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第一章 盾職人は異世界のゲームチェンジャーとなる
第7話 魔石の話となる
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アリシアから『魔石に強化魔法を封じ込める』という話を聞いて、興味を持った。
「はい。魔法を封じ込めると、魔石はその魔法特性を持つようになります」
攻撃力強化の魔法を封じ込めると、その魔石は攻撃力強化が付与されるらしい。
「それを剣に埋め込んで、剣士が魔力を剣に込めると剣の攻撃力がアップする……そんな感じです」
「あ! わかった。それが魔剣なんだね!」
魔剣について、アーノルドさんから教えてもらったことがある。今では冒険者のほとんどが魔剣を装備していて、対魔物戦で効果を発揮しているそうだ。アーノルドさんが持っている魔剣を見せてもらったこともあるのだけど、それはとてもカッコ良かった!
「そうなんだ……魔剣はそんなふうに作られているんだね」
「はい。魔石に魔法を封じ込めることができるのは召喚人だけなので、研究所でも召喚人はみんな魔石に魔法を封じ込める研究をやってました」
魔石の研究は召喚人が現れてから急激に進んだらしい。
「私も魔石に強化魔法を封じ込める作業や研究を続けていたので、魔法のレベルがずいぶんと上がりました」
「ふーん……召喚人だけが魔石に魔法を封じ込めるんだね」
そういえば、魔剣を作るのも、魔剣を扱うのも召喚人だけ――とアーノルドさんが言っていたことを思い出す。
つまり、魔石を利用できるのは、召喚人だけで現地人はムリなんだとか……
腕のイイ召喚人の武器職人や防具職人――というのは、実のところ、魔剣や魔法防具を作れるということと、同意語なのかもしれない……
「……ん? 待てよ。それじゃ、盾に魔石を組み込めば、魔法の効果を盾に付与できるんだろうか?」
そうつぶやくと、アリシアが「あ、はい。理論的には可能ですね」と答えてくれた。
「そうか――ということは、防御力強化の魔法を封じ込めた魔石を組み込めば……いや、それじゃダメだ」
ボクがガッカリした表情を見せたので、アリシアは不思議そうな顔をした。
「どうしてですか? 防御力の高い盾ができれば、喜ばれるのではありませんか?」
彼女はそう言うのだが、ボクは頭を横に振る。
「実のところ、盾にそこまで防御力を求めてないんだ」
盾は消耗品。なので、求められるのは性能より安さなのである。だから、いくら魔石によって防御力が上がっても、価格が高くなってしまったら売れなくなってしまう。
「そうなんですね……」
アリシアは悲しそうな顔をした。そんな表情をされるとなんか申し訳がない……
それで――
「でも、他の魔法なら効果がある盾が作れるかもしれないよ!」と、何も考えなしに言ってしまう。
「そうかもしれませんね。例えばどんな魔法なら効果的でしょう?」
そう言われて、ボクはなやむ。
盾は防御する道具なので、攻撃力強化や俊敏性強化を盾に付与しても意味はない。
「うーん……ねえ、他の強化魔法はないの?」
「そうですね……私が使える魔法は……姿を消せる魔法やニオイを出さない魔法、音を出さない魔法……とかでしょうか?」
そんな魔法もあるんだ――しかし、どの魔法も効果があるように思えなかった……
「えーと、他には?」
「あと、面白い魔法では、魔物が逃げていく魔法や逆に魔物の敵意を引き付ける魔法なんてありますよ」
さすがに魔物が逃げてしまったら狩りにならなくなるから、これもダメだな。魔物の敵意を引き付ける? 剣士が使う『挑発』というアビリティと同じ効果だろうか?
「だとしたら、挑発が使える剣士なら、わざわざそんな盾なんて必要ない……いや、待てよ……」
ボクはある仮定を思い付く。
「はい。魔法を封じ込めると、魔石はその魔法特性を持つようになります」
攻撃力強化の魔法を封じ込めると、その魔石は攻撃力強化が付与されるらしい。
「それを剣に埋め込んで、剣士が魔力を剣に込めると剣の攻撃力がアップする……そんな感じです」
「あ! わかった。それが魔剣なんだね!」
魔剣について、アーノルドさんから教えてもらったことがある。今では冒険者のほとんどが魔剣を装備していて、対魔物戦で効果を発揮しているそうだ。アーノルドさんが持っている魔剣を見せてもらったこともあるのだけど、それはとてもカッコ良かった!
「そうなんだ……魔剣はそんなふうに作られているんだね」
「はい。魔石に魔法を封じ込めることができるのは召喚人だけなので、研究所でも召喚人はみんな魔石に魔法を封じ込める研究をやってました」
魔石の研究は召喚人が現れてから急激に進んだらしい。
「私も魔石に強化魔法を封じ込める作業や研究を続けていたので、魔法のレベルがずいぶんと上がりました」
「ふーん……召喚人だけが魔石に魔法を封じ込めるんだね」
そういえば、魔剣を作るのも、魔剣を扱うのも召喚人だけ――とアーノルドさんが言っていたことを思い出す。
つまり、魔石を利用できるのは、召喚人だけで現地人はムリなんだとか……
腕のイイ召喚人の武器職人や防具職人――というのは、実のところ、魔剣や魔法防具を作れるということと、同意語なのかもしれない……
「……ん? 待てよ。それじゃ、盾に魔石を組み込めば、魔法の効果を盾に付与できるんだろうか?」
そうつぶやくと、アリシアが「あ、はい。理論的には可能ですね」と答えてくれた。
「そうか――ということは、防御力強化の魔法を封じ込めた魔石を組み込めば……いや、それじゃダメだ」
ボクがガッカリした表情を見せたので、アリシアは不思議そうな顔をした。
「どうしてですか? 防御力の高い盾ができれば、喜ばれるのではありませんか?」
彼女はそう言うのだが、ボクは頭を横に振る。
「実のところ、盾にそこまで防御力を求めてないんだ」
盾は消耗品。なので、求められるのは性能より安さなのである。だから、いくら魔石によって防御力が上がっても、価格が高くなってしまったら売れなくなってしまう。
「そうなんですね……」
アリシアは悲しそうな顔をした。そんな表情をされるとなんか申し訳がない……
それで――
「でも、他の魔法なら効果がある盾が作れるかもしれないよ!」と、何も考えなしに言ってしまう。
「そうかもしれませんね。例えばどんな魔法なら効果的でしょう?」
そう言われて、ボクはなやむ。
盾は防御する道具なので、攻撃力強化や俊敏性強化を盾に付与しても意味はない。
「うーん……ねえ、他の強化魔法はないの?」
「そうですね……私が使える魔法は……姿を消せる魔法やニオイを出さない魔法、音を出さない魔法……とかでしょうか?」
そんな魔法もあるんだ――しかし、どの魔法も効果があるように思えなかった……
「えーと、他には?」
「あと、面白い魔法では、魔物が逃げていく魔法や逆に魔物の敵意を引き付ける魔法なんてありますよ」
さすがに魔物が逃げてしまったら狩りにならなくなるから、これもダメだな。魔物の敵意を引き付ける? 剣士が使う『挑発』というアビリティと同じ効果だろうか?
「だとしたら、挑発が使える剣士なら、わざわざそんな盾なんて必要ない……いや、待てよ……」
ボクはある仮定を思い付く。
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