秘密の師弟関係

ほのじー

文字の大きさ
上 下
9 / 121
第一章:再会

サイド:シルベスター&シャーロット

しおりを挟む
一方、その頃ーーーーー

シルベスターはシャーロットに庭園で重要な連絡事項を伝え終え、最近侍女となったミリアについての話にシフトしていった。

「ぐふっ。ランドルフの奴ミリアちゃんが弟子だったって事気づいてないみたいだな」
「ふふふ、そうみたいですわねお兄様。でもミリアさんのこと少し気にしてるわよ。ほら、今もランドルフ騎士団長ちらちらミリアさんのこと見てるもの」

シルベスターはランドルフをそっと見ると確かにミリアの方を気にしているようだった。するとミリアと目が合ってしまったので、誤魔化すようにウインクをする。

シルベスターはシャーロットを狙っているのは城内の人間、しかもかなりシャーロットに近い人物に協力者がいると考えている。シャーロットのお茶に猛毒チリヌスが微量だが仕込まれていた際も毒味係が直前に毒味したにもかかわらず、シャーロットの手に渡ってしまった。幸運にもシャーロットは匂いに気付き、お茶を飲むことはなかった。毒味係を疑ったが彼女に不審な動きは一切なく、この猛毒チリヌスは素手で触れない為、ビンなどの容器が見つかるはずなのに彼女の回りのどこからも証拠は見つからなかった。

「でもまあミリアちゃんが来てくれたし、シャーロットの問題はすぐに解決しそうだな。まぁ少しミリアちゃんに危険が伴っちゃうけどね」
「それにしてもお兄様ったら意地悪ね。ランドルフ騎士団長にミリアさんのことも何もお伝えしないなんて・・・」

シルベスターとシャーロットはミリアについての背景は全て調査済みで、彼女が幼少期に男装をしていたことも、ランドルフの元で剣を習っていたことも全て知っている。そしてこのシャーロットの回りで起こっている事件に関してもシャーロット、シルベスター、ミリア、そして信頼のできる数人のみが知ることである。ランドルフは信頼しているので伝えてもよかったが、ミリアを関わらせるにあたり、女性に危ない役割を与えると知ったら反対されると思い、とりあえず黙っていようと思ったのだ。

「くっくっく。ランドルフが当時可愛がってた弟子のエドがミリアちゃんのことだって気づいたら絶対びっくりするだろうなぁ?あの冷静な鉄仮面のランドルフがびっくりする顔、是非とも拝みたいけど、変なところ鈍感なあいつが果たして気づくかな~」
「うふふふ、私はさきほどお兄様がランドルフ騎士団長をミリアさんに紹介したとき、ミリアさんの無表情なお顔が崩れかけた瞬間を見てもう笑いをこらえるのが大変でしたわ~~」
「ふっ、あの二人意外とお似合いかもな」
「あら!男だと思っていた弟子が実は心惹かれる女性でした。なんて、とってもスキャンダラスだわ~~!」

そんな会話が行われていたことなど、ミリアもランドルフも知るよしもない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

【完結】妹に作品を盗まれましたけど、嘘がバレないはずありませんよね?

白草まる
恋愛
意中の殿方のために刺繍し贈る行為が流行していた。 ユリアーネも憧れのヴォルフガングのために心をこめ素晴らしい刺繍を仕上げた。 だが、その刺繍がなくなったのだ。 犯人は妹のヘレーネだった。 しかも既にヴォルフガングに贈ってしまったという。

【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!

楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。 (リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……) 遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──! (かわいい、好きです、愛してます) (誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?) 二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない! ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。 (まさか。もしかして、心の声が聞こえている?) リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる? 二人の恋の結末はどうなっちゃうの?! 心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。 ✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。 ✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

散りきらない愛に抱かれて

泉野ジュール
恋愛
 傷心の放浪からひと月ぶりに屋敷へ帰ってきたウィンドハースト伯爵ゴードンは一通の手紙を受け取る。 「君は思う存分、奥方を傷つけただろう。これがわたしの叶わぬ愛への復讐だったとも知らずに──」 不貞の疑いをかけ残酷に傷つけ抱きつぶした妻・オフェーリアは無実だった。しかし、心身ともに深く傷を負ったオフェーリアはすでにゴードンの元を去り、行方をくらましていた。 ゴードンは再び彼女を見つけ、愛を取り戻すことができるのか。

身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~

椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」 私を脅して、別れを決断させた彼の両親。 彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。 私とは住む世界が違った…… 別れを命じられ、私の恋が終わった。 叶わない身分差の恋だったはずが―― ※R-15くらいなので※マークはありません。 ※視点切り替えあり。 ※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。

【完結】過保護な竜王による未来の魔王の育て方

綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
魔族の幼子ルンは、突然両親と引き離されてしまった。掴まった先で暴行され、殺されかけたところを救われる。圧倒的な強さを持つが、見た目の恐ろしい竜王は保護した子の両親を探す。その先にある不幸な現実を受け入れ、幼子は竜王の養子となった。が、子育て経験のない竜王は混乱しまくり。日常が騒動続きで、配下を含めて大騒ぎが始まる。幼子は魔族としか分からなかったが、実は将来の魔王で?! 異種族同士の親子が紡ぐ絆の物語――ハッピーエンド確定。 #日常系、ほのぼの、ハッピーエンド 【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/08/13……完結 2024/07/02……エブリスタ、ファンタジー1位 2024/07/02……アルファポリス、女性向けHOT 63位 2024/07/01……連載開始

処理中です...