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悪役令嬢、思いを馳せる
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国王が引退すると宣告する。
「わしらは、愚息の悪事を暴けんかった・・・国王失格だ・・・。これからはわしらの目を醒ませてくれた第二王子ウィリアムが国王となる。宜しく頼むぞ、ウィリアム」
「はっ!!」
ライト国の国王が代わり、新しい国の法律が加わった。大きく分けて三つ。
一、魔族も獸人も人間も皆平等であること
二、魔族と獸人にも市民権が与えられること
三、魔族と人間の恋愛・結婚が許されること
この三つが加わった。さらにそれに対し差別や迫害をした場合は大きく罰せられる。
「一つ目ちゃんたち、夕飯の準備できたわよー!」
『はーい!!』
メラニアは地獄の森改め、平和の森で生活を続けていた。あれから一年が経とうとしていた。
「わー!今日はラズベリーの実がいっぱいだ!」
「ふふ、今日サンセラ夫人に頂いたの」
この森にたくさんの人間が移住してきた。この森も少し開拓され、ニュータウンとして今流行りの住居地となった。メラニアの両親も、泣きながらメラニアに王子の言いなりになったことを謝り、王都の仕事を年の離れたメラニアの兄に任せ、この森に越してきた。
「ちわーす、メラニアさん、今日のご飯なんっすかー」
「ジャック、あなた忙しいんでないの?今日はクリームパスタよ」
「忙しいっすよーメラニアさんの料理でパワー貰いにきました。でもメラニアさんも忙しいでしょ?なんせこの国のヴィーナスって呼ばれてるんっすから」
ジャックは今では包帯をしていない。彼は獸人で狼族と人間のハーフであったのだ。その身を隠すために包帯をぐるぐる巻きにしていたのだ。そして今、彼がこの森の統治を任されているのだ。
メラニアというと魔族を引き連れた姿が神々しかったと話題になり、今は魔族と人間の交流会のリーダーとして活躍している。
「メラニアさん、サンセラ夫人の家に行ってきたんですって~?」
「ええ、夫人の侍女たちに全身磨かれて髪の毛も艶々になったわ」
「ふふふ、グッジョブ、サンセラ夫人!メラニアさん、素敵ですよ~。獸人の俺にはメラニアさんの色香が強すぎてヤバイっす」
「まぁ!ありがとうジャック」
(なんだか毎日が充実してるわ・・・)
「おやすみなさい、ウィル」
ウィリアムにもらった指輪を月の光にかざし、おやすみの挨拶をするのがメラニアの日課だ。あれから一度も連絡はなく、もうメラニアのことを忘れてしまったのではないかと不安になることもある。
(あなたのことを思うと、体が疼いちゃう)
「メラニー・・・起きて・・・」
(んん・・・誰、こんな遅い時間に)
「メラニー、可愛い寝顔にキスしちゃうよ」
「ウィ、ウィル!?」
ガバッと起きたメラニアは夢じゃないかと頬を何度もつねる。
「そんなつねったら赤くなっちゃうよ」
「ウィル、本当にウィルなの?」
そこにいたのは人間姿のウィリアムだ。ゴブリン姿の時より、威厳が出てきたように思われる。
ウィリアムはメラニアをぎゅっと抱き締める。
「メラニー、会いたかった」
「私もよ、ウィル」
メラニアはウィリアムにあれからの話をたくさんした。ウィリアムも国王として毎日大変でメラニアに連絡するのも落ち着くまで禁止されていたそうだ。
「メラニー、一年もお預けくらっちゃったんだ。我慢できないよ」
「私もよ・・・」
「わしらは、愚息の悪事を暴けんかった・・・国王失格だ・・・。これからはわしらの目を醒ませてくれた第二王子ウィリアムが国王となる。宜しく頼むぞ、ウィリアム」
「はっ!!」
ライト国の国王が代わり、新しい国の法律が加わった。大きく分けて三つ。
一、魔族も獸人も人間も皆平等であること
二、魔族と獸人にも市民権が与えられること
三、魔族と人間の恋愛・結婚が許されること
この三つが加わった。さらにそれに対し差別や迫害をした場合は大きく罰せられる。
「一つ目ちゃんたち、夕飯の準備できたわよー!」
『はーい!!』
メラニアは地獄の森改め、平和の森で生活を続けていた。あれから一年が経とうとしていた。
「わー!今日はラズベリーの実がいっぱいだ!」
「ふふ、今日サンセラ夫人に頂いたの」
この森にたくさんの人間が移住してきた。この森も少し開拓され、ニュータウンとして今流行りの住居地となった。メラニアの両親も、泣きながらメラニアに王子の言いなりになったことを謝り、王都の仕事を年の離れたメラニアの兄に任せ、この森に越してきた。
「ちわーす、メラニアさん、今日のご飯なんっすかー」
「ジャック、あなた忙しいんでないの?今日はクリームパスタよ」
「忙しいっすよーメラニアさんの料理でパワー貰いにきました。でもメラニアさんも忙しいでしょ?なんせこの国のヴィーナスって呼ばれてるんっすから」
ジャックは今では包帯をしていない。彼は獸人で狼族と人間のハーフであったのだ。その身を隠すために包帯をぐるぐる巻きにしていたのだ。そして今、彼がこの森の統治を任されているのだ。
メラニアというと魔族を引き連れた姿が神々しかったと話題になり、今は魔族と人間の交流会のリーダーとして活躍している。
「メラニアさん、サンセラ夫人の家に行ってきたんですって~?」
「ええ、夫人の侍女たちに全身磨かれて髪の毛も艶々になったわ」
「ふふふ、グッジョブ、サンセラ夫人!メラニアさん、素敵ですよ~。獸人の俺にはメラニアさんの色香が強すぎてヤバイっす」
「まぁ!ありがとうジャック」
(なんだか毎日が充実してるわ・・・)
「おやすみなさい、ウィル」
ウィリアムにもらった指輪を月の光にかざし、おやすみの挨拶をするのがメラニアの日課だ。あれから一度も連絡はなく、もうメラニアのことを忘れてしまったのではないかと不安になることもある。
(あなたのことを思うと、体が疼いちゃう)
「メラニー・・・起きて・・・」
(んん・・・誰、こんな遅い時間に)
「メラニー、可愛い寝顔にキスしちゃうよ」
「ウィ、ウィル!?」
ガバッと起きたメラニアは夢じゃないかと頬を何度もつねる。
「そんなつねったら赤くなっちゃうよ」
「ウィル、本当にウィルなの?」
そこにいたのは人間姿のウィリアムだ。ゴブリン姿の時より、威厳が出てきたように思われる。
ウィリアムはメラニアをぎゅっと抱き締める。
「メラニー、会いたかった」
「私もよ、ウィル」
メラニアはウィリアムにあれからの話をたくさんした。ウィリアムも国王として毎日大変でメラニアに連絡するのも落ち着くまで禁止されていたそうだ。
「メラニー、一年もお預けくらっちゃったんだ。我慢できないよ」
「私もよ・・・」
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