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エピローグ
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コンスタンスの傷が癒え、ヒース侯爵邸に戻る日になった。
馬車で迎えに来たオレリアンは、だが、王都の邸には寄らず、そのままコンスタンスを連れてヒース領を目指した。
冬季休暇に合わせ、妻との二度目の蜜月を領地で過ごすために。
言うまでもなく一度目の蜜月での妻は7歳であったが、今度こそ、文字通り『本当の夫婦』になるため励むつもりだ。
二度と『白い結婚』を理由に離縁を迫られたりしないように。
王都の街を抜ける時、コンスタンスが刺繍に使う糸を買って行きたいと言いだしたため、2人は馬車を降りた。
ヒース領ではよくデートをしたが、王都の街をこうして2人で歩くのは初めてである。
オレリアンはコンスタンスの手を握り、2人仲良く街を歩いた。
彼の手は妻の手作りの手袋で覆われ、また妻の手は、最近夫が贈った可愛らしい手袋で覆われている。
妻の手首には痛々しい傷跡が残っているため、オレリアンは手首の部分が少し長めの手袋を贈ったのだ。
糸を買ったついでに喉を潤して行こうと、オレリアンは妻を隣にある小さなカフェに誘った。
2人は向かい合って座り、飲み物やケーキを注文する。
「あら、美味しい」
「どれ…、ああ本当だ。美味いね。
ほらコニー、こっちもどうぞ」
2人は仲の良い恋人同士のように、お互いのケーキをつつき合って食べた。
オレリアンは昨日まで、ルーデル公爵家で療養中だった妻を毎日訪ねていた。
仕事の帰りなら一緒にお茶を飲み、非番の日なら庭に出てピクニックをしたりフィルと遊んだり。
記憶が戻って想いを通じ合わせてもまだどこかしらぎこちなかった2人の仲は、それによってどんどん近づいていった。
コンスタンスはコロコロとよく笑うようになった。
『貼り付けたような笑顔』だと思っていたことは、もう遠い昔の話だ。
そんな妻の『心からの笑顔』を生涯かけて守りたいと、オレリアンは心に誓う。
カフェの窓から外を眺めていたコンスタンスが、突然小さく笑った。
「ん?どうした?」
オレリアンもつられて外を見る。
「そういえば私ね、昔、ここで立ち往生している馬車を助けている男性を見かけたの」
「ふうん?」
「雨で濡れるのも厭わず手を貸して…、すごく好青年だったわ。
しかも、馬車に乗っていたのはとても綺麗な女性だったの。
彼女は青年にお礼を言って…、彼はすごく照れていて…、2人、見つめ合っていたわ」
「へぇ…、って、え?」
オレリアンは眉間に皺を寄せてコンスタンスの顔を見た。
彼女は夫に向かってニッコリ微笑んでいる。
「あの時私ね、2人が恋に落ちる音を聞いた気がしたの」
「それは…、多分気のせいだな」
オレリアンは明後日の方を向いた。
「俺だって…、舞踏会ではいつも仲睦まじい様子の王太子と婚約者を見てたけど?」
オレリアンがつまらなそうに言い返すのを、コンスタンスは笑顔で聞いている。
オレリアンにとっても、コンスタンスにとっても、たしかにあれは恋だった。
でも、あの恋が実らなかったからこそ、今の幸せがあるのだと思える。
「まぁでも…、厳密に言えば私の初恋はオレールかもしれないわ。
だってたしかに私は、7歳の時貴方に恋をしたのだもの」
そう言ってコンスタンスはコテンと小首を傾げた。
「そんな可愛い顔したって…、騙されないよ」
「ふふっ、可愛いの?」
2人の時間に慣れてきたコンスタンスは容赦なく可愛い言葉や仕草を繰り返すため、オレリアンはいつも押され気味だ。
だが、それも彼にとっては楽しい。
だからってやられっぱなしでいるつもりはないが。
オレリアンが
「まぁ俺だって…、ファーストキスはコニーだしね」
などと言ったから、コンスタンスは目を丸くした。
「え?だって、貴方には恋人が…」
「たしかに結婚を前提に付き合ってはいたけど、相手だって貴族の令嬢なんだ。
婚約前に手を出したりしないよ」
やはり彼は頭の天辺から足の爪先まで生真面目な騎士様だ。
オレールらしいと、コンスタンスは目を細めて夫を見上げた。
頬を染め、
「…嬉しい」
と呟く様はあまりにも可愛らしく、カフェの中じゃなければ抱きしめてしまっただろう。
「でもまぁまさか…、奪う方じゃなく奪われる方だとは思わなかったけどね」
オレリアンが悪戯っぽい目で笑う。
そういえば『7歳のコンスタンス』は、自分から彼にキスしたんだった。
なんともおしゃまな7歳だった。
まぁ、見た目は大人だったけれど。
「私だって、オレールが初めてだったわ」
コンスタンスが呟く。
王太子とは10年間も婚約者同士だったが、ダンスやエスコートの折に腰に手を回す以上の触れ合いはほとんどなかった。
王太子も婚約者とはいえ、婚姻前の公爵令嬢に手を出すようなことはなかったのである。
「じゃあ、これから2人でたくさんの初めてを経験していこう」
オレリアンが差し出す手に自分の手を乗せ、コンスタンスが笑顔で頷く。
「とりあえず…、馬車に戻ったら2回目のキスをしてもいいかな?奥様」
「ええ、よくってよ、旦那様」
戯けるように答えたが、コンスタンスの顔は真っ赤だ。
「じゃあ、その予行練習」
そう言うとオレリアンはコンスタンスの左手を持ち上げ、その手首に口づけを落とした。
この生涯消えないであろう傷跡は、彼女が王太子よりオレリアンを選んでくれた証であり、宝物であるから。
ヒース領に戻った2人は、領内の小さな教会で結婚式を挙げた。
今回は誰にお膳立てされたわけじゃなく、2人の意思で式を挙げたかったから。
王都からはルーデル公爵夫妻とエリアス、そしてオレリアンの親兄弟が駆けつけ、使用人や領民も見守る中、2人は永遠の愛を誓った。
花嫁は祝福する人々に満面の笑顔で手を振り、花婿はそんな花嫁を愛おしそうに見つめる。
幸せそうな2人に、見学者は皆当てられっぱなしであったと言う。
その後ー。
時々、領内の泉や野原で、裸足で駆け回る侯爵夫妻が見られた。
そんな時、奥様はいつもお下げ髪にブルーのリボンをつけていて、侯爵はそんな奥様を軽々と抱き上げてはしゃいでいる。
数年後、侯爵は近衛騎士の職を辞して領地経営に専念することにした。
もちろんその傍らにはいつも奥様が寄り添い、仲睦まじい姿が見られた。
そんな侯爵夫妻の微笑ましい姿は、2人の間に子供たちが生まれても全く変わらなかったと言う。
善政を敷き、気さくな領主夫妻は末永く領民に慕われた。
やがて、ヒース領内ではまことしやかに一つの伝説が生まれた。
恋人から贈られた青いリボンをつけた女の子は、必ず幸せになると。
因みにリボンをつける時は、お下げ髪だとなお良いらしい。
fin.
*これにて完結です。
ここまでお付き合いいただいて
ありがとうございました。
馬車で迎えに来たオレリアンは、だが、王都の邸には寄らず、そのままコンスタンスを連れてヒース領を目指した。
冬季休暇に合わせ、妻との二度目の蜜月を領地で過ごすために。
言うまでもなく一度目の蜜月での妻は7歳であったが、今度こそ、文字通り『本当の夫婦』になるため励むつもりだ。
二度と『白い結婚』を理由に離縁を迫られたりしないように。
王都の街を抜ける時、コンスタンスが刺繍に使う糸を買って行きたいと言いだしたため、2人は馬車を降りた。
ヒース領ではよくデートをしたが、王都の街をこうして2人で歩くのは初めてである。
オレリアンはコンスタンスの手を握り、2人仲良く街を歩いた。
彼の手は妻の手作りの手袋で覆われ、また妻の手は、最近夫が贈った可愛らしい手袋で覆われている。
妻の手首には痛々しい傷跡が残っているため、オレリアンは手首の部分が少し長めの手袋を贈ったのだ。
糸を買ったついでに喉を潤して行こうと、オレリアンは妻を隣にある小さなカフェに誘った。
2人は向かい合って座り、飲み物やケーキを注文する。
「あら、美味しい」
「どれ…、ああ本当だ。美味いね。
ほらコニー、こっちもどうぞ」
2人は仲の良い恋人同士のように、お互いのケーキをつつき合って食べた。
オレリアンは昨日まで、ルーデル公爵家で療養中だった妻を毎日訪ねていた。
仕事の帰りなら一緒にお茶を飲み、非番の日なら庭に出てピクニックをしたりフィルと遊んだり。
記憶が戻って想いを通じ合わせてもまだどこかしらぎこちなかった2人の仲は、それによってどんどん近づいていった。
コンスタンスはコロコロとよく笑うようになった。
『貼り付けたような笑顔』だと思っていたことは、もう遠い昔の話だ。
そんな妻の『心からの笑顔』を生涯かけて守りたいと、オレリアンは心に誓う。
カフェの窓から外を眺めていたコンスタンスが、突然小さく笑った。
「ん?どうした?」
オレリアンもつられて外を見る。
「そういえば私ね、昔、ここで立ち往生している馬車を助けている男性を見かけたの」
「ふうん?」
「雨で濡れるのも厭わず手を貸して…、すごく好青年だったわ。
しかも、馬車に乗っていたのはとても綺麗な女性だったの。
彼女は青年にお礼を言って…、彼はすごく照れていて…、2人、見つめ合っていたわ」
「へぇ…、って、え?」
オレリアンは眉間に皺を寄せてコンスタンスの顔を見た。
彼女は夫に向かってニッコリ微笑んでいる。
「あの時私ね、2人が恋に落ちる音を聞いた気がしたの」
「それは…、多分気のせいだな」
オレリアンは明後日の方を向いた。
「俺だって…、舞踏会ではいつも仲睦まじい様子の王太子と婚約者を見てたけど?」
オレリアンがつまらなそうに言い返すのを、コンスタンスは笑顔で聞いている。
オレリアンにとっても、コンスタンスにとっても、たしかにあれは恋だった。
でも、あの恋が実らなかったからこそ、今の幸せがあるのだと思える。
「まぁでも…、厳密に言えば私の初恋はオレールかもしれないわ。
だってたしかに私は、7歳の時貴方に恋をしたのだもの」
そう言ってコンスタンスはコテンと小首を傾げた。
「そんな可愛い顔したって…、騙されないよ」
「ふふっ、可愛いの?」
2人の時間に慣れてきたコンスタンスは容赦なく可愛い言葉や仕草を繰り返すため、オレリアンはいつも押され気味だ。
だが、それも彼にとっては楽しい。
だからってやられっぱなしでいるつもりはないが。
オレリアンが
「まぁ俺だって…、ファーストキスはコニーだしね」
などと言ったから、コンスタンスは目を丸くした。
「え?だって、貴方には恋人が…」
「たしかに結婚を前提に付き合ってはいたけど、相手だって貴族の令嬢なんだ。
婚約前に手を出したりしないよ」
やはり彼は頭の天辺から足の爪先まで生真面目な騎士様だ。
オレールらしいと、コンスタンスは目を細めて夫を見上げた。
頬を染め、
「…嬉しい」
と呟く様はあまりにも可愛らしく、カフェの中じゃなければ抱きしめてしまっただろう。
「でもまぁまさか…、奪う方じゃなく奪われる方だとは思わなかったけどね」
オレリアンが悪戯っぽい目で笑う。
そういえば『7歳のコンスタンス』は、自分から彼にキスしたんだった。
なんともおしゃまな7歳だった。
まぁ、見た目は大人だったけれど。
「私だって、オレールが初めてだったわ」
コンスタンスが呟く。
王太子とは10年間も婚約者同士だったが、ダンスやエスコートの折に腰に手を回す以上の触れ合いはほとんどなかった。
王太子も婚約者とはいえ、婚姻前の公爵令嬢に手を出すようなことはなかったのである。
「じゃあ、これから2人でたくさんの初めてを経験していこう」
オレリアンが差し出す手に自分の手を乗せ、コンスタンスが笑顔で頷く。
「とりあえず…、馬車に戻ったら2回目のキスをしてもいいかな?奥様」
「ええ、よくってよ、旦那様」
戯けるように答えたが、コンスタンスの顔は真っ赤だ。
「じゃあ、その予行練習」
そう言うとオレリアンはコンスタンスの左手を持ち上げ、その手首に口づけを落とした。
この生涯消えないであろう傷跡は、彼女が王太子よりオレリアンを選んでくれた証であり、宝物であるから。
ヒース領に戻った2人は、領内の小さな教会で結婚式を挙げた。
今回は誰にお膳立てされたわけじゃなく、2人の意思で式を挙げたかったから。
王都からはルーデル公爵夫妻とエリアス、そしてオレリアンの親兄弟が駆けつけ、使用人や領民も見守る中、2人は永遠の愛を誓った。
花嫁は祝福する人々に満面の笑顔で手を振り、花婿はそんな花嫁を愛おしそうに見つめる。
幸せそうな2人に、見学者は皆当てられっぱなしであったと言う。
その後ー。
時々、領内の泉や野原で、裸足で駆け回る侯爵夫妻が見られた。
そんな時、奥様はいつもお下げ髪にブルーのリボンをつけていて、侯爵はそんな奥様を軽々と抱き上げてはしゃいでいる。
数年後、侯爵は近衛騎士の職を辞して領地経営に専念することにした。
もちろんその傍らにはいつも奥様が寄り添い、仲睦まじい姿が見られた。
そんな侯爵夫妻の微笑ましい姿は、2人の間に子供たちが生まれても全く変わらなかったと言う。
善政を敷き、気さくな領主夫妻は末永く領民に慕われた。
やがて、ヒース領内ではまことしやかに一つの伝説が生まれた。
恋人から贈られた青いリボンをつけた女の子は、必ず幸せになると。
因みにリボンをつける時は、お下げ髪だとなお良いらしい。
fin.
*これにて完結です。
ここまでお付き合いいただいて
ありがとうございました。
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