42 / 44
8 それから(その5)
しおりを挟む
ギィアは――
「オマエみたいな役立たずはどこへでも行ってしまえとか言われたのです」
――というわけで静刻の部屋にいる。
「まったく酷い話なのです」
膨れるギィアが続ける。
「そもそもネイビーブルー・カタストロフィの回避失敗は静刻の責任なのです。静刻自身がそう言ってたのです」
ここまで一気にまくしたてると、一転して目線を落としセーラー服のリボンにいじいじと指を絡める。
「だから、あの、その、あたしのことについても責任をとるのが当然なのです」
もちろん静刻に拒否する理由はない。
「ごもっともな話だな、うん」
そんなやりとりがあったのは一週間ほど前のことだった。
それ以来、ずっとギィアは静刻の部屋にいるが、いまだにファージは現れていない。
もっとも、現れたところでこの時代の“正規住人”である静刻には見えないのだが。
ただ、ギィアを見ている限りでは特にファージが現れた様子もないので、一緒に住んでるくらいでは歴史にはさほど影響はないのだろう。
「オマエみたいな役立たずはどこへでも行ってしまえとか言われたのです」
――というわけで静刻の部屋にいる。
「まったく酷い話なのです」
膨れるギィアが続ける。
「そもそもネイビーブルー・カタストロフィの回避失敗は静刻の責任なのです。静刻自身がそう言ってたのです」
ここまで一気にまくしたてると、一転して目線を落としセーラー服のリボンにいじいじと指を絡める。
「だから、あの、その、あたしのことについても責任をとるのが当然なのです」
もちろん静刻に拒否する理由はない。
「ごもっともな話だな、うん」
そんなやりとりがあったのは一週間ほど前のことだった。
それ以来、ずっとギィアは静刻の部屋にいるが、いまだにファージは現れていない。
もっとも、現れたところでこの時代の“正規住人”である静刻には見えないのだが。
ただ、ギィアを見ている限りでは特にファージが現れた様子もないので、一緒に住んでるくらいでは歴史にはさほど影響はないのだろう。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
GAME CHANGER 日本帝国1945からの逆襲
俊也
歴史・時代
時は1945年3月、敗色濃厚の日本軍。
今まさに沖縄に侵攻せんとする圧倒的戦力のアメリカ陸海軍を前に、日本の指導者達は若者達による航空機の自爆攻撃…特攻 で事態を打開しようとしていた。
「バカかお前ら、本当に戦争に勝つ気があるのか!?」
その男はただの学徒兵にも関わらず、平然とそう言い放ち特攻出撃を拒否した。
当初は困惑し怒り狂う日本海軍上層部であったが…!?
姉妹作「新訳 零戦戦記」共々宜しくお願い致します。
共に
第8回歴史時代小説参加しました!
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件
フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。
寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。
プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い?
そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない!
スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる