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(98)SIDE:奏太
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二人でレストラン街に向かい、昼食を取るための店を探す。
最近のショッピングモールには本格的な飲食店も入っていて、ハンバーグを出しているお店はいくつもあった。
どのお店も美味しそうに見えて、僕はあれこれと悩んでしまう。
少し歩き回った後、店構えが昔ながらの洋食屋といった感じのお店に決めた。
そのお店はやや値段が高く、また落ち着いた雰囲気のせいか、若い人は少ないように見える。今頃、学生たちはフードコートに出向き、思い思いのメニューを頼んでいるのだろう。
普段の僕なら、こんないいお店に入ることはない。僕のお小遣いでは、お昼ご飯に千五百円も出せないからだ。
だけど、今日はせっかくの初デート記念ということで、思い切って財布の紐を緩めることにした。
それに、こういったテーブルごとに仕切りがある静かなお店のほうが、騒がれないで済む。なにしろ僕の相手は、世界的に名の知られている澤泉財閥の御曹司だ。
また、彼のバックグラウンドを知らない人たちも、斗輝がものすごくかっこいいので、二度見したり、あるいは立ち止まってうっとりと眺めていた。
彼がただ歩いているだけでも人目を引くということは、これまでで十分すぎるほどに理解した。
だから、周りからあまり見られずに済むこの店なら、ゆっくりと食事が楽しめそうである。
――ホント、斗輝って有名人だよなぁ。さすが、澤泉家の人だ。
僕はホカホカと温かい蒸しタオルで手を拭いながら、そんなことを心の中で呟く。
さっき、食器や日用品を買ったお店では店員さんたちはすぐに気付いたし、会計の時は店長さんがわざわざ出てきて、「本日は、ご来店ありがとうございます」と挨拶してくれた。
このお店では、僕たちが入ってきた途端に店員さんが深々と頭を下げ、一番奥にある半個室へと案内してくれたのである。明らかに、彼が『澤泉斗輝』だと分かったからだろう。
僕は向かいの席に座っている斗輝に視線を向けると、彼が心配そうに声をかけてきた。
「奏太、疲れていないか?」
「いえ、ちっとも。買い物をしたのは、まだ一店だけですし。それに、僕は田舎育ちで、常に徒歩か自転車が移動手段でしたから、体力はそれなりにありますよ」
ニッコリ笑って答えたものの、斗輝の表情はどこか浮かない。
「ジャンボハンバーグを食べたら、すぐに元気になります」
さらに笑顔を深めて告げたけれど、やはり彼の表情は浮かないままだった。
「斗輝、どうしました? なにがそんなに心配なんですか?」
蒸しタオルをテーブルに置いた僕は、彼に問いかける。
斗輝はジッと僕を見つめ、静かに口を開いた。
「俺が『澤泉斗輝』であることに、疲れていないか?」
「……え?」
僕は質問の内容がすぐに理解できなくて、ポカンとしてしまう。
口を半開きにしたままでいる僕に、彼は改めて話しかけてきた。
「俺が人前に出るとたくさんの人から見られるし、挨拶をしてくる人もいる。それは、俺が『澤泉斗輝』だからだ。そんな俺と一緒にいることで、奏太は疲れていないか?」
それでもいまいち理解できなくて首を傾げたら、彼は右手を伸ばしてくる。
大きな手で、テーブルに乗せたままになっている僕の左手をギュッと握り締めた。
思いのほか力が強くて少し驚いてしまったけれど、僕は大人しくしている。
斗輝は短く息を吸い込み、また口を開く。
「話の上では俺の存在がどういったものか奏太は分かっていたかもしれないが、外に出た俺の周囲にいる人たちがどういった反応をするのか、実際に目にしたことでよく分かっただろう? 彼らの様子に、奏太は精神的な疲れを感じていないか?」
僕はさらに首を傾げながらも、「はい、平気です」と答えた。
「本当に?」
黒曜石の瞳にジッと見つめられてコクンと頷き返したら、少しだけ彼の表情が和らいだ。
「それならよかった……」
しみじみと告げる彼を見つめ返していたら、斗輝が僅かに苦笑を漏らす。
「奏太の性格を考えると、人に見られたり、面識のない大人から挨拶をされるのは、苦手かもしれないと思ってな。そういうことが嫌で俺から離れていこうと考えたのなら、どうしたらいいのかと不安だったんだ」
――なるほど。だから、彼の表情が浮かなくて、縋るように僕の手を握り締めたのか。
理由が分かって、僕も表情を緩める。
「正直言うと、苦手ですよ。だからといって、斗輝から離れたいとは思いません」
きっぱりと言ってのけたら、彼は形のいい目をフッと細めた。
「本当によかった。前に少し話したが、俺の母は父に交際を申し込まれた時、澤泉の名前に委縮して、さんざん逃げ回ったそうだ。いくら父に心を惹かれていても、それとこれとは、話が違うと」
「一般家庭に育ったオメガなら、そういうものですよ。斗輝のお母さんの気持ちは、僕も分かります」
そう言いながら、僕は右手で彼の右手をギュッと握った。
「だけど僕は、『澤泉斗輝』と歩いていくと決めました。たくさんの人に注目されている斗輝を見て尻込みはしましたけど、やっぱり離れることはできません。僕はお母さんのように繊細ではないので、斗輝が思うほどのダメージは受けてないんですよ」
彼を安心させたくてニッコリ笑ったら、斗輝が左手を僕の右手に重ねる。
左手も右手も大きな手に包まれ、すごく安心する。
ちょっとだけ強がって、「ダメージは受けていない」と答えたものの、本当は心の奥がザワザワして落ち着かない時もあった。
だけどこうして彼の穏やかな温もりを感じることができるなら、僕は『澤泉斗輝』の番として、たぶんやっていけるだろう。
話の流れとして、ここで言いたいことがあるけれど、内容的に僕としては恥ずかしいので、いくら半個室なっているとしても口にはできない。
――家に戻ったら、言ってみようかな。
考えるだけでドキドキしてしまって、口元がモニュモニュと意味もなく動いてしまう。
「奏太。言いたいことがあるなら、遠慮しなくていいんだぞ」
そんな僕の様子を見て彼が促してくれるものの、僕はフルフルと首を横に振った。
「い、いえ。これは、ふたりきりの時に話しますので……」
モジモジしながら伝えたら、斗輝は無理に言わせようとはしてこない。
彼は手を解き、穏やかな笑みを浮かべた。
「分かった、あとで聞かせてもらうことにしよう。さて、料理も来たことだし、食べるか」
ふと視線を通路に向けると、料理を手にした店員さんがこちらに歩いてくるのが見える。
「お待たせいたしました、こちらがジャンボハンバーグセットになります」
そう言って、店員さんが僕の前に鉄板の上でジュウジュウと音を立てている大ぶりのハンバーグ、ライス、ミニサラダ、コンソメスープを置いてくれた。
斗輝の前には、トマトソースの上にたっぷりチーズが乗っているハンバーグ、僕と同じセットが置かれた。
音といい、匂いといい、本当に美味しそうだ。
「うわぁ!」
目をキラキラさせて歓声を上げると、向かいの席から「可愛い」という声が聞こえてきた。
ハッとなって顔を上げたら、蕩けそうに甘い視線で僕を眺めている斗輝と目が合う。
そして、店員さんが微笑ましいものを見るような優しい笑顔を浮かべていた。
「どうぞ、ごゆっくりお召し上がりください」
店員さんは余計なことはなにも言わずに立ち去ったものの、子供みたいなことをしてしまった自分が恥ずかしい。
「す、すみません、僕、落ち着きがなくて……。本当にすみません」
ペコッと頭を下げたら、向かい側から伸びてきた手がチョンッと僕の額を突っついた。
「可愛い奏太が見られて、俺はすごく嬉しいよ。そうやって、これからも素直な奏太でいてほしい」
斗輝は本気でそう言っているようで、怒ったり呆れたりはしていない。
でも、大学生にもなって、なにをやっているのだろうと考えたら、自分から穴を掘って埋まりたいくらいに恥ずかしいのだ。
顔が上げられなくて俯いたままでいたら、彼がまた僕の額を額を突っつく。
「せっかくの焼き立てハンバーグだ。冷めないうちに食べるぞ」
「……はい」
彼に優しく促され、僕はナイフとフォークを手に取った。
最近のショッピングモールには本格的な飲食店も入っていて、ハンバーグを出しているお店はいくつもあった。
どのお店も美味しそうに見えて、僕はあれこれと悩んでしまう。
少し歩き回った後、店構えが昔ながらの洋食屋といった感じのお店に決めた。
そのお店はやや値段が高く、また落ち着いた雰囲気のせいか、若い人は少ないように見える。今頃、学生たちはフードコートに出向き、思い思いのメニューを頼んでいるのだろう。
普段の僕なら、こんないいお店に入ることはない。僕のお小遣いでは、お昼ご飯に千五百円も出せないからだ。
だけど、今日はせっかくの初デート記念ということで、思い切って財布の紐を緩めることにした。
それに、こういったテーブルごとに仕切りがある静かなお店のほうが、騒がれないで済む。なにしろ僕の相手は、世界的に名の知られている澤泉財閥の御曹司だ。
また、彼のバックグラウンドを知らない人たちも、斗輝がものすごくかっこいいので、二度見したり、あるいは立ち止まってうっとりと眺めていた。
彼がただ歩いているだけでも人目を引くということは、これまでで十分すぎるほどに理解した。
だから、周りからあまり見られずに済むこの店なら、ゆっくりと食事が楽しめそうである。
――ホント、斗輝って有名人だよなぁ。さすが、澤泉家の人だ。
僕はホカホカと温かい蒸しタオルで手を拭いながら、そんなことを心の中で呟く。
さっき、食器や日用品を買ったお店では店員さんたちはすぐに気付いたし、会計の時は店長さんがわざわざ出てきて、「本日は、ご来店ありがとうございます」と挨拶してくれた。
このお店では、僕たちが入ってきた途端に店員さんが深々と頭を下げ、一番奥にある半個室へと案内してくれたのである。明らかに、彼が『澤泉斗輝』だと分かったからだろう。
僕は向かいの席に座っている斗輝に視線を向けると、彼が心配そうに声をかけてきた。
「奏太、疲れていないか?」
「いえ、ちっとも。買い物をしたのは、まだ一店だけですし。それに、僕は田舎育ちで、常に徒歩か自転車が移動手段でしたから、体力はそれなりにありますよ」
ニッコリ笑って答えたものの、斗輝の表情はどこか浮かない。
「ジャンボハンバーグを食べたら、すぐに元気になります」
さらに笑顔を深めて告げたけれど、やはり彼の表情は浮かないままだった。
「斗輝、どうしました? なにがそんなに心配なんですか?」
蒸しタオルをテーブルに置いた僕は、彼に問いかける。
斗輝はジッと僕を見つめ、静かに口を開いた。
「俺が『澤泉斗輝』であることに、疲れていないか?」
「……え?」
僕は質問の内容がすぐに理解できなくて、ポカンとしてしまう。
口を半開きにしたままでいる僕に、彼は改めて話しかけてきた。
「俺が人前に出るとたくさんの人から見られるし、挨拶をしてくる人もいる。それは、俺が『澤泉斗輝』だからだ。そんな俺と一緒にいることで、奏太は疲れていないか?」
それでもいまいち理解できなくて首を傾げたら、彼は右手を伸ばしてくる。
大きな手で、テーブルに乗せたままになっている僕の左手をギュッと握り締めた。
思いのほか力が強くて少し驚いてしまったけれど、僕は大人しくしている。
斗輝は短く息を吸い込み、また口を開く。
「話の上では俺の存在がどういったものか奏太は分かっていたかもしれないが、外に出た俺の周囲にいる人たちがどういった反応をするのか、実際に目にしたことでよく分かっただろう? 彼らの様子に、奏太は精神的な疲れを感じていないか?」
僕はさらに首を傾げながらも、「はい、平気です」と答えた。
「本当に?」
黒曜石の瞳にジッと見つめられてコクンと頷き返したら、少しだけ彼の表情が和らいだ。
「それならよかった……」
しみじみと告げる彼を見つめ返していたら、斗輝が僅かに苦笑を漏らす。
「奏太の性格を考えると、人に見られたり、面識のない大人から挨拶をされるのは、苦手かもしれないと思ってな。そういうことが嫌で俺から離れていこうと考えたのなら、どうしたらいいのかと不安だったんだ」
――なるほど。だから、彼の表情が浮かなくて、縋るように僕の手を握り締めたのか。
理由が分かって、僕も表情を緩める。
「正直言うと、苦手ですよ。だからといって、斗輝から離れたいとは思いません」
きっぱりと言ってのけたら、彼は形のいい目をフッと細めた。
「本当によかった。前に少し話したが、俺の母は父に交際を申し込まれた時、澤泉の名前に委縮して、さんざん逃げ回ったそうだ。いくら父に心を惹かれていても、それとこれとは、話が違うと」
「一般家庭に育ったオメガなら、そういうものですよ。斗輝のお母さんの気持ちは、僕も分かります」
そう言いながら、僕は右手で彼の右手をギュッと握った。
「だけど僕は、『澤泉斗輝』と歩いていくと決めました。たくさんの人に注目されている斗輝を見て尻込みはしましたけど、やっぱり離れることはできません。僕はお母さんのように繊細ではないので、斗輝が思うほどのダメージは受けてないんですよ」
彼を安心させたくてニッコリ笑ったら、斗輝が左手を僕の右手に重ねる。
左手も右手も大きな手に包まれ、すごく安心する。
ちょっとだけ強がって、「ダメージは受けていない」と答えたものの、本当は心の奥がザワザワして落ち着かない時もあった。
だけどこうして彼の穏やかな温もりを感じることができるなら、僕は『澤泉斗輝』の番として、たぶんやっていけるだろう。
話の流れとして、ここで言いたいことがあるけれど、内容的に僕としては恥ずかしいので、いくら半個室なっているとしても口にはできない。
――家に戻ったら、言ってみようかな。
考えるだけでドキドキしてしまって、口元がモニュモニュと意味もなく動いてしまう。
「奏太。言いたいことがあるなら、遠慮しなくていいんだぞ」
そんな僕の様子を見て彼が促してくれるものの、僕はフルフルと首を横に振った。
「い、いえ。これは、ふたりきりの時に話しますので……」
モジモジしながら伝えたら、斗輝は無理に言わせようとはしてこない。
彼は手を解き、穏やかな笑みを浮かべた。
「分かった、あとで聞かせてもらうことにしよう。さて、料理も来たことだし、食べるか」
ふと視線を通路に向けると、料理を手にした店員さんがこちらに歩いてくるのが見える。
「お待たせいたしました、こちらがジャンボハンバーグセットになります」
そう言って、店員さんが僕の前に鉄板の上でジュウジュウと音を立てている大ぶりのハンバーグ、ライス、ミニサラダ、コンソメスープを置いてくれた。
斗輝の前には、トマトソースの上にたっぷりチーズが乗っているハンバーグ、僕と同じセットが置かれた。
音といい、匂いといい、本当に美味しそうだ。
「うわぁ!」
目をキラキラさせて歓声を上げると、向かいの席から「可愛い」という声が聞こえてきた。
ハッとなって顔を上げたら、蕩けそうに甘い視線で僕を眺めている斗輝と目が合う。
そして、店員さんが微笑ましいものを見るような優しい笑顔を浮かべていた。
「どうぞ、ごゆっくりお召し上がりください」
店員さんは余計なことはなにも言わずに立ち去ったものの、子供みたいなことをしてしまった自分が恥ずかしい。
「す、すみません、僕、落ち着きがなくて……。本当にすみません」
ペコッと頭を下げたら、向かい側から伸びてきた手がチョンッと僕の額を突っついた。
「可愛い奏太が見られて、俺はすごく嬉しいよ。そうやって、これからも素直な奏太でいてほしい」
斗輝は本気でそう言っているようで、怒ったり呆れたりはしていない。
でも、大学生にもなって、なにをやっているのだろうと考えたら、自分から穴を掘って埋まりたいくらいに恥ずかしいのだ。
顔が上げられなくて俯いたままでいたら、彼がまた僕の額を額を突っつく。
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