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第2章 コロラドリア王国編
第三十九話
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まずは領主のジョージニアにダリアを面通しした。すると、
「お前、氷のダリアか?」
「おや?あたしも有名になったもんだね」
「知らないわけがない。アイシクルランドの伝説の探索者じゃねえか」
「それは昔の話さ。今じゃ細々とやってるだけだよ」
来ました、二つ名持ちが。
まさかダリアがそんなに有名だったとは。
「領主様、明日には俺たちランドドラゴンの討伐に行くつもりです。今日、ダリアさんを泊めて貰っても良いですか?」
「もちろん良い」
「ありがとう」
「……良いのかい?」
「当たり前だ、ゆっくりしていけ。って明日出るのかよ」
「助かるよ。領主様」
「ジョージニア、またはジョージで良い」
「ははっ、ありがとう、ジョージ」
おや?なんだか領主の態度がおかしいのだが。俺たちにそんなことは言わなかったぞ。
「それでライト、あたしに見せたいものってなんだい?」
俺とアリサはニヤリと笑う。それで気づいた領主は苦笑いだ。
「……、ライト、伝説の探索者をいじめるんじゃねえ」
「いじめなんてとんでもない。紹介するだけですよ」
「いじめ?」
「虎子」
俺が名前を呼ぶと、ここ、食堂のドアが開く。ダリアは気配を察したのか、素早い動きで背中の剣を抜いて、腰を落として構えた。
そして虎子の姿を見ると、目を大きく見開いてワナワナと震え出した。
「これが俺の相棒、虎子だ」
アリサもダリアの変わりぶりに、楽しそうな笑顔だ。だがその後のダリアの反応は予想外だった。それになんだか虎子が微妙な顔をしている。
『アキハル、こやつは巨人族ではないか』
「あー、そんなことを言ってたな」
ダリアは驚きに震え、いきなり床に頭を擦り付けて、ジャンピング土下座した。土下座したもんだから、鎧兼腰巻きのようなミニスカの尻から、黒いパンツが露わになった。
「ははぁー!神獣様ぁ!」
「は?」
「ちょっとダリア、神獣様って何よ」
ダリアは涙目でアリサを怒鳴る。
「頭が高い!!神獣、千年虎様の御前なるぞ!!」
全員ポカーンだ。俺はたまらず虎子に聞く。
「お前、神獣だったの?」
『人間の生息域では、もう獣人族を知る者も少ない。妾の故郷は北の方でな。近くには巨人族の集落がいくつもあった。気まぐれで助けてやると神獣と崇められたらしいぞ』
「あー、虎子じゃなくてご先祖か何か?」
『そうだ。しかし妾は故郷には100年ほどしかいない。ほとんどメイリーと一緒だった』
「なるほどね」
「お前!巫女だったのか!!」
ダリアが俺に巫女とか言ってきた。それにキャラが変わっている。飄々とした、おおらかで陽気なダリアはどこに行ったのか。
「巫女はないわ」
「ああ、巫女はねえな」
『過去にも居たのだな、獣人族と会話出来るものが。初代か?』
「知らねえよ」
「お前ら全員巫女なのか!!」
ダメだこりゃ。収拾つかねえよ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「あはははっ!流石にあたしも参ったよ!まさか神獣様のご友人とはね、あははははは!!」
「お前キャラがコロコロ変わるな……」
領主が酒盛りの用意をさせ、宴会になってしまった。さりげなく領主はダリアを隣に座らせている。
「あっ、そうだ。ライト」
「ん?なんだダリア」
「結婚しよう」
ブゥゥゥゥゥ!!!!
全員が酒を吹き出した。
「あんた脈略なさすぎなのよ!!」
「な、な、何故ライトなんだ!!」
領主の返答がなんかおかしい。ダリアはあっけらかんと答える。
「だって神獣様のご友人だぞ?そしたらあたしは神獣様をご友人に持つ男の妻、もうあたしも神獣様のご友人みたいなもんじゃないか!」
「そこまであからさまだと逆にすがすがしいな……」
やめろ領主。何故俺を睨む。俺は被害者だ。しかも虎子のバーターだ。
すると虎子がぬくっと立ち上がり、ダリアを倒して踏み潰した。
『妾の許可なしにアキハルと番などさせぬ』
「お前はオカンかよ……」
虎子も酒を飲んでいる。ダリアは嬉しそうに虎子に踏まれながら、俺に聞いてくる。
「ライト!なんだって?!神獣様はなんだって?!」
「通訳なんて要らないわ。どうせ死ねか殺すぞ、よ。100歩譲ってダメだでしょ」
アリサ、なんでわかるんだよ。やっぱお前異常だよ。
「あー、遊んでやるってよ」
『アキハル!ちゃんと伝えろ!』
「いやだよ、めんどくせえ」
誰が自分の口からそんなことが言えると言うのか。恥ずかしいわ。
「遊ぶ?!もしかしてあたしもご友人かい?!」
「そうじゃねえの?」
「なわけないじゃない。むしろ敵よ」
状況がカオスすぎる。付き合ってられん。
それといい加減にしろ領主、こっちみんな。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「なんだって?!神獣様と一緒にお風呂に入るのかい?!よし、あたしも一緒に入るよ」
「ふざけ────」
「ダメに決まってますぅー!!ライト様のお世話は私の仕事ですぅー!」
「シンディさん、黙っててもらえます?。あっ、小刀出すのやめてもらえます?」
黙らせたいなら殺せだろ?もう本当に嫌。
とりあえずミスティさんを呼んで、シンディさんは回収してもらった。
あとはダリアさんだが。
「虎子、こいつなんとか出来るか?」
すると虎子は、ダリアの目の前で尻尾をみょんみょんさせる。ダリアがそれを見ると、尻尾をあっち向いてホイした。ダリアは釣られてそっちを見る。
ドスッ!
「うっ!」
瞬間、虎子は尻尾でダリアの腹を突いた。だがダリアは頑丈だった。
『硬いな』
ドスッ!
前足が出た。それを食らうと、ダリアは意識を失って床に倒れ込んだ。
「大丈夫かよ」
『巨人族だし、大丈夫だろ。それよりブラシは持ったのか?』
「ああ」
なんだか今日の虎子は酔ってるからか、陽気で過激で素直だった。こんな虎子もあるんだな。
『よし、行くぞ。ちゃんと泡もしろ』
「わかったっての」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
最近では当たり前になってきた、虎子のブラッシング。それなりに慣れて来たようで、身悶えたりしなくなったからつまらない。
俺はブラッシングしながら、明日からのことを話す。
「虎子、ランドドラゴンってんだけど、虎子が居るとどうしても頼っちゃうからさ。3人だけで行ってみようと思うんだけど」
すると虎子は、
『ふむ。ランドドラゴンか。今のアキハルとアリサならちょうど良いかもしれんな』
「勝てるかな」
『楽勝とは行かぬだろう。少し苦労するのも大事だ、また勝てぬなら引くことも覚える必要がある。行ってこい』
おっと。やっぱり虎子は優しいがゲロ甘ではない。3人での依頼に許可が出た。
『2人だと道中が不安だが、巨人族が居るなら大丈夫だろう。奴は旅なれている』
「そうなの?」
『奴の故郷とどれほどの距離があると思っている。ここにたどり着いただけでも旅慣れている証拠だ』
「なるほど」
ある程度背中側を終わらすと、尻尾を俺の目の前に持ってきた。俺は尻尾をブラッシングする。
『一つ言っておくことがある』
「ん?」
『アキハルは狙われている。人と戦う時は躊躇をするな。必ずトドメをさせ』
「嘘、誰に?」
虎子がダリアと同じことを言ってきた。ならもう確定だろう。はぁ……、あの気の良いオッさんがそんなことを……。本当、何処に何が落ちてるかわからねえな。人間不信になるわ。
『わからぬ。始めはここの館の者かと思っていた。だが違うようだ。それに魔法ではない力を使っていたぞ。もしかしたら勇者かもしれん』
「……そいつは?」
『殺した』
殺したか。でも勇者はみんなセントフォーリアのはずだ。そんな簡単に出てくるだろうか。
「黒髪だったか?」
『そう言えば違ったな。ふむ、良かったと言うべきか?』
「いや、どっちでも問題ない。ありがとう」
『構わん。だが注意しろ。戦闘中でも後方に目を向けろ。それとアリサ以外は完全に信用するな。あの巨人族でさえだ』
「わかった」
まあ、ダリアの話と擦り合わせればあのオッさんで確定だと思うが、先入観を持ちすぎるのもよろしくない。何が真実だとしても、禁呪もあるしその場で対応出来るだろう。
しかしもう虎子とは完全に師弟だな。でも全部大事なことだ。
「よし、じゃあ腹もやったろ」
『何?』
「ほら、仰向けだ」
虎子は仰向けになろうとしないので、右の前足と後ろ足を持って強制的にひっくり返した。石鹸で泡泡になっているから摩擦が減り、俺の力でも比較的楽にひっくり返せた。俺もなかなか鍛えられたしな。
『し、正気か?』
「ふはは、覚悟しろ」
ビクッッッッ!!!
腹側の白い毛皮を、顎の下から尻尾方面にブラシを通すと、虎子はくの字に折れ曲った。
もう一度やろうとすると、虎子に両前足で、顔をむぎゅっと掴まれた。虎子はじっと見つめてくる。
『やめろ』
「遠慮すんな」
ビクッッッッ!!!
顔を掴まれているから目で確認は出来ない。だがこれだけ巨体の虎子なら見えなくても問題はない。
また身悶える虎子が帰ってきた。やはりこれは面白い。
「お前、氷のダリアか?」
「おや?あたしも有名になったもんだね」
「知らないわけがない。アイシクルランドの伝説の探索者じゃねえか」
「それは昔の話さ。今じゃ細々とやってるだけだよ」
来ました、二つ名持ちが。
まさかダリアがそんなに有名だったとは。
「領主様、明日には俺たちランドドラゴンの討伐に行くつもりです。今日、ダリアさんを泊めて貰っても良いですか?」
「もちろん良い」
「ありがとう」
「……良いのかい?」
「当たり前だ、ゆっくりしていけ。って明日出るのかよ」
「助かるよ。領主様」
「ジョージニア、またはジョージで良い」
「ははっ、ありがとう、ジョージ」
おや?なんだか領主の態度がおかしいのだが。俺たちにそんなことは言わなかったぞ。
「それでライト、あたしに見せたいものってなんだい?」
俺とアリサはニヤリと笑う。それで気づいた領主は苦笑いだ。
「……、ライト、伝説の探索者をいじめるんじゃねえ」
「いじめなんてとんでもない。紹介するだけですよ」
「いじめ?」
「虎子」
俺が名前を呼ぶと、ここ、食堂のドアが開く。ダリアは気配を察したのか、素早い動きで背中の剣を抜いて、腰を落として構えた。
そして虎子の姿を見ると、目を大きく見開いてワナワナと震え出した。
「これが俺の相棒、虎子だ」
アリサもダリアの変わりぶりに、楽しそうな笑顔だ。だがその後のダリアの反応は予想外だった。それになんだか虎子が微妙な顔をしている。
『アキハル、こやつは巨人族ではないか』
「あー、そんなことを言ってたな」
ダリアは驚きに震え、いきなり床に頭を擦り付けて、ジャンピング土下座した。土下座したもんだから、鎧兼腰巻きのようなミニスカの尻から、黒いパンツが露わになった。
「ははぁー!神獣様ぁ!」
「は?」
「ちょっとダリア、神獣様って何よ」
ダリアは涙目でアリサを怒鳴る。
「頭が高い!!神獣、千年虎様の御前なるぞ!!」
全員ポカーンだ。俺はたまらず虎子に聞く。
「お前、神獣だったの?」
『人間の生息域では、もう獣人族を知る者も少ない。妾の故郷は北の方でな。近くには巨人族の集落がいくつもあった。気まぐれで助けてやると神獣と崇められたらしいぞ』
「あー、虎子じゃなくてご先祖か何か?」
『そうだ。しかし妾は故郷には100年ほどしかいない。ほとんどメイリーと一緒だった』
「なるほどね」
「お前!巫女だったのか!!」
ダリアが俺に巫女とか言ってきた。それにキャラが変わっている。飄々とした、おおらかで陽気なダリアはどこに行ったのか。
「巫女はないわ」
「ああ、巫女はねえな」
『過去にも居たのだな、獣人族と会話出来るものが。初代か?』
「知らねえよ」
「お前ら全員巫女なのか!!」
ダメだこりゃ。収拾つかねえよ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「あはははっ!流石にあたしも参ったよ!まさか神獣様のご友人とはね、あははははは!!」
「お前キャラがコロコロ変わるな……」
領主が酒盛りの用意をさせ、宴会になってしまった。さりげなく領主はダリアを隣に座らせている。
「あっ、そうだ。ライト」
「ん?なんだダリア」
「結婚しよう」
ブゥゥゥゥゥ!!!!
全員が酒を吹き出した。
「あんた脈略なさすぎなのよ!!」
「な、な、何故ライトなんだ!!」
領主の返答がなんかおかしい。ダリアはあっけらかんと答える。
「だって神獣様のご友人だぞ?そしたらあたしは神獣様をご友人に持つ男の妻、もうあたしも神獣様のご友人みたいなもんじゃないか!」
「そこまであからさまだと逆にすがすがしいな……」
やめろ領主。何故俺を睨む。俺は被害者だ。しかも虎子のバーターだ。
すると虎子がぬくっと立ち上がり、ダリアを倒して踏み潰した。
『妾の許可なしにアキハルと番などさせぬ』
「お前はオカンかよ……」
虎子も酒を飲んでいる。ダリアは嬉しそうに虎子に踏まれながら、俺に聞いてくる。
「ライト!なんだって?!神獣様はなんだって?!」
「通訳なんて要らないわ。どうせ死ねか殺すぞ、よ。100歩譲ってダメだでしょ」
アリサ、なんでわかるんだよ。やっぱお前異常だよ。
「あー、遊んでやるってよ」
『アキハル!ちゃんと伝えろ!』
「いやだよ、めんどくせえ」
誰が自分の口からそんなことが言えると言うのか。恥ずかしいわ。
「遊ぶ?!もしかしてあたしもご友人かい?!」
「そうじゃねえの?」
「なわけないじゃない。むしろ敵よ」
状況がカオスすぎる。付き合ってられん。
それといい加減にしろ領主、こっちみんな。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「なんだって?!神獣様と一緒にお風呂に入るのかい?!よし、あたしも一緒に入るよ」
「ふざけ────」
「ダメに決まってますぅー!!ライト様のお世話は私の仕事ですぅー!」
「シンディさん、黙っててもらえます?。あっ、小刀出すのやめてもらえます?」
黙らせたいなら殺せだろ?もう本当に嫌。
とりあえずミスティさんを呼んで、シンディさんは回収してもらった。
あとはダリアさんだが。
「虎子、こいつなんとか出来るか?」
すると虎子は、ダリアの目の前で尻尾をみょんみょんさせる。ダリアがそれを見ると、尻尾をあっち向いてホイした。ダリアは釣られてそっちを見る。
ドスッ!
「うっ!」
瞬間、虎子は尻尾でダリアの腹を突いた。だがダリアは頑丈だった。
『硬いな』
ドスッ!
前足が出た。それを食らうと、ダリアは意識を失って床に倒れ込んだ。
「大丈夫かよ」
『巨人族だし、大丈夫だろ。それよりブラシは持ったのか?』
「ああ」
なんだか今日の虎子は酔ってるからか、陽気で過激で素直だった。こんな虎子もあるんだな。
『よし、行くぞ。ちゃんと泡もしろ』
「わかったっての」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
最近では当たり前になってきた、虎子のブラッシング。それなりに慣れて来たようで、身悶えたりしなくなったからつまらない。
俺はブラッシングしながら、明日からのことを話す。
「虎子、ランドドラゴンってんだけど、虎子が居るとどうしても頼っちゃうからさ。3人だけで行ってみようと思うんだけど」
すると虎子は、
『ふむ。ランドドラゴンか。今のアキハルとアリサならちょうど良いかもしれんな』
「勝てるかな」
『楽勝とは行かぬだろう。少し苦労するのも大事だ、また勝てぬなら引くことも覚える必要がある。行ってこい』
おっと。やっぱり虎子は優しいがゲロ甘ではない。3人での依頼に許可が出た。
『2人だと道中が不安だが、巨人族が居るなら大丈夫だろう。奴は旅なれている』
「そうなの?」
『奴の故郷とどれほどの距離があると思っている。ここにたどり着いただけでも旅慣れている証拠だ』
「なるほど」
ある程度背中側を終わらすと、尻尾を俺の目の前に持ってきた。俺は尻尾をブラッシングする。
『一つ言っておくことがある』
「ん?」
『アキハルは狙われている。人と戦う時は躊躇をするな。必ずトドメをさせ』
「嘘、誰に?」
虎子がダリアと同じことを言ってきた。ならもう確定だろう。はぁ……、あの気の良いオッさんがそんなことを……。本当、何処に何が落ちてるかわからねえな。人間不信になるわ。
『わからぬ。始めはここの館の者かと思っていた。だが違うようだ。それに魔法ではない力を使っていたぞ。もしかしたら勇者かもしれん』
「……そいつは?」
『殺した』
殺したか。でも勇者はみんなセントフォーリアのはずだ。そんな簡単に出てくるだろうか。
「黒髪だったか?」
『そう言えば違ったな。ふむ、良かったと言うべきか?』
「いや、どっちでも問題ない。ありがとう」
『構わん。だが注意しろ。戦闘中でも後方に目を向けろ。それとアリサ以外は完全に信用するな。あの巨人族でさえだ』
「わかった」
まあ、ダリアの話と擦り合わせればあのオッさんで確定だと思うが、先入観を持ちすぎるのもよろしくない。何が真実だとしても、禁呪もあるしその場で対応出来るだろう。
しかしもう虎子とは完全に師弟だな。でも全部大事なことだ。
「よし、じゃあ腹もやったろ」
『何?』
「ほら、仰向けだ」
虎子は仰向けになろうとしないので、右の前足と後ろ足を持って強制的にひっくり返した。石鹸で泡泡になっているから摩擦が減り、俺の力でも比較的楽にひっくり返せた。俺もなかなか鍛えられたしな。
『し、正気か?』
「ふはは、覚悟しろ」
ビクッッッッ!!!
腹側の白い毛皮を、顎の下から尻尾方面にブラシを通すと、虎子はくの字に折れ曲った。
もう一度やろうとすると、虎子に両前足で、顔をむぎゅっと掴まれた。虎子はじっと見つめてくる。
『やめろ』
「遠慮すんな」
ビクッッッッ!!!
顔を掴まれているから目で確認は出来ない。だがこれだけ巨体の虎子なら見えなくても問題はない。
また身悶える虎子が帰ってきた。やはりこれは面白い。
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