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ロルフの休日
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閉めたカーテンを通って、柔らかな光が入って来る。
廊下を歩く足音。挨拶を交わす声。
屋敷は朝の爽やかな騒がしさに包まれていく。
それらをベッドの中で聞きながら、ロルフはゴロリと寝返りをうった。
昨日はなかなかハードな1日だった。
バート村のフランにロスメル村に持って行くキャラメルを託し、村の子供達に読み書きを教え、フーゴの宿に泊まるマダム軍団に愛想を振り撒き、村の男達と腕相撲の相手をし、ヴェロニカの晩酌に付き合いながらロザリアの恋の相談にのり、移動扉で屋敷に戻った頃はすっかり日付も変わっていた。
自室のベッドに横たわってからの記憶がないから、即、睡魔に負けたのだろう。
今日は1日休日だから、もっと寝ていても誰も何も言わない。マイカに至っては、しっかり休めと怒るほど。
そういえばイシカワ邸に来たばかりの頃、ガッツリ怒られた。
あの時は、奴隷という立場で休日なんて信じられずに、いつもと同じように鍛練して、いつもと同じように街中を護衛しようとしたんだ。
ふと、後ろに気配を感じて身体を捩ると、マイカが体当たりに失敗して転びそうになっている。
「うわわ、タックル失敗~~」
「は? マイカさん?」
そのままだと地面に倒れ込むなと思って、反射的に手を掴み、ダンスを踊るようにクルリと反転させた。
「お~~! やるじゃん!」
パチパチと手を叩いたのは、赤みの強い髪色が特徴のヴェロニカだ。
「さりげなく腰まで抱いちゃって。よっ! さすがマダムキラー!」
「おお~~! これは女子的にトキメクね。よっ! 熟女キラー!」
言葉とは裏腹に、少しも動揺を見せずにマイカも茶化す。
マダム相手であれば、これで確実に自分のペースに持ち込むことが出来たはず。
けれど、年若い二人には通用しなかったようだ。
苦々しく笑いながら、マイカを解放する。そこまでで止めておけば良かったのだ。つい、小さい子供にするように、マイカの頭を手のひらでポンポンとしてしまった。
とたんに口を尖らせながら、頬が膨らむ。
「あ、失礼しました」
主人の年齢は知っていても、十歳以上も歳の差があると、どうにも少女に見えてしまう。それはきっと見た目の幼さだけではないだろう。膨らんだ頬を突っつきたい気持ちを押さえ込んで、慌てて手を引っ込めた。
もう遅いけれど。
黒い瞳にキッと睨まれて、分かりやすく両手を上げて降参した。
「すみません」
子供扱いしたことに怒っているわけではないだろう。
本人も幼く見える見た目を楽しんでいるところもある。
以前、町の12~3歳の少年から花束とラブレターを貰った時には、「お姉さんは魔女だから年をとらないけれど、本当はお婆さんなんだよ」と言って笑っていた。
そんな主人が頬をパンパンにして怒る理由はーーーー。
「休日って初めてなんですよね。どう過ごしていいか分からなくて……」
休日はきちんと休め、というのがこの屋敷のルールだ。
けれどロルフは、奴隷になってからも、それ以前でも、きちんとした休日を与えられたことはなかったから、本当に何をしていいか分からなかったのだ。
「そうかぁ」
眉を歪めたマイカは小さく唸ったあと、瞬時に表情を変える。黒い瞳をキラキラさせた顔には「良いことを思いついた」と書いてあるようだ。
「この街の観光スポットを全部回ってみなよ! 飲泉もたくさんあるし、美味しい屋台もあるし……あ、役所に『路地裏グルメマップ』ってのがあるんだって! それ回って、いいお店を発見したら教えて欲しいな!」
マイカの提案で、それからのロルフの休日は、マルファンの観光地とグルメ巡りに消化されることになった。
もぞもぞとベッドから起き上がると、ロルフはパチンと自分の両頬を叩いた。
起きると決めたら、眠気にグズグズ居座られることが好きではない。
パパッと身支度を整えて、外出の準備を整える。
鏡にうつる自分は今日もいつもと同じ顔で、鼻で笑ってやった。
「この顔のどこが良いのやら」
屋敷では時々、マダムキラーと呼ばれる。
ある程度の年齢を重ねた女性に好かれることは、自覚していた。
(好かれるようにしなければ生きて行けなかっただろうから、処世術なんだけどね)
たいていは権力のある男よりも、その妻である女の方が、本当の意味で力を持っている。
私生児である自分の立場は微妙で、守ってくれる大人が必要だった。でなければ、すぐにでも売られていただろう。
生きる為に誰に媚びを売れば得策か、子供ながらに考え抜いた結果が、権力者の妻達だ。可愛がられるように笑顔を振り撒いて、取りたくもない手を取って、誉めるところが難しい容姿を誉めて。
自分一人で生きることが出来る頃には、女性への対応がすっかり染み付いてしまった。息を吸うように、身体が勝手に熟女が喜びそうな行動をしてしまう。
傭兵になってからもそれは変わらなかった。
それが原因で勘違いしたマダムの怒りを買って、結果今や奴隷だけれど。
ロルフは机の引き出しから、小さな小瓶を取り出した。
香油の小瓶だ。
清涼感のある香りの中に、僅かにスパイシーな辛みがある。
好きな香りだと、クスリと軽く笑った。
これはマイカが「ロルフのイメージにぴったりの香りを見つけた!」と言ってプレゼントしてくれた物だ。
女性からの贈り物は数えきれないほど貰った。高価な宝石から道端の花まで様々で、香油ももちろん貰ったことがある。
「香油は苦手だったはずなのに」
女性が身に付ける、熟れた果実のような香りや、強い官能的な花の香りは大嫌いだ。
「ふふっ。人生、何があるか分からないな」
小瓶からほんの少しだけ香油を取って薄く香りを纏う。
手にするのは、だいぶ使い込んだ『裏路地グルメマップ』だ。
「さて、今日はどの辺りにしようかな」
今やすっかり趣味となった、裏路地巡り。
最近では『裏路地穴場マップ』を作ろうと役所のクライブと計画している。
「完成したら、マイカさんをデートに誘って婿に立候補しようか。おじさんでも大丈夫だろうか」
一般的には、これくらい歳の離れた夫婦も珍しくない。特に貴族の貴族の未亡人や、富豪の未亡人は若い男を側に置きたがるし、逆なら若い女性を後妻にする者も多い。
若い女性が歳の離れた男を自ら選ぶ、と言う話はなかなか聞かないけれど。
後は好みの問題だ。
「うーん、夫婦というよりは、やっぱり父と娘の方がしっくり来るな」
彼女のような娘がいたら、一緒に腕を組んで父娘デートもいい。
いや、まずはデート云々の前に、若い女性に好かれる行動を研究しなくては。
また一つ休日の過ごし方を見つけて、ロルフは路地裏に出かけた。
廊下を歩く足音。挨拶を交わす声。
屋敷は朝の爽やかな騒がしさに包まれていく。
それらをベッドの中で聞きながら、ロルフはゴロリと寝返りをうった。
昨日はなかなかハードな1日だった。
バート村のフランにロスメル村に持って行くキャラメルを託し、村の子供達に読み書きを教え、フーゴの宿に泊まるマダム軍団に愛想を振り撒き、村の男達と腕相撲の相手をし、ヴェロニカの晩酌に付き合いながらロザリアの恋の相談にのり、移動扉で屋敷に戻った頃はすっかり日付も変わっていた。
自室のベッドに横たわってからの記憶がないから、即、睡魔に負けたのだろう。
今日は1日休日だから、もっと寝ていても誰も何も言わない。マイカに至っては、しっかり休めと怒るほど。
そういえばイシカワ邸に来たばかりの頃、ガッツリ怒られた。
あの時は、奴隷という立場で休日なんて信じられずに、いつもと同じように鍛練して、いつもと同じように街中を護衛しようとしたんだ。
ふと、後ろに気配を感じて身体を捩ると、マイカが体当たりに失敗して転びそうになっている。
「うわわ、タックル失敗~~」
「は? マイカさん?」
そのままだと地面に倒れ込むなと思って、反射的に手を掴み、ダンスを踊るようにクルリと反転させた。
「お~~! やるじゃん!」
パチパチと手を叩いたのは、赤みの強い髪色が特徴のヴェロニカだ。
「さりげなく腰まで抱いちゃって。よっ! さすがマダムキラー!」
「おお~~! これは女子的にトキメクね。よっ! 熟女キラー!」
言葉とは裏腹に、少しも動揺を見せずにマイカも茶化す。
マダム相手であれば、これで確実に自分のペースに持ち込むことが出来たはず。
けれど、年若い二人には通用しなかったようだ。
苦々しく笑いながら、マイカを解放する。そこまでで止めておけば良かったのだ。つい、小さい子供にするように、マイカの頭を手のひらでポンポンとしてしまった。
とたんに口を尖らせながら、頬が膨らむ。
「あ、失礼しました」
主人の年齢は知っていても、十歳以上も歳の差があると、どうにも少女に見えてしまう。それはきっと見た目の幼さだけではないだろう。膨らんだ頬を突っつきたい気持ちを押さえ込んで、慌てて手を引っ込めた。
もう遅いけれど。
黒い瞳にキッと睨まれて、分かりやすく両手を上げて降参した。
「すみません」
子供扱いしたことに怒っているわけではないだろう。
本人も幼く見える見た目を楽しんでいるところもある。
以前、町の12~3歳の少年から花束とラブレターを貰った時には、「お姉さんは魔女だから年をとらないけれど、本当はお婆さんなんだよ」と言って笑っていた。
そんな主人が頬をパンパンにして怒る理由はーーーー。
「休日って初めてなんですよね。どう過ごしていいか分からなくて……」
休日はきちんと休め、というのがこの屋敷のルールだ。
けれどロルフは、奴隷になってからも、それ以前でも、きちんとした休日を与えられたことはなかったから、本当に何をしていいか分からなかったのだ。
「そうかぁ」
眉を歪めたマイカは小さく唸ったあと、瞬時に表情を変える。黒い瞳をキラキラさせた顔には「良いことを思いついた」と書いてあるようだ。
「この街の観光スポットを全部回ってみなよ! 飲泉もたくさんあるし、美味しい屋台もあるし……あ、役所に『路地裏グルメマップ』ってのがあるんだって! それ回って、いいお店を発見したら教えて欲しいな!」
マイカの提案で、それからのロルフの休日は、マルファンの観光地とグルメ巡りに消化されることになった。
もぞもぞとベッドから起き上がると、ロルフはパチンと自分の両頬を叩いた。
起きると決めたら、眠気にグズグズ居座られることが好きではない。
パパッと身支度を整えて、外出の準備を整える。
鏡にうつる自分は今日もいつもと同じ顔で、鼻で笑ってやった。
「この顔のどこが良いのやら」
屋敷では時々、マダムキラーと呼ばれる。
ある程度の年齢を重ねた女性に好かれることは、自覚していた。
(好かれるようにしなければ生きて行けなかっただろうから、処世術なんだけどね)
たいていは権力のある男よりも、その妻である女の方が、本当の意味で力を持っている。
私生児である自分の立場は微妙で、守ってくれる大人が必要だった。でなければ、すぐにでも売られていただろう。
生きる為に誰に媚びを売れば得策か、子供ながらに考え抜いた結果が、権力者の妻達だ。可愛がられるように笑顔を振り撒いて、取りたくもない手を取って、誉めるところが難しい容姿を誉めて。
自分一人で生きることが出来る頃には、女性への対応がすっかり染み付いてしまった。息を吸うように、身体が勝手に熟女が喜びそうな行動をしてしまう。
傭兵になってからもそれは変わらなかった。
それが原因で勘違いしたマダムの怒りを買って、結果今や奴隷だけれど。
ロルフは机の引き出しから、小さな小瓶を取り出した。
香油の小瓶だ。
清涼感のある香りの中に、僅かにスパイシーな辛みがある。
好きな香りだと、クスリと軽く笑った。
これはマイカが「ロルフのイメージにぴったりの香りを見つけた!」と言ってプレゼントしてくれた物だ。
女性からの贈り物は数えきれないほど貰った。高価な宝石から道端の花まで様々で、香油ももちろん貰ったことがある。
「香油は苦手だったはずなのに」
女性が身に付ける、熟れた果実のような香りや、強い官能的な花の香りは大嫌いだ。
「ふふっ。人生、何があるか分からないな」
小瓶からほんの少しだけ香油を取って薄く香りを纏う。
手にするのは、だいぶ使い込んだ『裏路地グルメマップ』だ。
「さて、今日はどの辺りにしようかな」
今やすっかり趣味となった、裏路地巡り。
最近では『裏路地穴場マップ』を作ろうと役所のクライブと計画している。
「完成したら、マイカさんをデートに誘って婿に立候補しようか。おじさんでも大丈夫だろうか」
一般的には、これくらい歳の離れた夫婦も珍しくない。特に貴族の貴族の未亡人や、富豪の未亡人は若い男を側に置きたがるし、逆なら若い女性を後妻にする者も多い。
若い女性が歳の離れた男を自ら選ぶ、と言う話はなかなか聞かないけれど。
後は好みの問題だ。
「うーん、夫婦というよりは、やっぱり父と娘の方がしっくり来るな」
彼女のような娘がいたら、一緒に腕を組んで父娘デートもいい。
いや、まずはデート云々の前に、若い女性に好かれる行動を研究しなくては。
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