純白のマリアと漆黒のまりあ

煉獄(れんごく)業(ごう)

浮上する記憶

　――その夜、私は不思議な夢をみた――。


『――体は穢れても魂までは、ってやつか』

『生憎だが、俺の精気を取り込んだら――』

『……そうか。これだから奴らに渡すのが惜しいんだ。お前は……』


(……なに？　……一体なんの話をしているの？)


　まりあは一方的に囁かれる男の言葉にじっと耳を傾けている。


(……聞いたことある……この声、誰だっけ……)


『あぁ、お前が納得するまでとことん付き合ってやる。下界で待ってるぞマリア――』