上 下
20 / 34
第二部

第20話 海の舞姫

しおりを挟む

『大丈夫ですか?』

 いつの間にか、眠り込んでしまったらしいジョセフは、慈愛に満ちたやさしい声と、そっと揺り動かすやさしい手に、目を開けた。
 少しぼうっとする頭を振って見上げると、マレの少女が見下ろしていた。
 ようやく、かけられた言葉が、マレ語だったと気づく。

 よく見ると、と一緒に売りさばこうとしていた楽団の女のうちの一人だったと気づく。
 しかし、こんな少女だっただろうか?
 なかなかに目鼻立ちの整った、高く売れそうな少女だとは思った。だが、女らしさとか色気などがどうにも足りない、自分のような男は相手にしないような、そんな娘だと思っていた。それが、今は全く印象が異なるのだ。

 けぶるようなまつ毛の下の吸い込まれそうな翡翠の瞳は、月光にきらめき、ジョセフを支えるように触れる手や、仕草は艶めいていて、匂い立つような色香を感じさせる。
 まるで夜の女神のようだ。
 ジョセフはごくりと唾を飲み込む。

『こんなところで寝たら風邪をひいてしまいます』
 そっと微笑むその表情と仕草は、なんと表現したらよいのだろうか?
 慈愛に満ち溢れるその表情は、まるで、巫女や聖女のようなのに、体全体から立ち上る雰囲気は、女性としての魅力を存分に感じさせ、そのアンバランスさに、目が離せなくなる。

『ああ、ああ、そうだな』

 ジョセフは、吸い込まれるように引き付けられ、マレの少女から目が離せない。
 そして、彼の視線をつかんだまま、少女はふわりと立ち上がった。

 つま先から、髪の動きまで、流れるようなその動作全てが美しかった。
 もし彼に芸術の素養があったならばきっと、天上の女神の庭を額縁で切り取ったようだとでも、表現していたことだろう。
 時間が止まったかのようなその一瞬の後、少女は舞うように振り返り、礼をとる。

『船にのせていただくお礼に、皆にマレの舞を披露したいのです。お聞き届けいただけないでしょうか?』

 ジョセフは、その笑みに一も二もなくうなずく。

 少女のその笑みは、舞台で輝きを増す、舞姫の笑みだった。


  ◇◇◇◇◇◇


 バステトは、皇女である身分を明かし、ナディアとルル、イーサーに協力を要請した。彼らは驚きはしたが、協力に快諾してくれた。

 ケイリッヒ人に対しては、舞と飲み物をふるまい、眠り薬で眠ってもらう。
 マレ人に対しては、漕ぎ手として船をマレにつけてもらうよう説得する。
 途中、力に任せて反発するものが出たら、ヴァルターが速やかに対応することになっている。
 これが大まかな作戦だ。

 甲板に即席の舞台が設けられ、ケイリッヒ人の船員たちは思い思いの場所に座る。
 この船の船員は、ケイリッヒ人とマレ人がほぼ半数だが、マレ人は、ガレー船の漕ぎ手として別室にいるようで、今、この場へは来ていない。
 舞と飲み物のふるまいは、ナディアとルル、バステトが行い、漕ぎ手の説得にはイーサーが向かった。

 ナディアが歌と弓型のハープ、バステトは舞の準備をする。
 ルルは、準備した酒樽に、ヴァルターの持っていた眠り薬を入れる。

 バステトの衣装は、ルルの踊り子の衣装だ。透けた布が美しいが、神事の衣装よりも露出が高い。しかし、バステトは気に留めない。
 女神に捧げる舞に求められるのは、美しさと信仰心だ。衣装に求められるのは、踊り手の美しさを引き立てること。女神様に美しく映ることが全てで、踊り手が自分をどう思うかなど、些末なことなのだ。
 長い領巾ひれとシストルムは、愛用のものを手にし、バステトは、準備を終えた。
 バステトは、ナディアと視線をあわせて、合図を送りあう。
 
 ナディアが、ハープの弦を、一音、響かせた。

 ざわついていた船員たちが、静かになる。
 ナディアが、ハープの弦を流れるようにはじき、そこに、鈴のような遠くまで響く声で音を重ねていく。
 はじめの歌は街娘の恋をうたった恋歌だ。明るい、楽しげな曲で、皆が足踏みや手拍子をしたくなるような曲を、ナディアは、明るく、光に満ちるように歌い上げる。
 
 このような曲で舞を踊ったことはバステトはないので、とても新鮮だった。
 舞姫の舞は神への奉舞。
 バステトは、女神さまに、何を捧げたいのかを考える。
 そう、これは、人の恋とその喜びの歌。
 女神さまに、人の生き生きとした恋を知ってもらい、恋を与えてくれた神への感謝を伝える舞にするのだ。

 バステトはとん、と軽く地を蹴った。

 軽やかにステップを踏みながら、舞台の端から端へと飛び回って、人々の目を奪う。
 領巾の端をもって、遠くにふわりと投げ、それを急に引き戻し、離れた人の目線を引き付ける。

 観客は、一瞬たりとも、バステトから目を離せない。

 恋する乙女が織りなす、恋の楽しみ、喜び、感動。
 そして、それを、女神さまに見てもらうための舞。

 バステトは、舞台で恋する乙女だった。
 しかし、街娘の恋は、舞姫の舞により、神への供物へと昇華されてしまった。
 普段なら自然に巻き起こる手拍子や足踏みはなく、誰もが声もなく、街娘の恋を憧れの眼差しで見守っていた。

 そして、街娘の恋は、終盤に癒しと鎮めの舞へ姿を変える。
 眠り薬をのんだ上に、眠りを誘う癒しと鎮めの舞を見て、ケイリッヒ人の男たちは、次々に眠りに落ちていく。
 
『テトラ、ほんとに、舞姫様だった』

 ルルは、呆然と呟き、舞姫の舞台をただ見つめることしかできなかった。


  ◇◇◇◇◇◇


『おい、どういうことだ!!』
『だから、皇女様がこの船でマレへ戻るのに、協力してほしいんだ』
『皇女様だあ? そんな嘘、どっから持ち出した? 誰も信じやしねえよ』
『兄貴、こいつら、船をのっとるつもりだ! 俺たちをケイリッヒの船員どもと戦わせようってか!? ああ?』

 船倉に近い場所の一室、船の漕ぎ手たちの多くいる休憩所には、イーサーが説得に向かった。イーサーは、皇女様の命だと言えば、漕ぎ手たちが簡単に説得に応じると思っていたが、そう簡単ではなかった。
 同じマレ人とはいえ、彼らは人身売買に手を出す者たちに雇われるような輩だ。何かしら後ろ暗いところがある者たちも多い。さらに、船の漕ぎ手を仕事にする、海の男たちだ。体が大きい、荒くれ者ばかりだった。
 国外で楽曲を披露するような芸術家でもある歌劇団員と、犯罪者に雇われる労働者たちとでは、考え方も、何もかもが違っているのだ。

『皇女様は、今、上で、ケイリッヒの船員たちに舞を見せてる。あいつらは眠り薬で眠らせるし、それに皇女様の護衛もいる。だから、あんたたちがケイリッヒの奴らと戦うことにはなんねえよ』
 イーサーは、必死になって説得する。
『ほんとに皇女様かよ。信じらんねえな。護衛は何人いるんだ』
『一人だよ。でも強いよ……多分』
 イーサーは、ヴァルターが戦っている場面を見ていないので、語尾が多少弱くなってしまった。
 マレの漕ぎ手たちは、それを聞くと目配せをしあって、にやりと笑う。
『ほんとに、皇女様がいるなら、俺達もお目にかかりたいってもんだよなあ』
 イーサーは、彼らの雰囲気が緩んだのを見てほっとした。
『皇女様も、あんた達にきちんとお願いしたいって言ってた。だから、上に来いよ』


 船倉から甲板へとマレの漕ぎ手たちが、次々と上がってくる。
 甲板では、ちょうど曲と舞が途切れたところだった。

 ルルが、同じマレ人の男たちと、イーサーをみて、交渉がうまくいったのを感じとって小走りに近づいていく。

『おお、ほんとうに眠らせちまったんだな。すごいなーお前ら』

 眠ってしまったケイリッヒの船員たちを見ると、先頭にいた漕ぎ手の男は、大仰に驚いて見せた。

『お前ら、奴らが起きださないうちに縛っちまえ』
 
 漕ぎ手のマレの男たちは、甲板で眠りこけた船員たちを手慣れた動作で縛り上げていく。
 それを見て、ナディア達は皆、ほっとしたように、肩の力を抜いた。

 その時だった。

『きゃー!』
 突然男が、そばにいたルルの腕をひねり上げた。
 イーサーは殴られて床にうずくまる。

『お前らも動くなよ。この船は俺たちがいただく。お前らも一緒に売り払って、俺たちが金を手に入れる!』


 それまで、舞台の端で静かに成り行きを見守っていたバステトは、ゆっくりと舞台の中央へと歩を進めた。

『おい、動くなって言っただろ』

 バステトはかまわず、舞台の中央に来ると、シャン、とシストラムを響かせた。
 周りを睥睨するように、ゆっくりと見まわす。

 静謐な空気が場を支配していくのを、皆が感じていた。

『っ、おい!』

 シャン、とシストラムの音が響き、男の言葉を封じると、バステトは、ゆっくりと舞い始めた。

 同じ踊り手の、同じ体から紡がれる、同じ技量による舞。
 しかし、先ほどの舞とは明らか違うそれに、ナディア達も息をのむ。
 バステトの腕が、指が、一つ動きを紡ぐたびに、皆、縛られ動けなくなっていく。
 バステトの身に宿る何かが、そうさせていくのだ。
 
 それは、マレの人々なら誰もが目にしたことがある神事の舞。
 穢れを払う、浄めの舞だった。
 身に宿る罪を浄め、祓い、祝福を授ける。
 街にいる舞手の誰もが踊ることのできる、見慣れた舞。

 しかし、それがなぜか男たちの声を奪い、動きを縛りあげていくのだ。

 神事の舞は、舞自体が古代より受け継がれた型により、浄め、癒し、祓い、加護、祝福、様々な効果をもつ。
 そして、舞姫の舞は、その効果があり得ないほどに大きい。

 舞姫が神に捧げる舞には、神が降りると、人々に語られることになった所以だった。

 知らず、涙をこぼし地面にうずくまる男たちを前に、バステトはゆっくりと舞を納める。

 こうして、バステトはこの船を掌握したのだった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】名ばかりの妻を押しつけられた公女は、人生のやり直しを求めます。2度目は絶対に飼殺し妃ルートの回避に全力をつくします。

yukiwa (旧PN 雪花)
恋愛
*タイトル変更しました。(旧題 黄金竜の花嫁~飼殺し妃は遡る~) パウラ・ヘルムダールは、竜の血を継ぐ名門大公家の跡継ぎ公女。 この世を支配する黄金竜オーディに望まれて側室にされるが、その実態は正室の仕事を丸投げされてこなすだけの、名のみの妻だった。 しかもその名のみの妻、側室なのに選抜試験などと御大層なものがあって。生真面目パウラは手を抜くことを知らず、ついつい頑張ってなりたくもなかった側室に見事当選。 もう一人の側室候補エリーヌは、イケメン試験官と恋をしてさっさと選抜試験から引き揚げていた。 「やられた!」と後悔しても、後の祭り。仕方ないからパウラは丸投げされた仕事をこなし、こなして一生を終える。そしてご褒美にやり直しの転生を願った。 「二度と絶対、飼殺しの妃はごめんです」 そうして始まった2度目の人生、なんだか周りが騒がしい。 竜の血を継ぐ4人の青年(後に試験官になる)たちは、なぜだかみんなパウラに甘い。 後半、シリアス風味のハピエン。 3章からルート分岐します。 小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。 表紙画像はwaifulabsで作成していただきました。 https://waifulabs.com/

悪役令嬢はお断りです

あみにあ
恋愛
あの日、初めて王子を見た瞬間、私は全てを思い出した。 この世界が前世で大好きだった小説と類似している事実を————。 その小説は王子と侍女との切ない恋物語。 そして私はというと……小説に登場する悪役令嬢だった。 侍女に執拗な虐めを繰り返し、最後は断罪されてしまう哀れな令嬢。 このまま進めば断罪コースは確定。 寒い牢屋で孤独に過ごすなんて、そんなの嫌だ。 何とかしないと。 でもせっかく大好きだった小説のストーリー……王子から離れ見られないのは悲しい。 そう思い飛び出した言葉が、王子の護衛騎士へ志願することだった。 剣も持ったことのない温室育ちの令嬢が 女の騎士がいないこの世界で、初の女騎士になるべく奮闘していきます。 そんな小説の世界に転生した令嬢の恋物語。 ●表紙イラスト:San+様(Twitterアカウント@San_plus_) ●毎日21時更新(サクサク進みます) ●全四部構成:133話完結+おまけ(2021年4月2日 21時完結)  (第一章16話完結/第二章44話完結/第三章78話完結/第四章133話で完結)。

婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました

Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。 順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。 特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。 そんなアメリアに対し、オスカーは… とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。

【完結】悪役令嬢エヴァンジェリンは静かに死にたい

小達出みかん
恋愛
私は、悪役令嬢。ヒロインの代わりに死ぬ役どころ。 エヴァンジェリンはそうわきまえて、冷たい婚約者のどんな扱いにも耐え、死ぬ日のためにもくもくとやるべき事をこなしていた。 しかし、ヒロインを虐めたと濡れ衣を着せられ、「やっていません」と初めて婚約者に歯向かったその日から、物語の歯車が狂いだす。 ――ヒロインの身代わりに死ぬ予定の悪役令嬢だったのに、愛されキャラにジョブチェンしちゃったみたい(無自覚)でなかなか死ねない! 幸薄令嬢のお話です。 安心してください、ハピエンです――

【改稿版・完結】その瞳に魅入られて

おもち。
恋愛
「——君を愛してる」 そう悲鳴にも似た心からの叫びは、婚約者である私に向けたものではない。私の従姉妹へ向けられたものだった—— 幼い頃に交わした婚約だったけれど私は彼を愛してたし、彼に愛されていると思っていた。 あの日、二人の胸を引き裂くような思いを聞くまでは…… 『最初から愛されていなかった』 その事実に心が悲鳴を上げ、目の前が真っ白になった。 私は愛し合っている二人を引き裂く『邪魔者』でしかないのだと、その光景を見ながらひたすら現実を受け入れるしかなかった。  『このまま婚姻を結んでも、私は一生愛されない』  『私も一度でいいから、あんな風に愛されたい』 でも貴族令嬢である立場が、父が、それを許してはくれない。 必死で気持ちに蓋をして、淡々と日々を過ごしていたある日。偶然見つけた一冊の本によって、私の運命は大きく変わっていくのだった。 私も、貴方達のように自分の幸せを求めても許されますか……? ※後半、壊れてる人が登場します。苦手な方はご注意下さい。 ※このお話は私独自の設定もあります、ご了承ください。ご都合主義な場面も多々あるかと思います。 ※『幸せは人それぞれ』と、いうような作品になっています。苦手な方はご注意下さい。 ※こちらの作品は小説家になろう様でも掲載しています。

ヤンデレ王子とだけは結婚したくない

小倉みち
恋愛
 公爵令嬢ハリエットは、5歳のある日、未来の婚約者だと紹介された少年を見てすべてを思い出し、気づいてしまった。  前世で好きだった乙女ゲームのキャラクター、しかも悪役令嬢ハリエットに転生してしまったことに。  そのゲームの隠し攻略対象である第一王子の婚約者として選ばれた彼女は、社交界の華と呼ばれる自分よりもぽっと出の庶民である主人公がちやほやされるのが気に食わず、徹底的に虐めるという凄まじい性格をした少女であるが。  彼女は、第一王子の歪んだ性格の形成者でもあった。  幼いころから高飛車で苛烈な性格だったハリエットは、大人しい少年であった第一王子に繰り返し虐めを行う。  そのせいで自分の殻に閉じこもってしまった彼は、自分を唯一愛してくれると信じてやまない主人公に対し、恐ろしいほどのヤンデレ属性を発揮する。  彼ルートに入れば、第一王子は自分を狂わせた女、悪役令嬢ハリエットを自らの手で始末するのだったが――。  それは嫌だ。  死にたくない。  ということで、ストーリーに反して彼に優しくし始めるハリエット。  王子とはうまいこと良い関係を結びつつ、将来のために結婚しない方向性で――。  そんなことを考えていた彼女は、第一王子のヤンデレ属性が自分の方を向き始めていることに、全く気づいていなかった。

婚約破棄された侯爵令嬢は、元婚約者の側妃にされる前に悪役令嬢推しの美形従者に隣国へ連れ去られます

葵 遥菜
恋愛
アナベル・ハワード侯爵令嬢は婚約者のイーサン王太子殿下を心から慕い、彼の伴侶になるための勉強にできる限りの時間を費やしていた。二人の仲は順調で、結婚の日取りも決まっていた。 しかし、王立学園に入学したのち、イーサン王太子は真実の愛を見つけたようだった。 お相手はエリーナ・カートレット男爵令嬢。 二人は相思相愛のようなので、アナベルは将来王妃となったのち、彼女が側妃として召し上げられることになるだろうと覚悟した。 「悪役令嬢、アナベル・ハワード! あなたにイーサン様は渡さない――!」 アナベルはエリーナから「悪」だと断じられたことで、自分の存在が二人の邪魔であることを再認識し、エリーナが王妃になる道はないのかと探り始める――。 「エリーナ様を王妃に据えるにはどうしたらいいのかしらね、エリオット?」 「一つだけ方法がございます。それをお教えする代わりに、私と約束をしてください」 「どんな約束でも守るわ」 「もし……万が一、王太子殿下がアナベル様との『婚約を破棄する』とおっしゃったら、私と一緒に隣国ガルディニアへ逃げてください」 これは、悪役令嬢を溺愛する従者が合法的に推しを手に入れる物語である。 ※タイトル通りのご都合主義なお話です。 ※他サイトにも投稿しています。

悪役公爵令嬢のご事情

あいえい
恋愛
執事であるアヒムへの虐待を疑われ、平民出身の聖女ミアとヴォルフガング殿下、騎士のグレゴールに詰め寄られたヴァルトハウゼン公爵令嬢であるエレオノーラは、釈明の機会を得ようと、彼らを邸宅に呼び寄せる。そこで明された驚愕の事実に、令嬢の運命の歯車が回りだす。そして、明らかになる真実の愛とは。 他のサイトにも投稿しております。 名前の国籍が違う人物は、移民の家系だとお考え下さい。 本編4話+外伝数話の予定です。

処理中です...