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第6章 新たなる出発
エピローグ
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◆Side 紫明◆
「大分良い感じになったね。」
僕がアイリスとの運動を終えた後、ユウマさんが来て、そう声を掛けてくれた。
「ありがとうございます!ユウマさんのお陰です!」
~~~~~~~~~~
時は遡り、半年ほど前のことだ。
「私が元いた世界に戻るとしたら、どうする?」
ある日、突然アイリスがそんなことを聞いてきた。
「もちろん一緒に行くよ。僕も行けたらだけど……。」
即答した僕に、アイリスは少し間を置いて口を開いた。
「向こうは、こっちとは全然違うわ。それに、向こうに行ったら、もうこっちに戻ってこれないかも知れない。」
「向こうに行けば、アイリスと結婚できるし、子どももできるんだよね?」
「それは、そうだけど……。向こうだと、私の方が長生きすると思う。シメイがいなくなってからも長く生きるのかと思うと……。」
「そんな先のことを考えても仕方ないよ……。って、そんな真剣に考えているということは、本当に向こうに戻れるの!?」
「ええ。実はね……。」
アイリスによると、ユウマさんのスキルが従魔が増えたことにより進化したらしい。
どれだけ従魔が増えたのかも気になるが、今重要なの進化したスキルの効果だ。
まず、念話について、世界を越えてできるようになったとのこと(色々制約はあるらしいが)。
これにより、この世界に居るアイリスに念話が届くようになったということだ。
そして、テレポートも世界を越えてできるようになったため、先程のアイリスの話が出た訳だ。
借家生活を始めて、1年が経とうとしているが、アイリスが今の生活に不満を感じているのは知っていた。
今の借家では、色々制限があるからだ。
あと、この世界では、僕と彼女は本当の意味で結婚できないし、おそらく子どもができることもないだろう(異種間でも子どもができるのは、魔力量が関係しているらしいからだ)。
これは、僕と彼女の共通の悩みだ。
家の問題は、頑張って家を建てることで解決するかも知れないが、これはどうしようもない。
だから、できることなら、元の世界で一緒に暮らしたいという思いはずっとあったのだろう。
アイリスの思いを改めて知り、僕な彼女と共に異世界に行くことに決めた。
社長にもアイリスが異世界から来たことを話した上で、僕の決意を伝えた。
異世界の話しはさすがに驚いていたが、それで納得いく部分もあったのだろう、そこまで疑うこともなく快く送り出してくれた。
両親には黙って行くことも考えたが、けじめとして久しぶりに会いに行き、「遠くへ行くので、もう戻らないかも。」程度に伝えた。
両親の反応は薄く、ちょっとだけ引き留められたらどうしようと思った自分が恨めしい。
そういう訳で、異世界に来てユウマさんの家に住まわせてもらい、乗馬クラブのスタッフをしている。
もちろん、アイリスとはこっちに来てすぐに結婚した。
ここは、ユウマさんに指導もしてもらえるし、たまにルナさんにも乗せてもらえるという、非常に恵まれた環境だ。
ルナさんは想像以上に神々しくて、最初は僕なんか乗って良いのかと戸惑ってしまった。
アイリスもルナさんに指導してもらいつつ、ユウマさんに乗ってもらったりしている。
アイリスはユウマさんに乗られることに抵抗があったということだったが、僕と結婚したことで、それがほぼなくなったらしい。
そのため、アイリスの運動レベルも上がった。
それにより、アイリスは元々の目的を思い出したためだろう、ものすごく活き活きしている。
こんな生活がずっと続いて欲しい。僕は心の中で、強くそう願うのだった。
「大分良い感じになったね。」
僕がアイリスとの運動を終えた後、ユウマさんが来て、そう声を掛けてくれた。
「ありがとうございます!ユウマさんのお陰です!」
~~~~~~~~~~
時は遡り、半年ほど前のことだ。
「私が元いた世界に戻るとしたら、どうする?」
ある日、突然アイリスがそんなことを聞いてきた。
「もちろん一緒に行くよ。僕も行けたらだけど……。」
即答した僕に、アイリスは少し間を置いて口を開いた。
「向こうは、こっちとは全然違うわ。それに、向こうに行ったら、もうこっちに戻ってこれないかも知れない。」
「向こうに行けば、アイリスと結婚できるし、子どももできるんだよね?」
「それは、そうだけど……。向こうだと、私の方が長生きすると思う。シメイがいなくなってからも長く生きるのかと思うと……。」
「そんな先のことを考えても仕方ないよ……。って、そんな真剣に考えているということは、本当に向こうに戻れるの!?」
「ええ。実はね……。」
アイリスによると、ユウマさんのスキルが従魔が増えたことにより進化したらしい。
どれだけ従魔が増えたのかも気になるが、今重要なの進化したスキルの効果だ。
まず、念話について、世界を越えてできるようになったとのこと(色々制約はあるらしいが)。
これにより、この世界に居るアイリスに念話が届くようになったということだ。
そして、テレポートも世界を越えてできるようになったため、先程のアイリスの話が出た訳だ。
借家生活を始めて、1年が経とうとしているが、アイリスが今の生活に不満を感じているのは知っていた。
今の借家では、色々制限があるからだ。
あと、この世界では、僕と彼女は本当の意味で結婚できないし、おそらく子どもができることもないだろう(異種間でも子どもができるのは、魔力量が関係しているらしいからだ)。
これは、僕と彼女の共通の悩みだ。
家の問題は、頑張って家を建てることで解決するかも知れないが、これはどうしようもない。
だから、できることなら、元の世界で一緒に暮らしたいという思いはずっとあったのだろう。
アイリスの思いを改めて知り、僕な彼女と共に異世界に行くことに決めた。
社長にもアイリスが異世界から来たことを話した上で、僕の決意を伝えた。
異世界の話しはさすがに驚いていたが、それで納得いく部分もあったのだろう、そこまで疑うこともなく快く送り出してくれた。
両親には黙って行くことも考えたが、けじめとして久しぶりに会いに行き、「遠くへ行くので、もう戻らないかも。」程度に伝えた。
両親の反応は薄く、ちょっとだけ引き留められたらどうしようと思った自分が恨めしい。
そういう訳で、異世界に来てユウマさんの家に住まわせてもらい、乗馬クラブのスタッフをしている。
もちろん、アイリスとはこっちに来てすぐに結婚した。
ここは、ユウマさんに指導もしてもらえるし、たまにルナさんにも乗せてもらえるという、非常に恵まれた環境だ。
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アイリスはユウマさんに乗られることに抵抗があったということだったが、僕と結婚したことで、それがほぼなくなったらしい。
そのため、アイリスの運動レベルも上がった。
それにより、アイリスは元々の目的を思い出したためだろう、ものすごく活き活きしている。
こんな生活がずっと続いて欲しい。僕は心の中で、強くそう願うのだった。
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