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匂い
丸裸で居られる※
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澄也が頬を染めて誘うので、久希はごくりと唾をのみ、彼の体に覆いかぶさった。
先ほど指で触れたところを、今度は唇で触れていく。
髪、額、まぶた。鼻には鼻をこすりつけ、淡く口づける。
首筋をなめると、澄也は気持ちよさそうに、身をよじった。
その色気にあてられて、早くも久希のものがずくんと脈打った。
早く彼の中へ入りたいが、期待外れと思われたくないし、澄也の艶やかな体をもっと堪能したい。
鎖骨を甘噛みし、澄也の胸の頂を舌先と指先でこね回す。
澄也は甘い声を発して肩をびくつかせる。白い肌が桃色に染まり、愛らしくてますます大事に触れたくなる。
腹に入った美しい縦線を指でなぞり、へその周りを手のひらでゆっくり撫でる。そうしながら久希は澄也の足を持ち上げ、太ももに痕をつけた。
ここからの眺めは最高だ。澄也の瞳が期待に潤む様子も、彼の秘所からとろりと蜜をたらすところもすべて見えてしまう。
澄也が久希の下着を握りしめたままなのが少々気になるが、そのままきれいな足に口づけていく。
はあ、と久希が悩まし気な息を吐き足に口づけた後、澄也のくちびるを見つめた。
澄也もたまらなく彼の口づけが欲しかった。
ゆっくりと身を起こし、澄也は久希の首の後ろに手を回し自らくちびるを重ねた。。
化粧をするのはいつも、自分のためだった。
美しさは武器でもあり鎧でもある。
けれど久希の前では丸裸で居られる。演技をするまでもなく喜びが体からあふれ出し、自分でも聞いたことがないような、甘い声が喉から漏れる。
リップクリームだけは手放せない。いつだって彼の口づけが欲しいから。
久希のくちびるに自分のくちびるを押し付けて、甘く噛んで、イタズラするように咥えてみたりする。
すると久希は、熱い舌でれろりと舐めてくる。舌を絡めながら、指を尻に這わせ、中へもぐりこませる。
すでに濡れそぼったそこを、久希の指がかきまぜるたび、ぬちゅぬちゅと恥ずかしいくらい水音を立てる。
気持ちいい。けれど、体と心はもっと強い刺激を求める。
「久希さん、指じゃなくて、久希さんのが欲しい」
ねだれば久希は、どこか勝ち誇ったような笑みを浮かべる。オスの顔だ。どきりとする。
久希の上にまたがっていた澄也は、期待に息を荒げながら、腰を持ち上げる。久希は自分のものに手を添えて、位置を調整し頷いた。
澄也は慎重に腰を落としていく。先端を飲み込んでホッとしかけた矢先、久希が腰を動かしたので、澄也はバランスを崩した。
思いがけず一気に深いところまで貫かれ、澄也の体がのけぞる。
同時に、腹に白濁が飛び散る。
気持ち良すぎてくらくらしているのに、久希は追い打ちをかけるようにゆるゆると腰を振った。
「あ、久希さんっ、待って。今、イってるから……」
「うん」
返事はしてくれたものの、彼は澄也の体に夢中になっている。
たん、たたん、たん。
リズミカルに打ち付けられて、澄也の体がそのたび震える。
涙がじわじわあふれ出し、逃しようのない快感に、声を殺すこともできない。
澄也がこらえきれずベッドに背中をつけると、久希は体勢を変え、澄也の腰を持ち上げ両足のあいだから再び澄也を穿つ。
澄也は久希の腰に足を巻き付けるようにして、腕も伸ばして久希を抱き寄せた。体を繋いだまま口づけを交わす。くちびるの熱に慰められるようだった。
快楽に支配されていた思考に、じわじわとしみ込むのは、体を重ねている相手が久希だという事実。そして、彼が自分のつがいであるという幸福だ。
「ひさきさん、あいしてる」
久希の顔がぐっと歪む。
「澄也」
澄也を呼ぶ声がくぐもる。
どくんどくんと脈打つのが、自分のものなのか彼のものなのかわからなくなって、頭の中が真っ白になった。
それでも、澄也を抱きしめる久希の腕と、彼が囁いた愛の言葉だけはしっかりと耳に届いた。
澄也は微笑んで、喜びをかみしめた。
澄也が目を覚ました時、久希の姿はすでになかった。
書き置き一つ残して、仕事に行ってしまったらしい。
だけど澄也がせっせと作った巣を残して行ってくれたので、澄也は安心してその中にくるまった。手にしっかりと久希の下着を握りしめることを忘れずに。
先ほど指で触れたところを、今度は唇で触れていく。
髪、額、まぶた。鼻には鼻をこすりつけ、淡く口づける。
首筋をなめると、澄也は気持ちよさそうに、身をよじった。
その色気にあてられて、早くも久希のものがずくんと脈打った。
早く彼の中へ入りたいが、期待外れと思われたくないし、澄也の艶やかな体をもっと堪能したい。
鎖骨を甘噛みし、澄也の胸の頂を舌先と指先でこね回す。
澄也は甘い声を発して肩をびくつかせる。白い肌が桃色に染まり、愛らしくてますます大事に触れたくなる。
腹に入った美しい縦線を指でなぞり、へその周りを手のひらでゆっくり撫でる。そうしながら久希は澄也の足を持ち上げ、太ももに痕をつけた。
ここからの眺めは最高だ。澄也の瞳が期待に潤む様子も、彼の秘所からとろりと蜜をたらすところもすべて見えてしまう。
澄也が久希の下着を握りしめたままなのが少々気になるが、そのままきれいな足に口づけていく。
はあ、と久希が悩まし気な息を吐き足に口づけた後、澄也のくちびるを見つめた。
澄也もたまらなく彼の口づけが欲しかった。
ゆっくりと身を起こし、澄也は久希の首の後ろに手を回し自らくちびるを重ねた。。
化粧をするのはいつも、自分のためだった。
美しさは武器でもあり鎧でもある。
けれど久希の前では丸裸で居られる。演技をするまでもなく喜びが体からあふれ出し、自分でも聞いたことがないような、甘い声が喉から漏れる。
リップクリームだけは手放せない。いつだって彼の口づけが欲しいから。
久希のくちびるに自分のくちびるを押し付けて、甘く噛んで、イタズラするように咥えてみたりする。
すると久希は、熱い舌でれろりと舐めてくる。舌を絡めながら、指を尻に這わせ、中へもぐりこませる。
すでに濡れそぼったそこを、久希の指がかきまぜるたび、ぬちゅぬちゅと恥ずかしいくらい水音を立てる。
気持ちいい。けれど、体と心はもっと強い刺激を求める。
「久希さん、指じゃなくて、久希さんのが欲しい」
ねだれば久希は、どこか勝ち誇ったような笑みを浮かべる。オスの顔だ。どきりとする。
久希の上にまたがっていた澄也は、期待に息を荒げながら、腰を持ち上げる。久希は自分のものに手を添えて、位置を調整し頷いた。
澄也は慎重に腰を落としていく。先端を飲み込んでホッとしかけた矢先、久希が腰を動かしたので、澄也はバランスを崩した。
思いがけず一気に深いところまで貫かれ、澄也の体がのけぞる。
同時に、腹に白濁が飛び散る。
気持ち良すぎてくらくらしているのに、久希は追い打ちをかけるようにゆるゆると腰を振った。
「あ、久希さんっ、待って。今、イってるから……」
「うん」
返事はしてくれたものの、彼は澄也の体に夢中になっている。
たん、たたん、たん。
リズミカルに打ち付けられて、澄也の体がそのたび震える。
涙がじわじわあふれ出し、逃しようのない快感に、声を殺すこともできない。
澄也がこらえきれずベッドに背中をつけると、久希は体勢を変え、澄也の腰を持ち上げ両足のあいだから再び澄也を穿つ。
澄也は久希の腰に足を巻き付けるようにして、腕も伸ばして久希を抱き寄せた。体を繋いだまま口づけを交わす。くちびるの熱に慰められるようだった。
快楽に支配されていた思考に、じわじわとしみ込むのは、体を重ねている相手が久希だという事実。そして、彼が自分のつがいであるという幸福だ。
「ひさきさん、あいしてる」
久希の顔がぐっと歪む。
「澄也」
澄也を呼ぶ声がくぐもる。
どくんどくんと脈打つのが、自分のものなのか彼のものなのかわからなくなって、頭の中が真っ白になった。
それでも、澄也を抱きしめる久希の腕と、彼が囁いた愛の言葉だけはしっかりと耳に届いた。
澄也は微笑んで、喜びをかみしめた。
澄也が目を覚ました時、久希の姿はすでになかった。
書き置き一つ残して、仕事に行ってしまったらしい。
だけど澄也がせっせと作った巣を残して行ってくれたので、澄也は安心してその中にくるまった。手にしっかりと久希の下着を握りしめることを忘れずに。
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素直じゃないけど誰よりも家族を求めてた澄也が唯一を見つけられて良かった!!
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もくれんさん、こちらも読んでいただきありがとうございます💕
ううう、感想があったかい。
澄也も久希も確かにちょっと不器用そうですよね。
子育てもなんかズレてる、みたいなことになりそうです。ツッコミ役が必要かも🤭
〈匂い〉の感想です。
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ツンな澄也の見つかっちまった、な所がめちゃくちゃツボでした。
澄也の為に家をリフォーム(溺愛αの巣作り♡)しまくった久希も感無量だったでしょうね(*≧∀≦*)
あの鎧だらけだった澄也が、素顔で丸裸で幸せ噛み締めてる姿に、私もほわほわ〜っとしました。
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