20 / 121
第一章:再会
茶会の裏側(後)Side:シルベスター
しおりを挟む
「報告ご苦労様」
シルベスターは執務室で影からの報告を受けた。ランドルフは麻薬組織のアジト約五十人を一人で始末し、その責任者の口から黒幕である人物を割らせたのだ。
(バロック公爵の正妻はスノーランド国王の第三王女ウララが降嫁して来たんだっけ。シャーロットを恨んでいるとしたら彼女が怪しいな)
ランドルフは黒幕であるバロック公爵家を訪問した。公爵は否定するも、ランドルフが証拠の一部を見せると、警備らしき人物たちがランドルフに剣を向けてきたがランドルフは全員を簡単に気絶させ、公爵にすべて罪を吐くように脅・・説得したらしい。
バロック公爵はほぼすべての事を吐いたが、妻ウララは無関係であると拘束されても主張していた。スノーランドとの国際関係もあるので、公爵夫人ウララを無闇に拘束できないこともあり、公爵夫人は今すぐ何もできないだろうということで、監視だけ二十四時間体制で置き、今後対応を決定することにした。ひとまずはシャーロットの安全確保と情報収集だ。
(ここまですんなり事が進むなんて、嬉しい誤算だな。ランドルフがあんだけ本気をだしたのはミリアちゃんに危険を犯してほしくなかったんだろうなぁ。本人は気づいてやってるんだろうか・・・)
ランドルフは義理堅いが、あまり本気を見せない。常に淡々としており、感情的になることがあまりないのだ。ランドルフをそこまで本気にさせたミリアと、ミリアを無意識に守ろうとするランドルフ。
(さあ、今から義母のところに面会に行くか。茶会の前で準備が忙しいのに呼び出すなって怒られそうだけど)
正妃ベラは自然と美しさをこよなく愛する変人とも言って良い。特に騎士のような筋肉質の男が近づくと、「美しくないわ!」と言って嫌がるのだ。シルベスターや国王にでさえ、彼女の庭に入ることを禁止している。そんな彼女を国王はそれなりに愛しており、二人は仲良くやっているようなので不思議だ。最近ではベラは綺麗な男に女装させて楽しむ趣味もできたらしい。
(あの女、本当に何を考えているかわからんな)
しかも彼女は情報通で、シルベスターもあまり知られたくない情報を王や妹にしれっと暴露されそうになるときは冷や汗ものだ。
シルベスターはため息をつき、重い腰を上げ正妃に会いに向かった。
シルベスターは執務室で影からの報告を受けた。ランドルフは麻薬組織のアジト約五十人を一人で始末し、その責任者の口から黒幕である人物を割らせたのだ。
(バロック公爵の正妻はスノーランド国王の第三王女ウララが降嫁して来たんだっけ。シャーロットを恨んでいるとしたら彼女が怪しいな)
ランドルフは黒幕であるバロック公爵家を訪問した。公爵は否定するも、ランドルフが証拠の一部を見せると、警備らしき人物たちがランドルフに剣を向けてきたがランドルフは全員を簡単に気絶させ、公爵にすべて罪を吐くように脅・・説得したらしい。
バロック公爵はほぼすべての事を吐いたが、妻ウララは無関係であると拘束されても主張していた。スノーランドとの国際関係もあるので、公爵夫人ウララを無闇に拘束できないこともあり、公爵夫人は今すぐ何もできないだろうということで、監視だけ二十四時間体制で置き、今後対応を決定することにした。ひとまずはシャーロットの安全確保と情報収集だ。
(ここまですんなり事が進むなんて、嬉しい誤算だな。ランドルフがあんだけ本気をだしたのはミリアちゃんに危険を犯してほしくなかったんだろうなぁ。本人は気づいてやってるんだろうか・・・)
ランドルフは義理堅いが、あまり本気を見せない。常に淡々としており、感情的になることがあまりないのだ。ランドルフをそこまで本気にさせたミリアと、ミリアを無意識に守ろうとするランドルフ。
(さあ、今から義母のところに面会に行くか。茶会の前で準備が忙しいのに呼び出すなって怒られそうだけど)
正妃ベラは自然と美しさをこよなく愛する変人とも言って良い。特に騎士のような筋肉質の男が近づくと、「美しくないわ!」と言って嫌がるのだ。シルベスターや国王にでさえ、彼女の庭に入ることを禁止している。そんな彼女を国王はそれなりに愛しており、二人は仲良くやっているようなので不思議だ。最近ではベラは綺麗な男に女装させて楽しむ趣味もできたらしい。
(あの女、本当に何を考えているかわからんな)
しかも彼女は情報通で、シルベスターもあまり知られたくない情報を王や妹にしれっと暴露されそうになるときは冷や汗ものだ。
シルベスターはため息をつき、重い腰を上げ正妃に会いに向かった。
10
お気に入りに追加
795
あなたにおすすめの小説
【完結】優しくて大好きな夫が私に隠していたこと
暁
恋愛
陽も沈み始めた森の中。
獲物を追っていた寡黙な猟師ローランドは、奥地で偶然見つけた泉で“とんでもない者”と遭遇してしまう。
それは、裸で水浴びをする綺麗な女性だった。
何とかしてその女性を“お嫁さんにしたい”と思い立った彼は、ある行動に出るのだが――。
※
・当方気を付けておりますが、誤字脱字を発見されましたらご遠慮なくご指摘願います。
・★が付く話には性的表現がございます。ご了承下さい。
【R18】出来損ないの魔女なので殿下の溺愛はお断りしたいのですが!? 気づいたら女子力高めな俺様王子の寵姫の座に収まっていました
深石千尋
恋愛
バーベナはエアネルス王国の三大公爵グロー家の娘にもかかわらず、生まれながらに魔女としての資質が低く、家族や使用人たちから『出来損ない』と呼ばれ虐げられる毎日を送っていた。
そんな中成人を迎えたある日、王族に匹敵するほどの魔力が覚醒してしまう。
今さらみんなから認められたいと思わないバーベナは、自由な外国暮らしを夢見て能力を隠すことを決意する。
ところが、ひょんなことから立太子を間近に控えたディアルムド王子にその力がバレて――
「手短に言いましょう。俺の妃になってください」
なんと求婚される事態に発展!! 断っても断ってもディアルムドのアタックは止まらない。
おまけに偉そうな王子様の、なぜか女子力高めなアプローチにバーベナのドキドキも止まらない!?
やむにやまれぬ事情から条件つきで求婚を受け入れるバーベナだが、結婚は形だけにとどまらず――!?
ただの契約妃のつもりでいた、自分に自信のないチートな女の子 × ハナから別れるつもりなんてない、女子力高めな俺様王子
────────────────────
○Rシーンには※マークあり
○他サイトでも公開中
────────────────────
つがいの皇帝に溺愛される幼い皇女の至福
ゆきむら さり
恋愛
稚拙な私の作品をHOTランキング(7/1)に入れて頂き、ありがとうございます✨ 読んで下さる皆様のおかげです🧡
〔あらすじ〕📝強大な魔帝国を治める時の皇帝オーブリー。壮年期を迎えても皇后を迎えない彼には、幼少期より憧れを抱く美しい人がいる。その美しい人の産んだ幼な姫が、自身のつがいだと本能的に悟る皇帝オーブリーは、外の世界に憧れを抱くその幼な姫の皇女ベハティを魔帝国へと招待することに……。
完結した【堕ちた御子姫は帝国に囚われる】のスピンオフ。前作の登場人物達の子供達のお話に加えて、前作の登場人物達のその後も書かれておりますので、気になる方は是非ご一読下さい🤗
ゆるふわで甘いお話し。溺愛。ハピエン♥️
※設定などは独自の世界観でご都合主義となります。
【完結】誰にも相手にされない壁の華、イケメン騎士にお持ち帰りされる。
三園 七詩
恋愛
独身の貴族が集められる、今で言う婚活パーティーそこに地味で地位も下のソフィアも参加することに…しかし誰にも話しかけらない壁の華とかしたソフィア。
それなのに気がつけば裸でベッドに寝ていた…隣にはイケメン騎士でパーティーの花形の男性が隣にいる。
頭を抱えるソフィアはその前の出来事を思い出した。
短編恋愛になってます。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
早稲 アカ
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?
【R18】英雄となった騎士は置き去りの令嬢に愛を乞う
季邑 えり
恋愛
とうとうヴィクターが帰って来る——シャーロットは橙色の髪をした初恋の騎士を待っていた。
『どうしても、手に入れたいものがある』そう言ってヴィクターはケンドリッチを離れたが、シャーロットは、別れ際に言った『手に入れたいもの』が何かを知らない。
ヴィクターは敵国の将を打ち取った英雄となり、戦勝パレードのために帰って来る。それも皇帝の娘である皇女を連れて。——危険を冒してまで手に入れた、英雄の婚約者を連れて。
幼馴染の騎士 × 辺境の令嬢
二人が待ちわびていたものは何なのか
腹黒王子は、食べ頃を待っている
月密
恋愛
侯爵令嬢のアリシア・ヴェルネがまだ五歳の時、自国の王太子であるリーンハルトと出会った。そしてその僅か一秒後ーー彼から跪かれ結婚を申し込まれる。幼いアリシアは思わず頷いてしまい、それから十三年間彼からの溺愛ならぬ執愛が止まらない。「ハンカチを拾って頂いただけなんです!」それなのに浮気だと言われてしまいーー「悪い子にはお仕置きをしないとね」また今日も彼から淫らなお仕置きをされてーー……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる