赤い夕焼けの空

ミニマリスト憂希

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「おじさんは誰!?」

顔も体も痩せ細り
病気の様に肌の色はおかしかったが
父かと思ったトニー

「わからないのか パン屋のアントニーおじさんだよ おじさんの焼いたパンは美味しいって言ってくれたじゃないかトニー」

「えっ!?パン屋のおじさん!?」

変わり果てた姿にびっくりするトニー
元々は大柄で強そうだったアントニー
今ではガリガリに痩せ細り
その面影は無かった…

父の事を聞いた

「僕の父を知りませんか?」

「お前さんの親父さんはあの脱走事件の後
捕まってここへ帰ってきたよ」

「やっぱり!?今はどこに!?」

「死んだよ」

言葉を失うトニー

「なぜ…なぜ父さんは死んだんですか!?」

「親父さんはまた脱走の機会を狙っていてな
仲間達と脱走しようとした時に銃殺されたよ」

「そ、そんな…」

「お前さんの事をえらく心配していたよ」


「トニーは俺が駅に来るのを待っている!
家に帰るのを待っている!」


「ってな」

トニーは悲しんだ
やはり父は捕まりここに居たんだと
そしてここで母と同じ
殺されたんだと

トニーは涙を流しながら拳を強く握り
憎しみに溢れた

「アンも殺された ガリガリになって病気になっても働かされて、時には看守のおもちゃにされて、最後には俺の顔まで分からなくなっていた」
「ハッ、ハハハハ 、ハハハハ」

おかしくなっていたアントニー

トニーは走り出した

憎しみに溢れ

復讐するんだと勢いで

地下では
町の人達が看守達と戦いながら
地下に閉じ込められていた人達を助けていた

「出ろ!助けに来たぞ!」

牢屋から出た人達は歓喜に溢れていた

「こ、これで助かるー」
「ありがとう!ありがとう!!」

そして地下の人達と助けに来た町の人達は
看守をなぎ倒し
地上へ出た
勢いに乗った人々は

「この国をぶっ潰そう!」

「もう我慢なんかするものか!」

人々は王の住む城まで進撃した
もはや軍隊
反乱軍だ


王宮にて

「なんてことだ、長く保ってきた
地下が崩落するとは…
早く鎮圧しろ!」

王が兵士達に叫ぶ

「人数が多く こちらが追い込まれてます」

「機関銃でも大砲でも使って構わん
蹴散らせ!」

「はい!」

兵士達は機関銃や大砲を用意した

「いいか!なんとしてもここを守り抜く!
躊躇わずに打て!」

兵士達はどよめくが考える時間も無いまま
反乱軍は城まで来ていた

「撃ち方 用意!」

機関銃と大砲を反乱軍へ向ける

「撃て!」

ドンッドンッ!

ズダダダダ!

機関銃の銃弾は反乱軍の体を貫き

大砲の砲弾は着弾点で爆発し体が吹っ飛ぶ

「怯むな!進め~!」

倒れる人を乗り越え
人数の多い反乱軍は少しずつ進んでいった

そして王の住む王宮へたどり着く

「なんとしても守りきれ」

徐々に追い詰められ焦る王
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