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守る!
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S田は、トイレットペーパーが自分の番で切れてもロールを取り替えないし、穴の開いた靴下をよく洗濯機に入れてしまう。そんなS田に対してMくんはブツブツ言いながらも家の雑務をこなしてくれるのだ。
そんなMくんを、S田は、うん今日も平和だ、と観察している。
そして今日、リビングの照明の電気が切れた。
「ねえ、S田、電球のストックってあったっけ?」
「へ?」
「屁じゃねえよ、デ、ン、キュー、付かないんだよ」
「あー……ない、わ」
「なんだよー、買っておけよー、好きだろ、電気屋。よく行ってんじゃん」
「でも、寄るのパソコンとかのコーナーだけだし……」
「うっせ、そういう問題じゃねんだよ、くそー、オレ行ってくっから飯作っておけ」
「俺、チキンライスしか作れない……」
――バタン。
「ただいま、チキンライスか」
「おかえり、頑張った」
「じゃ早速、交換すっかな」
「俺やろうか? 俺の方が背高いし」
「いや、いー。オレの方が器用だし」
――カタカタ、ガバッ。ガコッ。
「ウォッ」
「アッ」
ガシッ。
ぎゅー。
「……なに?」
「だって今よろめいたでショ。そのスツール不安定だし」
「サンキュ」
「いえいえ」
「でもさ、そんなにぎゅってしなくても」
「Mくんの太腿、抱き心地抜群です」
そんなMくんを、S田は、うん今日も平和だ、と観察している。
そして今日、リビングの照明の電気が切れた。
「ねえ、S田、電球のストックってあったっけ?」
「へ?」
「屁じゃねえよ、デ、ン、キュー、付かないんだよ」
「あー……ない、わ」
「なんだよー、買っておけよー、好きだろ、電気屋。よく行ってんじゃん」
「でも、寄るのパソコンとかのコーナーだけだし……」
「うっせ、そういう問題じゃねんだよ、くそー、オレ行ってくっから飯作っておけ」
「俺、チキンライスしか作れない……」
――バタン。
「ただいま、チキンライスか」
「おかえり、頑張った」
「じゃ早速、交換すっかな」
「俺やろうか? 俺の方が背高いし」
「いや、いー。オレの方が器用だし」
――カタカタ、ガバッ。ガコッ。
「ウォッ」
「アッ」
ガシッ。
ぎゅー。
「……なに?」
「だって今よろめいたでショ。そのスツール不安定だし」
「サンキュ」
「いえいえ」
「でもさ、そんなにぎゅってしなくても」
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