婚約破棄のその先は

フジ

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これまでと、いままでと。ーユーリverー

好きにさせるのは今だけ ールーブル家長男 ゲイツver

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あれから弟は連日マリーに呼び出されているらしい。
弟と婚約するつもりでいたマリーはたいそうご立腹で、ユーリを責めているらしい。


初めは俺が会いに行っても全然会おうとしなかった。
ようやく納得したのか、それとも父親に叱られたのかやっと会えた時にはふくれっ面で、全然可愛くなかった。まぁその態度が可愛くないのが可愛いんだよな。







弟は気付いてないかもしれないが、マリーは決して病弱ではないし、か弱い精神の持ち主でもない。

足の傷は痛くもないらしいし、本当は熱も出ない。
ー雨の日に痛むって言ってユーリを騙してるらしいが。


俺達が出会ったのも、息抜きに参加した仮面舞踏会だった。若い男をはべらしている女がいるなーと思ったぐらいで、なんの興味もなかった。でも、なんとなく耳に入ってきた会話のその気の強さに、少し興味が湧いた。
仮面舞踏会といっても身元はなんとなく分かっているものだけど、その女は本当に身分を隠していた。

マリーは覚えてないかも知れないが、俺たちは何度も話している。度々訪れるその女は、男をとっかえひっかえして、会話を楽しんでいた。俺もその中の1人だった

飲み物は取りに行かされるわ、ダンスは足を踏まれるわで、なんて気の強い女なんだと思ったけれど、不意にボディタッチをすると、真っ赤になったりと可愛い一面もあった。


ーその時の、ギャップにやられたんだよなー。


それから秘密裏にその女の身元を探った。


弟が毎日会いにいっている令嬢で、まさか父上が弟に仕えろと言った、あの家だとは思いもしなかったけれどー。


でも婚約してるとは話はなかったよなーと思いさりげなく父上に探ったりもしたが、父上は何も教えてはくれなかった。
仕事関係でクラベル家に行った時に、マリーの父親に聞くと、驚くことを言われた。


ユーリとの婚約を反対したのはわたしだとー。
マリーはクラベル家の唯一の子供だ。マリーの旦那になるやつが次のクラベル家当主になる。そんな大役は三男なんかには果たせられないし、まず三男にクラベル家を継がせないし家の恥だとも言っていた。
その時は正直、弟を馬鹿にされたようでいい気分ならなかったが、まぁそれもそーか、と思った。

てか、それならーと思って、俺なんかどうですか?ルーブル家は一個下の弟が継ぐことも父上は考えているので大丈夫ですよと素の口調でつい出ていた。


ーあの時は必死だったな、俺。

あの女を手に入れるチャンスが目の前に転がり込んできた。それを流してなるものか。
必ず俺のものにする、俺がそう決めた。


それからはとんとんと話が進んだ。クラベル家はルーブル家と付き合いは長く、仕事上でもだ。この絆を強固にするのも悪くない話だった。

父上にもそのように話すと、よくやった、と言われた。

まぁ俺としては家とか関係なくマリーが手に入るならなんでもよかったんだがなー。




マリーは俺と結婚するのは少し待ってほしい、と言ってきたが、それは無理だと伝えた。正直に言うと早く俺のものにしたいし、マリーの父親も早く俺と結婚させたがっている。

でも、あまりにも泣きそうに懇願するから少しなら聞いてやろうかと思った。いつも強気な女がこんなにしおらしくなるんだ。ちょっとのワガママなんて可愛いものだと思ったし、もうすぐその泣き顔も手に入ると思ったらゾクゾクする。
だから連日、弟にご機嫌を取りにこいと言っているのにも目をつぶっている。っていうかあの弟が会った後に俺と会う時の、あの傷ついたたマリーの顔がたまらないから、ユーリにも行けって言っちゃうんだよな~。


婚約者のアンジェっていったっけか。ほったらかして大丈夫なのか?って思うけど、知らん、うまいことやってんだろ。だって好きなやつだろ?
何においても優先だろ。



さ、今日も可愛い婚約者に会いに行こう。
最近、可愛がれてないから、今日は沢山可愛がってやろうー。








可愛いワガママを聞いてやるのももうすぐやめるかー





俺の可愛いまりー





お前は俺のものだ







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