秘密の師弟関係

ほのじー

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第一章:再会

過去の記憶③

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その日、朝は雲一つない晴天であったが、午後になると急に雲に覆われ、どんよりと薄暗く、雨がしとしとと降り始めていた。

「空がかなり怪しいから今日はここまでにしておこう」
「はい!!」

生徒たちがさっさと解散していくなか、エドアルドの格好をしたミリアは、年下だが同期のマックスに帰り際呼び止められた。

「おいエドお前・・・好きな奴とかいんのかよ」
「え、急に何言い出すんだよマックス。ぼ、僕は剣振ったり、馬乗ったりするのが楽しいから、そんな恋なんかしてる暇ないっつーの」
「そっか」
「うん。そういうマックスはどうなんだよ」

マックスの白い肌がほんのりと赤くなる。ミリアがずっと年下で弟みたいに思っていたマックスだが、最近では身長が伸び、ミリアは話すとき少し顔を上げなければらなくなった。以前は彼の短く切り揃えた赤髪を上から撫でていたのに、今では頭を撫でようとすると避けられるようになって、少し残念な気持ちになるミリアだ。

「気持ち悪いと思われるかもしれないけどさ、俺、ずっとおまえのこと・・・」
「ん?」

マックスはボソッと呟いたが、外の雨が段々と酷くなり、風もゴウゴウと鳴り響いていたので聞き取れず、もう一度聞き返そうとしたときだった。

「おい、お前らまだ帰ってなかったのか!!」

師匠が驚いたように玄関先に顔をだす。

ザーーーーーー

雨風共に酷く、どこかの屋根や看板が吹き飛んできていた。これではさすがに危ないということで、道場で雨宿りすることとなった。

ぼんやりと外の様子を見ながら二時間ほど経つと、雨の音がしなくなる。

「雨が止んだみたいだな。しかし外はだいぶ暗い。よし、二人の家まで俺が送っていこう」

師匠がそう言って上着を取りにいった。私達は大丈夫だと言ったのだが、暗いなか未成年が歩くと危ないからと送ってもらうことになったのだ。

歩きだして少しすると帰り道にある川の水が溢れ、橋が崩壊していた。

「これじゃあ渡れそうにないな」

そこで師匠はもう少し先にある道の橋がまだ渡れるか確認してくると言って走っていった。
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