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第一章:再会
茶会の始まり
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(やばい、あんな約束しちゃったけど、自分で自分の首しめてない?)
ミリアはランドルフに男装していた頃のことを知られてはいけないのに、一緒に外出する約束をしてしまった。あの時はランドルフが詫びをしたいと引かず(最終的には家宝の剣まで譲ろうとしていた)苦し紛れにあんな提案したが、後になってかなりヤバいんじゃないか?と後悔するミリアであった。
(う~ん、でも全くバレてないみたいだし、大丈夫か)
ミリアは楽天的に考えることにした。
ーーそして午後ーー
「シャーロット様、参りましょう」
「ええ、義母様を待たせてはいけないものね」
四半期に一度行われるこの茶会は、めったに表に出られない正妃ベラが主宰する茶会である。現正妃とシャーロットは血は繋がっておらず、第一王子シルベスター、第一王女(遠い国の王子に嫁いで不在)、そして第二王女シャーロットは前正妃ローラの子であり、ローラはシャーロットが十歳の時に亡くなっている。
本日は現正妃ベラの子である第三王女やベラの妹でレイモンド侯爵家に嫁いだナリア、そしてその子供たちが参加する。
侍女たちはにこやかに送り出していたが、ミリアが部屋を出る際にミリアにだけ見える位置で先輩侍女サブリナが鋭い視線を向けているのが見えた。
「皆、本日は茶会に参加してくれて感謝します。我が母国の茶と菓子を是非とも楽しんでくださいな」
今年で齢四十三を数える正妃ベラは肌の艶もあり、目もとは力強さが出ており全く若々しさを失っていない。
「ベラお姉さま、本日のお庭はメイプルの木が紅葉で色づいていますわね」
正妃ベラは広大な庭に、四季折々の花や木を植えさせている。本日は紅葉が楽しめるメイプルの木やコスモスの花畑も見え、今皆が座っている椅子やテーブルも風景を損なわないように木製でできている。
「本日お出しするパンに、このシロップを付けて食べてみてくださいな。実はこれはこのメイプルの木から取れたシロップなのですよ」
「まぁ、とっても美味しいわ。この木からこんなに甘い汁が出ているなんて不思議ですわね」
皆気に入ったようで、一口、また一口と止まらないようだ。
「さあ、皆さん、お茶もできたようですよ」
一人一人の前にお茶が綺麗にセットされていく。
(とうとうこの時がきたのね・・・)
シルベスターに協力するふりをするように命令されていたので仕方なかったが、敵に一時でも従うふりをしなけれないけなかったことが心苦しかった。ミリアはすでにシャーロットは大事な主であり、裏切ることは絶対にしないと心に誓っている。
ーートクットクッ
ミリアの心臓の音が大きく響いているように感じた。手や額からひんやりとした汗がじわりと吹き出す。ミリアは五感を研ぎ澄ませ意気込んだ。
ミリアはランドルフに男装していた頃のことを知られてはいけないのに、一緒に外出する約束をしてしまった。あの時はランドルフが詫びをしたいと引かず(最終的には家宝の剣まで譲ろうとしていた)苦し紛れにあんな提案したが、後になってかなりヤバいんじゃないか?と後悔するミリアであった。
(う~ん、でも全くバレてないみたいだし、大丈夫か)
ミリアは楽天的に考えることにした。
ーーそして午後ーー
「シャーロット様、参りましょう」
「ええ、義母様を待たせてはいけないものね」
四半期に一度行われるこの茶会は、めったに表に出られない正妃ベラが主宰する茶会である。現正妃とシャーロットは血は繋がっておらず、第一王子シルベスター、第一王女(遠い国の王子に嫁いで不在)、そして第二王女シャーロットは前正妃ローラの子であり、ローラはシャーロットが十歳の時に亡くなっている。
本日は現正妃ベラの子である第三王女やベラの妹でレイモンド侯爵家に嫁いだナリア、そしてその子供たちが参加する。
侍女たちはにこやかに送り出していたが、ミリアが部屋を出る際にミリアにだけ見える位置で先輩侍女サブリナが鋭い視線を向けているのが見えた。
「皆、本日は茶会に参加してくれて感謝します。我が母国の茶と菓子を是非とも楽しんでくださいな」
今年で齢四十三を数える正妃ベラは肌の艶もあり、目もとは力強さが出ており全く若々しさを失っていない。
「ベラお姉さま、本日のお庭はメイプルの木が紅葉で色づいていますわね」
正妃ベラは広大な庭に、四季折々の花や木を植えさせている。本日は紅葉が楽しめるメイプルの木やコスモスの花畑も見え、今皆が座っている椅子やテーブルも風景を損なわないように木製でできている。
「本日お出しするパンに、このシロップを付けて食べてみてくださいな。実はこれはこのメイプルの木から取れたシロップなのですよ」
「まぁ、とっても美味しいわ。この木からこんなに甘い汁が出ているなんて不思議ですわね」
皆気に入ったようで、一口、また一口と止まらないようだ。
「さあ、皆さん、お茶もできたようですよ」
一人一人の前にお茶が綺麗にセットされていく。
(とうとうこの時がきたのね・・・)
シルベスターに協力するふりをするように命令されていたので仕方なかったが、敵に一時でも従うふりをしなけれないけなかったことが心苦しかった。ミリアはすでにシャーロットは大事な主であり、裏切ることは絶対にしないと心に誓っている。
ーートクットクッ
ミリアの心臓の音が大きく響いているように感じた。手や額からひんやりとした汗がじわりと吹き出す。ミリアは五感を研ぎ澄ませ意気込んだ。
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