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ガイル④
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紳士クラブから帰り、廊下を歩いているとあの家庭教師が廊下を歩いているのが見えた。
(水を浴びてきたのか?)
彼女は使用人の水場を利用しているのだろう、どこか寒そうにしており髪が濡れている。スカーフはしておらず、うっすらと赤くなった喉元が目についた。
(赤く・・・なってる)
無意識に彼女の喉元に手をやったが、彼女は喉の奥で小さな悲鳴をあげた。昨夜ガイルは彼女の首を締めたのだ。ガイルはサラに恐怖感を植え付けてしまったことに気がついた。そんなに力を入れていないつもりだったが、この小さな女にとったら痣ができる程の力であったのだ。
「そんな怯えるな。その・・・昨日はすまなかった・・・」
繊細な彼女の首に付けたいのはこんな痣ではない。本当に付けたいのは彼女の首元に吸い付いてできる赤い愛の証だ。ガイルが素直にあやまると彼女は驚いているようだった。
「痛いか・・・?」
「秘書のダンさんに、生姜茶を出していただいたので、ほとんど違和感はないです」
「そうか・・・」
サラは生姜茶を手配したのはガイルであると気づいていないようだったが、痣を付けた張本人が手配するとは思わなかったのであろう。サラの視線を感じたガイルは、彼女の瞳を見る。
(そうだ、探し求めていたのはこの瞳だ)
無垢で、どこか危うくて、知的さが滲み出るこの瞳である。何も知らないような純粋さがあるのに、孤独と絶望を知っているような、ガイルの心を乱すこの瞳である。ガイルはもっと見ようと一歩進んだ。
「キャッ・・」
「っ・・・」
彼女も同時に一歩進み出たようで、二人はぶつかってしまい彼女はよろけた。ガイルは咄嗟に彼女の腰を掴むと、彼女はガイルの胸元に抱き締められるような格好となった。
(腰がこんなに細いのだな)
彼女の服は体型を覆い隠すようなものが多く、地味でパッとしないので、ガイルも気が付かなかった。ガイルの腹部に当たる彼女の胸も、思ったよりボリュームがあるようで、柔らかい。
(ぐっ・・・)
ガイルは自身の下半身がピクリと反応する。
(先程まであんだけ無反応だったのに・・・)
離れようとしたサラをガイルは離さず、彼女の眼鏡を外した。
(はぁ、やはり美しい)
眼鏡のガラスという障害物無しで見る彼女の瞳は、特段に美しい。ショーケースに展示されているダイヤモンドを直接触れたような、そんな気分だ。
(そんなに見つめられたら、勘違いしてしまう)
サラは眼鏡を外したガイルに抗議もせずに、ガイルを見つめたままだ。その唇は少し開いており、ぷるんとガイルを待ち受けているようだ。ガイルは唇を寄せ、彼女に口づけた。今まで味わったことのない甘美な唇にガイルは驚きを隠せない。
(もっと、欲しい)
ガイルはもう一歩進んでも良いのか悩んでいると、固まらせていた彼女の体が緩んだ。ガイルの包容を受け入れ、大人しくしている様子にガイルはもう迷わなかった。
(拒まない君が悪い)
ガイルは緩んだ彼女の唇の中に舌をねじ込んだ。彼女の口内全てを味わおうと、歯茎や口蓋に舌を這わせ、彼女の舌を吸った。
「んん・・・」
彼女の舌も遠慮がちにガイルの舌に絡ませはじめる。遠慮はなくなり、ガイルとサラはお互いに貪りあった。グチャグチャといやらしい音が廊下に響く。息継ぎの為に離れた唇から銀色の糸が引く。彼女の唇はガイルのせいで赤く腫れている。
(酒も飲んでないのに・・・酔っ払っているようだ)
こんな気持ちのよい酒があるなら、ずっと酔っていたいとガイルは考える。ガイルの下半身は既に張りつめ、かつてない程に興奮している。
「くしゅんっ・・・」
サラがクシャミをして、ガイルは一瞬冷静を取り戻す。彼女は髪が濡れており、冷たい廊下では風邪をひいてしまう。
(水を浴びてきたのか?)
彼女は使用人の水場を利用しているのだろう、どこか寒そうにしており髪が濡れている。スカーフはしておらず、うっすらと赤くなった喉元が目についた。
(赤く・・・なってる)
無意識に彼女の喉元に手をやったが、彼女は喉の奥で小さな悲鳴をあげた。昨夜ガイルは彼女の首を締めたのだ。ガイルはサラに恐怖感を植え付けてしまったことに気がついた。そんなに力を入れていないつもりだったが、この小さな女にとったら痣ができる程の力であったのだ。
「そんな怯えるな。その・・・昨日はすまなかった・・・」
繊細な彼女の首に付けたいのはこんな痣ではない。本当に付けたいのは彼女の首元に吸い付いてできる赤い愛の証だ。ガイルが素直にあやまると彼女は驚いているようだった。
「痛いか・・・?」
「秘書のダンさんに、生姜茶を出していただいたので、ほとんど違和感はないです」
「そうか・・・」
サラは生姜茶を手配したのはガイルであると気づいていないようだったが、痣を付けた張本人が手配するとは思わなかったのであろう。サラの視線を感じたガイルは、彼女の瞳を見る。
(そうだ、探し求めていたのはこの瞳だ)
無垢で、どこか危うくて、知的さが滲み出るこの瞳である。何も知らないような純粋さがあるのに、孤独と絶望を知っているような、ガイルの心を乱すこの瞳である。ガイルはもっと見ようと一歩進んだ。
「キャッ・・」
「っ・・・」
彼女も同時に一歩進み出たようで、二人はぶつかってしまい彼女はよろけた。ガイルは咄嗟に彼女の腰を掴むと、彼女はガイルの胸元に抱き締められるような格好となった。
(腰がこんなに細いのだな)
彼女の服は体型を覆い隠すようなものが多く、地味でパッとしないので、ガイルも気が付かなかった。ガイルの腹部に当たる彼女の胸も、思ったよりボリュームがあるようで、柔らかい。
(ぐっ・・・)
ガイルは自身の下半身がピクリと反応する。
(先程まであんだけ無反応だったのに・・・)
離れようとしたサラをガイルは離さず、彼女の眼鏡を外した。
(はぁ、やはり美しい)
眼鏡のガラスという障害物無しで見る彼女の瞳は、特段に美しい。ショーケースに展示されているダイヤモンドを直接触れたような、そんな気分だ。
(そんなに見つめられたら、勘違いしてしまう)
サラは眼鏡を外したガイルに抗議もせずに、ガイルを見つめたままだ。その唇は少し開いており、ぷるんとガイルを待ち受けているようだ。ガイルは唇を寄せ、彼女に口づけた。今まで味わったことのない甘美な唇にガイルは驚きを隠せない。
(もっと、欲しい)
ガイルはもう一歩進んでも良いのか悩んでいると、固まらせていた彼女の体が緩んだ。ガイルの包容を受け入れ、大人しくしている様子にガイルはもう迷わなかった。
(拒まない君が悪い)
ガイルは緩んだ彼女の唇の中に舌をねじ込んだ。彼女の口内全てを味わおうと、歯茎や口蓋に舌を這わせ、彼女の舌を吸った。
「んん・・・」
彼女の舌も遠慮がちにガイルの舌に絡ませはじめる。遠慮はなくなり、ガイルとサラはお互いに貪りあった。グチャグチャといやらしい音が廊下に響く。息継ぎの為に離れた唇から銀色の糸が引く。彼女の唇はガイルのせいで赤く腫れている。
(酒も飲んでないのに・・・酔っ払っているようだ)
こんな気持ちのよい酒があるなら、ずっと酔っていたいとガイルは考える。ガイルの下半身は既に張りつめ、かつてない程に興奮している。
「くしゅんっ・・・」
サラがクシャミをして、ガイルは一瞬冷静を取り戻す。彼女は髪が濡れており、冷たい廊下では風邪をひいてしまう。
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