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今度はマレーシアに来ました!

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 突然ですが、『米国』の部分を『異国』に改題しました。
アメリカに住んでいた時のお話を書くつもりで始めたんですが、今度はマレーシアに住むことになってしまい、それも書かせてもらおうと思ったからです。

今回も夫の海外赴任に付いて来たんですが、これまた青天の霹靂です。
息子たちにも手がかからなくなり私自身仕事を持っていたので、これからは好きなことだけやって生きていこうと思っていた矢先でした。
夫とは特に共通の趣味も無いのですが、時々のんびりと国内旅行でもできたらいいかなぁ、なんて。

だから仕事を辞めて夫についていくと決めた時、「よく決断したね」って友人たちには言われました。
アメリカ行きの時はあんなに渋ってましたからね(笑)。

でも実は、今回はほとんど悩まなかったんです。
最初はびっくりしましたが、すぐに「ラッキー!今度はマレーシア?楽しそう!」と思って。
息子たちが、もう母親を必要としない年齢であったのも大きいですね。
そう、私は根っから能天気なので、面白そうな方を選んで生きていきたいんです。

しかし、すっかり油断していました。
もう海外は無いと勝手に思っていたので、相変わらず全く英語の勉強をしてこなかったんです。
息子たちには「将来困らないように英語勉強しておきなよ~」なんて言いながら、その実自分はまっっったく触りもしていませんでした。
アメリカであんなに痛い目にあったというのに!

 今回は、数ヶ月前からマレーシアに住んでいる夫は迎えに来てくれず、私は一人で渡航しました。
自慢じゃありませんが、私は国内でさえも一人で飛行機に乗ったことがないんですよ。
ええ、完全に『はじめてのおつかい』です。
春休みを利用して父親に会いに行ってきた息子は、「お母さんには絶対無理だ」なんて言いますし…。

 はい、もう成田空港でやらかしました。
荷物を預け無事出国手続きを終えた私は、見送りに来てくれた母と妹とまったりしてコーヒーを飲んでいました。
搭乗開始時間と61と書かれた紙を渡されたので、それまでに下の階に降りて61番というドア?とかに行けばいいと思っていたんです。

ところが、のんびりしていた私に「〇〇時発クアラルンプール行の搭乗手続きは間もなく締め切ります」なんて放送が聞こえてきました。
「え⁈私が乗るやつ⁈締め切るって何⁈」
慌てて降りてみれば、61番なんてドアはどこにもありません。
そうです、飛行機に乗りなれている方はわかったでしょうが、私は搭乗予定時刻を、『出国審査場』を通る時間と勘違いしていたんです。

ばたばたと母と妹と別れて出国審査を受けた私は、慌てて61番ゲートへ向かいました。
日本語で説明されたのにこんな具合なのですから、先が思いやられます。
ただ唯一良かったのは、慌ただしく別れたため母や妹が『涙の見送り』なんてことにならなかったことですかね。

さあ、ここから『はじめてのおつかい』本番です。
飛行機に乗ってしまえば『まな板の鯉』状態なので、機内食を美味しくいただいてあとはほとんど寝て過ごします。
無事着陸した後は、皆さんが進む方へ流されるようにくっついて行きます。

いよいよ入国審査にやって来ました。
ありがたいことに漢字で書いてあるのですぐにわかります。
でも私は旅行者ではなく居住するので、違う列に並ぶよう言われました。

入国審査官は無愛想でした。
私の拙い「ハロー」にも返してくれません。
私がパスポートとビザを提示すると、確認し終えた彼が、小さな機械を指差しました。
キャッシュカードやスマホをタッチするような機械ですね。

ーなるほど、3日前にスマホで出国カードを記入してきたので、それを読み取るということですね?ー
そう理解した私は、機械にスマホをかざしました。
審査官は「違う」という身振りをします。

ーなるほど、裏返しなのね?ー
私はスマホを裏返してタッチしました。
また審査官は「違う」と言います(多分)。
彼が指し示した絵を見ると、人差し指が2本描かれています。
彼自身も、顔の前に人差し指2本を出しました。

ーなるほど、なるほど。指で画面を引き伸ばせってことねー
私は指2本で画面を引き伸ばし、文字が大きくなったスマホを再びかざしました。
何故でしょう。
無愛想だった審査官が笑いを堪えています。
彼はもう一度私の前で人差し指を2本出して見せました。

……………あっっっ!!!
私は自分の両手の人差し指を機械にタッチさせました。
「OK!OK!」
審査官がとうとう笑い出します。
なんてことはない、指紋認証の機械だったんですね!

ようやく入国出来た私は、無事夫と合流することも出来ました。
これにて『はじめてのおつかい』完了です。
「やっぱり英語できないと困るね」
と言う私に、
「でも結局勉強しないんでしょ?」
と呆れ顔の夫。

アメリカに住んでいた経験をミジンコ程も生かせず、ただ楽しそうな方を選んでやって来てしまった私がこれからどんな『やらかし』をするのか、それは私自身にもわかりません(笑)。




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