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8 それから(その5)

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 ギィアは――
「オマエみたいな役立たずはどこへでも行ってしまえとか言われたのです」
 ――というわけで静刻の部屋にいる。
「まったく酷い話なのです」
 膨れるギィアが続ける。
「そもそもネイビーブルー・カタストロフィの回避失敗は静刻の責任なのです。静刻自身がそう言ってたのです」
 ここまで一気にまくしたてると、一転して目線を落としセーラー服のリボンにいじいじと指を絡める。
「だから、あの、その、あたしのことについても責任をとるのが当然なのです」
 もちろん静刻に拒否する理由はない。
「ごもっともな話だな、うん」
 そんなやりとりがあったのは一週間ほど前のことだった。
 それ以来、ずっとギィアは静刻の部屋にいるが、いまだにファージは現れていない。
 もっとも、現れたところでこの時代の“正規住人”である静刻には見えないのだが。
 ただ、ギィアを見ている限りでは特にファージが現れた様子もないので、一緒に住んでるくらいでは歴史にはさほど影響はないのだろう。
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