていいのだろうか・・・)
女性の会計士は未だにいない。最近シャーロットを中心に働く女性を応援するプロジェクトが動いているのだが、なかなか浸透していかないのが現状である。シルベスターも進展しない女性の教育・労働体制に気を揉んでいるそうだ。そこで王城から徐々に浸透させようと、女性雇用を強化しているところだ。そんなミリアが騎士団の会計をするとは、かなり思いきったことなのである。
(シルベスター様やシャーロット様やの期待を裏切れない・・・)
「是非やらせてください」
「ミリアちゃんならそう言ってくれると思ったよ。じゃあ色々準備進めとくから、来週からさっそく頼むね」
「はい!」
10
お気に入りに追加
795
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
【完結】過保護な竜王による未来の魔王の育て方
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
魔族の幼子ルンは、突然両親と引き離されてしまった。掴まった先で暴行され、殺されかけたところを救われる。圧倒的な強さを持つが、見た目の恐ろしい竜王は保護した子の両親を探す。その先にある不幸な現実を受け入れ、幼子は竜王の養子となった。が、子育て経験のない竜王は混乱しまくり。日常が騒動続きで、配下を含めて大騒ぎが始まる。幼子は魔族としか分からなかったが、実は将来の魔王で?!
異種族同士の親子が紡ぐ絆の物語――ハッピーエンド確定。
#日常系、ほのぼの、ハッピーエンド
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/08/13……完結
2024/07/02……エブリスタ、ファンタジー1位
2024/07/02……アルファポリス、女性向けHOT 63位
2024/07/01……連載開始
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる