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司書官と少年

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「司書官様・・・本を読んでいたら下半身がムズムズしてきました・・・」
「何でだろうね、どのあたりがムズムズするんだい?」
「司書官様っ・・・こんなところでっ・・・」


司書官ネイルは図書室の机の下で少年デームズの胯間を触っていた。少年は声を我慢するのだが「んぁぁ」と漏れてしまっていた。


(うひょー!!机の下で行われる背徳的行為!!御馳走様です・・・)


エリカはそこから少し離れた席に座り、落ちた本を拾う振りをして机の下を除きこんだ。少年の小さめの胯間はビンビンに立ち上がり悶えている。


「おい、変態・・・」
「ひぃっ・・・」


ビッグがエリカの肩に手を置いた。エリカがこちらに来るときに「少し読書に行って参りますので、お構い無く・・・」と言って図書室の前で待つように言ったのだが、ビッグはそれに従わず付いてきたようだ。彼はエリカの隣に座る。


「お前も・・・あんな風にしてほしいのか・・・?」
「っ・・・違います・・・私は見る専門なんですぅ。純愛BL見守り隊なんですぅ」


ビッグはエリカの話を半分聞き流して、エリカのスカートを少しまさぐって太股に手を置いた。


「ひぃっ・・・」
「しっ・・・図書室は静かにしないとだろ」


ビッグは徐々に太股を擦る手が、上に上がり、胯間の際ギリギリの部分を撫でた。そして下着の部分に小指が少し当たった。


(ギャァァアアアアア!!団長の手が、手が・・・)


「ちょっと、下着濡れてねえか?」


エリカは目の前で繰り広げられる司書官×少年のイチャラブ風景に、少し興奮して下半身にジュワリとした感覚があったのは否定できない。


「何が見守り隊だ・・・がっつり興奮してんじゃねーか。夜のおかずにでもするつもりか?」


ビッグの太くて低い声で耳元で囁かれ、エリカの頭の芯にピリッと電気が走る。


(ヒィィィ!!無理無理!!だめ───!!)


──バタン!!


エリカはおもむろに立ち上がり、図書室で音を立てるのも気にせず彼から逃げた。司書官ネイルと少年デームズは、二人の世界に入っていたので幸い気づかれなかった。



「お、おい、待て!!」
「追いかけてこないでくださぃぃぃ」
「俺はお前の護衛だぞ、追いかけるに決まってるじゃねーか」


草むらに逃げ込んだエリカをビッグが容易に捕まえる。


「逃げるときは、人のいる場所に逃げるんだな。これじゃ襲ってくれって言ってるもんだぞ?」
「ひっ、私なんて食べても美味しくないですよ、団長!!激マズです!!」


エリカは草むらの中でビッグに羽交い締めにされ、首に噛みつかれた。


「首筋からは、エロくて甘い味がするぞ?」
「ひゃうぅぅ」


ペチャペチャと耳の裏や首筋を舐められてエリカは腰を抜かしてしまう。


「ふぅぅ、団長っ・・・お戯れはお辞めくださいぃ・・・」
「もう腰抜かしてやがるのか?体力付けろよ。これからはお前体力がいるようになるからな」


ビッグはエリカに囁いた。どこか裏のある言い方にエリカは眉を潜めた。


「え・・・最終選考って運動会でもするんですかっ」
「ちげーよ。まあいずれ分かることだ」


ビッグは満足したのか「御馳走様」と言って体を離した。プルプルと震えながら涙目で抗議すると、「なんだその顔は・・・また襲うぞ」と言われたのでエリカは早足で草むらを抜けた。







「あらあら、あなた雑草がよくお似合いねぇ」



ローズがエリカを目敏く見つけ、こちらにやってくる。もう取り巻きたちは選考から外れて不在なので侍女たちが彼女の周りを囲んでいる。


「あなた、侍女もいないの?貧乏は大変ねぇ」


ローズはエリカの姿を上から下まで見て満足げな表情を向けた。服は何日も着回して同じものであるし、宝石も何もしていなかった。


「でも、なんであなたに団長が護衛に付くのかしら。不思議ねぇ」


基本的に新人や仕事の少ない団員が護衛を担っているのだ。ローズは後ろに控えるビッグをチラリと見た。


「どうかしら、私の護衛と交換しませんこと?団長さんの方が、私を楽しませてくれそうですわ」


ローズはビッグに色っぽい目線を向け、彼の腕にすがり付いた。


(出た───!!乳見せアタック!!)


ローズは以前レオンにしたように腕に手を回して、谷間を強調するように押し付けた。きっとこれで何人かの男を落としたのだろう。しかしビッグの表情は変わらない。


「すみません、私はこの子犬で満足しております故。それに雌牛のような女に・・・興味はございません」


ビッグはそう言って彼女の豊満な胸を見下ろした。それは全く性的な興味は含まれず、逆に下げずんでいる雰囲気がある。


「っ・・・!!平民の男のくせになんて失礼な!!顔と体が良いからって調子乗るんじゃないわよ!!」


ローズは憤慨して「行くわよ!!」と言ってその場を去った。


「ビッグ団長・・・彼女に言い返すなんて勇者ですね・・・」
「お前はビビりすぎだ。お前はいつでも俺が守るから、堂々としてたらいい」


──ドキン


「お前を守る」宣言に胸が高鳴った。顔が赤くなっていくが、ビッグにとってエリカはレオンと一緒に過ごすための駒にすぎず、男性経験のないエリカで少し遊んでいるだけだ、心を落ち着かせた。


(何ときめいてんのよぉ・・・彼にはレオンがいるのにっ)
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