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一件落着かな?
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声をかけてくれた図書委員さんに頭をさげて、時々でもページをめくっておくことに決めた時だった。
人物サーチにマリーが引っかかった。
ん?
兄ズの気配も感じとった。
マリー達のちょっと離れた後方に来ていた。
下で待つことにしよう。
今はまだ比較的空いてる時間。
でももうすぐ混む。
兄ズは他の冒険者とこちらに向かってたからね。
伝言をお願いしたお姉さんにテーブルで待つことを伝え、今日は特別にミルクを注文して、入口に顔を向けて座った。
山羊ミルクだ。
あんまり美味しくない。
ちびちび飲んでいるとマリーが来た。
じっと見ていると私に気がついた。
「あ!また!ガン飛ばしてんじゃねー!目障りだな!」
はい、今はガン飛ばしてました。
マリーの声はギルド内に響いていた。
すかさずギルドのお姉さんがやってくる。
「あらあら、ギルド内で揉めるのはやめてね?どうしたの?」
物腰の柔らかいお姉さんだ。
トラブルに慣れたできるお姉さんですね。
「コイツが私にまたガン飛ばしてきたの!」
「また?さっきもあったの?」
マリーはすごく怒ってるみたい。
体格からして9才か10才くらいかな?
「そうよ!さっきもガン飛ばしてきたんだから!」
「それで?押し倒したの?」
「そうよ!でもやったのは私じゃないけどね」
ちょろい。
言質とった。
お姉さん、お見事。
子どもの扱いに慣れてるね。
ここで私の出番かな?
「押し倒されて手を怪我したの」
わざとらしく手を見せた。
ここでマリーたちはハッと気付く。
怪我をさせたのは不味かった。
「誰が押したのかしら?」
お姉さんの声のトーンが下がった。
黒い何かが見える気がした。
「冒険者の心得は忘れてしまったのかしら?冒険者同士の喧嘩は処罰されます。縄張りも許されていません。あなた達の買取額が減ったのはナイフを使って採取しているからと説明もしました」
いつも砕けた言葉遣いが丁寧語になってお姉さんの怒り具合がわかる。
マリー達は自分達のしたことの重さを知って俯く。
「今回は押し倒したひとりの責任にはしません。その場にいた全員処罰します。3日間の冒険者ライセンス停止です。よく反省しなさい。 わ か り ま し た か?」
「はい・・・・・・」
小さく返事をしたマリーたち。
泣き出す子もいた。
たった3日でもライセンス停止は冒険者としては不名誉である。
その時
「エラ?」
私の兄ズだ。
ゾロゾロと冒険者達が帰ってきて急に混み始めた。
「お兄ちゃん!」
椅子から飛び降りて子どもらしくレオに飛びついたら抱き上げてくれた。
すると「え!」と驚きの声が。
?
声をあげたのはマリーだった。
なんだろう?
「エラ、待っていてくれたの?」
「珍しいな!一緒に帰ろう」
兄ズがいいこいいこ頭を撫でてくれた。
イケメン笑顔は全て私に注がれている。
「あんたの、おにいさん・・・・・・?」
エラが愕然とした顔で私たちを見ていた。
私はマリーを無視して兄ズに手を見せた。
悲しそうな顔をして、可哀想な妹を演じる私。
「あのね、ドンされて、手が痛かったの」
「ごめんなさい!許してください!全然似てないじゃん!えーーーーーん!!!」
マリーがものすごい勢いで頭を下げて、泣きながら去っていった。
不思議な空気の中、取り巻き達もちゃんと謝ってくれたんだけど、ちょっと困り顔。
どうやら、マリーの初恋の相手が兄ズだったらしい。
それは知らなかった。
そういうことならきっとこの件は逆恨みされることなく、これで一件落着だろうな。
よしよし。
思いがけずマリーの初恋も打ち砕いた事に、少しの罪悪感も感じなかった。
自業自得だしね。
人物サーチにマリーが引っかかった。
ん?
兄ズの気配も感じとった。
マリー達のちょっと離れた後方に来ていた。
下で待つことにしよう。
今はまだ比較的空いてる時間。
でももうすぐ混む。
兄ズは他の冒険者とこちらに向かってたからね。
伝言をお願いしたお姉さんにテーブルで待つことを伝え、今日は特別にミルクを注文して、入口に顔を向けて座った。
山羊ミルクだ。
あんまり美味しくない。
ちびちび飲んでいるとマリーが来た。
じっと見ていると私に気がついた。
「あ!また!ガン飛ばしてんじゃねー!目障りだな!」
はい、今はガン飛ばしてました。
マリーの声はギルド内に響いていた。
すかさずギルドのお姉さんがやってくる。
「あらあら、ギルド内で揉めるのはやめてね?どうしたの?」
物腰の柔らかいお姉さんだ。
トラブルに慣れたできるお姉さんですね。
「コイツが私にまたガン飛ばしてきたの!」
「また?さっきもあったの?」
マリーはすごく怒ってるみたい。
体格からして9才か10才くらいかな?
「そうよ!さっきもガン飛ばしてきたんだから!」
「それで?押し倒したの?」
「そうよ!でもやったのは私じゃないけどね」
ちょろい。
言質とった。
お姉さん、お見事。
子どもの扱いに慣れてるね。
ここで私の出番かな?
「押し倒されて手を怪我したの」
わざとらしく手を見せた。
ここでマリーたちはハッと気付く。
怪我をさせたのは不味かった。
「誰が押したのかしら?」
お姉さんの声のトーンが下がった。
黒い何かが見える気がした。
「冒険者の心得は忘れてしまったのかしら?冒険者同士の喧嘩は処罰されます。縄張りも許されていません。あなた達の買取額が減ったのはナイフを使って採取しているからと説明もしました」
いつも砕けた言葉遣いが丁寧語になってお姉さんの怒り具合がわかる。
マリー達は自分達のしたことの重さを知って俯く。
「今回は押し倒したひとりの責任にはしません。その場にいた全員処罰します。3日間の冒険者ライセンス停止です。よく反省しなさい。 わ か り ま し た か?」
「はい・・・・・・」
小さく返事をしたマリーたち。
泣き出す子もいた。
たった3日でもライセンス停止は冒険者としては不名誉である。
その時
「エラ?」
私の兄ズだ。
ゾロゾロと冒険者達が帰ってきて急に混み始めた。
「お兄ちゃん!」
椅子から飛び降りて子どもらしくレオに飛びついたら抱き上げてくれた。
すると「え!」と驚きの声が。
?
声をあげたのはマリーだった。
なんだろう?
「エラ、待っていてくれたの?」
「珍しいな!一緒に帰ろう」
兄ズがいいこいいこ頭を撫でてくれた。
イケメン笑顔は全て私に注がれている。
「あんたの、おにいさん・・・・・・?」
エラが愕然とした顔で私たちを見ていた。
私はマリーを無視して兄ズに手を見せた。
悲しそうな顔をして、可哀想な妹を演じる私。
「あのね、ドンされて、手が痛かったの」
「ごめんなさい!許してください!全然似てないじゃん!えーーーーーん!!!」
マリーがものすごい勢いで頭を下げて、泣きながら去っていった。
不思議な空気の中、取り巻き達もちゃんと謝ってくれたんだけど、ちょっと困り顔。
どうやら、マリーの初恋の相手が兄ズだったらしい。
それは知らなかった。
そういうことならきっとこの件は逆恨みされることなく、これで一件落着だろうな。
よしよし。
思いがけずマリーの初恋も打ち砕いた事に、少しの罪悪感も感じなかった。
自業自得だしね。
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