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第十二話「黒の記憶」
第三章「星の降りる日」・③
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※ ※ ※
「・・・まだ・・・立ち上がるのか・・・No.007・・・・・・」
思わずそんな台詞を吐いてしまう程に・・・ヤツの身体は、痛々しい状態だった。
全身の鎧の大部分が赤熱し、汗となって流れ落ち始めている。
その様は以前、「卯養島」でNo.013の荷電粒子砲を食らった直後の姿を彷彿とさせた。
「・・・・・・ッ!」
そして私は同時に、横須賀に帰ってきた日の夜の事──
「この状態のNo.007を放っておくと何が起こるのか」を思い出し・・・強く歯噛みする。
図らずも、すぐ側に海がある所までが符合しており、最悪の想像が脳裏を過った。
「時間がないな・・・クソッ!」
愚痴めいた思いを舌打ちと一緒に吐き出してから、ヘルメットの左側に手を当てる。
「作戦については今説明した通りだ! まずはNo.020の足を止めるぞ!」
『『『『アイ・マムッ‼』』』』
揃った返事に奮い立たされつつ・・・紫の巨体に目を向ける。
<ギッ・・・! ギイィ・・・ッ‼ ギイイィィイシャアァァハハハハハハハッ‼>
気づけば、傷口から湧き出た「黒い指」の姿は既になく──
代わりに元通りになった首が、再び耳障りな嗤い声を上げていた。
時間はかかるものの、やはり完全に再生してしまうようだ。
絶望がより色濃くなった感覚がしたが・・・とにかく今は、柵山少尉の推論が当たっている事を信じて、やれるだけやるしかあるまい。
「ハウンド2! ミサイルだ! 可能な限りヤツの足元に当てろ!」
『アイ・マムッ!』
返事が聴こえてから数秒後・・・すぐ近くで、バン‼と大きな音が一つ鳴った。
打ち上がったミサイル──ラムパール社製の<RJV-028>は、空高く飛翔しながら内蔵カメラによってNo.020の姿を捉える。
そして、中尉が着弾地点の入力を済ませた瞬間、獲物を狙う猛禽のように、地表へ向かって一直線に降下を始めた。
<ギイイィィイシャァァアハハハハハハッ‼>
しかし、No.020がその接近に気が付かないはずがない。
完全な回復を果たしていたヤツは、俊敏な触腕の動きで空中のミサイルを叩き落とす。
当然、その衝撃によって信管が作動し、爆発で触腕の先端は弾け飛ぶが・・・すぐさま再生されてしまう。
ミサイルだけでは、足を止める事すら出来ないのか・・・⁉
『・・・隊長ッ! 俺たちも──』
「待て! 今<アルミラージ・タンク>が狙われるのはまずい!」
歯痒い思いを堪えながら、即座に連絡してきた竜ヶ谷少尉を制止する。
ハウンド3は本作戦の要だ。万が一の事があれば、元も子もなくなってしまう。
『けどよっ! このままじゃ──』
『! No.007が・・・っ!』
なおも食い下がる竜ヶ谷少尉だったが・・・その途中でオープンチャンネルに飛び込んできたユーリャ少尉の声に、私もつられてNo.020の右方へと視線を移す。
<グッ・・・オオオオオオオォォォォォォォッッ‼>
そして、聴き慣れた雄叫びが耳に届き──同時に、驚愕する。
立つのがやっと・・・いや、形を保つのがやっとの状態ながら・・・
ネイビーの巨竜は、相対するNo.020へと向かって再び駆け出したのである。
巨大な足が地面を蹴る度に、熱で融けた鎧が雫となって後方へと飛び散り、文字通りの意味で少しずつ身体が失われていく。
だが、それでもヤツは・・・走る。
「どうして・・・そこまで・・・・・・」
誰に言うともなく溢れた呟きは、海風にさらわれ──
同時に内心に浮かんだのは・・・「負けていられるか!」というただ一念だった。
「・・・ハウンド2! もう一度だ! ありったけブチ込めッ‼」
『アイ・マムッ‼』
指示を飛ばすと、立て続けの破裂音と共に、5つの細い白煙が海から空へと伸びる。
そして、No.007を迎え撃たんと触腕を振り上げたNo.020の元へ、全てのミサイルが殺到した。
如何に驚異的な再生力を持つNo.020と言えども、直撃すればただでは済むまい。
ヤツもそれを理解しているのか、振り上げた触腕で以て、咄嗟にミサイルを打ち払った。
先程と同じような光景が繰り返され・・・唯一迎撃を免れたミサイルが一基、No.020の足元で炸裂する。
爆発の威力で右脚が吹き飛ぶが、やはり、すぐに元通りになってしまう。
<グオオオオオオオオォォォォォッッ‼>
──しかし、その僅かな隙があれば十分だった。
爆煙に紛れて、No.007は先程よりも深くNo.020の懐に入り込む。
長い首を右脇で挟むように抱え、左手で触腕を束にして掴み、更には押し潰さんとする勢いで足を踏んで、No.020をその場に釘付けにした。
ヤツの足を止めたい我々にとっては、まさに願ったり叶ったりの状況だ。
まるで、こちらの思考を読まれたかのようで・・・誰の仕業かを察し、舌打ちが出る。
「余計な事を・・・・・・」
姿は見えないが、No.011もこの状況を見ているという事だろう。
お節介を疎ましく思いつつも──今は、この機を利用するしかないと決断した。
「ハウンド3! チャンスは一度だ! いいな!」
『・・・アイ・マム』
『判ってますって! お任せ・・・あれっ!』
竜ヶ谷少尉の調子の良い返事と共に、<アルミラージ・タンク>から甲高い音が鳴り始め、水色の光が漏れ出してくる。
メイザー粒子の加速と圧縮が始まった合図だ。
「テリオ! <サンダーバード>の用意は!」
『いつでも行けます。・・・ただ、普段の「メイザー・ブラスター」よりも威力が強いために、歪曲フィールドが耐えられず、本体が破損する可能性が高いと思われます』
「・・・やむを得まい。それでヤツを倒せるならむしろ儲けものだ」
一瞬、開発者の号泣する顔が脳裏を過ったが・・・特に気にしない事にした。
<ギイィィイシャアァァアハハハハハハッッ‼>
<グオォ・・・ッ‼ オオオオオォォォォォ・・・ッッ‼>
No.020は相手を引き剥がそうと必死に抵抗し、逆にNo.007は振り払われまいと鋭い牙を食い縛って堪えている。
<圧縮砲>モードの準備が完了するまで、あと少し・・・!
「竜ヶ谷少尉! タイミングは任せる!」
『へへっ・・・どうも!』
緊張感に欠ける声が返って来た所で、水色の光が一際強い輝きを放った。
『・・・ヘラヘラしてて外したら・・・許さない・・・・・・』
竜ヶ谷少尉に釘を差しながら、ユーリャ少尉は巧みなハンドル捌きで<アルミラージ・タンク>を駆り、ベストな狙撃位置につける。
『誰に向かって言ってんだよユーリャ──』
すると同時に、<アルミラージ・タンク>のパラボラ部分が、伝導針を包むように、百合の花の蕾のような細長いシルエットへと変形する。
『こういう場面で外さねぇから・・・俺は普段ヘラヘラしてられんのさッ‼』
そして、少尉の軽口を合図にトリガーが引かれ──
極限まで加速された帯電メイザー粒子が、一条の光となって空を灼く。
貫いたのは・・・再生したばかりの首の先にある、No.006のそれに似た頭部だ。
<ギイイイィィイィイイイイ────ッッ‼>
しかし、これだけでは先程の二の舞い。この作戦の肝は・・・ここからだ!
『──歪曲フィールド、展開』
No.020の黒い首の先端を貫いた、メイザー光線──その光の向かう先には、四基のプロペラによって滞空していた、<サンダーバード>の姿があった。
・・・<サンダーバード>の発生させる歪曲フィールドの本来の用途は、粒子の加速後には移動出来ず、かつ直線上にしか撃てない「メイザー・ブラスター」の軌道を「屈折」させ、目標に命中させる事にある。
故に、理論上は・・・標的を貫いた後の光線も、曲げる事が出来るはずなのだ。
「行け・・・ッ!」
そして、思わず声が漏れた、その瞬間───
陽炎のように揺らめく歪曲フィールドに、水色の閃光が到達して──屈折したそれは、ほぼ直角に反転──
No.020の胴体の上・・・金魚鉢の中にあるもう一つの頭部をも、貫いてみせた。
「・・・まだ・・・立ち上がるのか・・・No.007・・・・・・」
思わずそんな台詞を吐いてしまう程に・・・ヤツの身体は、痛々しい状態だった。
全身の鎧の大部分が赤熱し、汗となって流れ落ち始めている。
その様は以前、「卯養島」でNo.013の荷電粒子砲を食らった直後の姿を彷彿とさせた。
「・・・・・・ッ!」
そして私は同時に、横須賀に帰ってきた日の夜の事──
「この状態のNo.007を放っておくと何が起こるのか」を思い出し・・・強く歯噛みする。
図らずも、すぐ側に海がある所までが符合しており、最悪の想像が脳裏を過った。
「時間がないな・・・クソッ!」
愚痴めいた思いを舌打ちと一緒に吐き出してから、ヘルメットの左側に手を当てる。
「作戦については今説明した通りだ! まずはNo.020の足を止めるぞ!」
『『『『アイ・マムッ‼』』』』
揃った返事に奮い立たされつつ・・・紫の巨体に目を向ける。
<ギッ・・・! ギイィ・・・ッ‼ ギイイィィイシャアァァハハハハハハハッ‼>
気づけば、傷口から湧き出た「黒い指」の姿は既になく──
代わりに元通りになった首が、再び耳障りな嗤い声を上げていた。
時間はかかるものの、やはり完全に再生してしまうようだ。
絶望がより色濃くなった感覚がしたが・・・とにかく今は、柵山少尉の推論が当たっている事を信じて、やれるだけやるしかあるまい。
「ハウンド2! ミサイルだ! 可能な限りヤツの足元に当てろ!」
『アイ・マムッ!』
返事が聴こえてから数秒後・・・すぐ近くで、バン‼と大きな音が一つ鳴った。
打ち上がったミサイル──ラムパール社製の<RJV-028>は、空高く飛翔しながら内蔵カメラによってNo.020の姿を捉える。
そして、中尉が着弾地点の入力を済ませた瞬間、獲物を狙う猛禽のように、地表へ向かって一直線に降下を始めた。
<ギイイィィイシャァァアハハハハハハッ‼>
しかし、No.020がその接近に気が付かないはずがない。
完全な回復を果たしていたヤツは、俊敏な触腕の動きで空中のミサイルを叩き落とす。
当然、その衝撃によって信管が作動し、爆発で触腕の先端は弾け飛ぶが・・・すぐさま再生されてしまう。
ミサイルだけでは、足を止める事すら出来ないのか・・・⁉
『・・・隊長ッ! 俺たちも──』
「待て! 今<アルミラージ・タンク>が狙われるのはまずい!」
歯痒い思いを堪えながら、即座に連絡してきた竜ヶ谷少尉を制止する。
ハウンド3は本作戦の要だ。万が一の事があれば、元も子もなくなってしまう。
『けどよっ! このままじゃ──』
『! No.007が・・・っ!』
なおも食い下がる竜ヶ谷少尉だったが・・・その途中でオープンチャンネルに飛び込んできたユーリャ少尉の声に、私もつられてNo.020の右方へと視線を移す。
<グッ・・・オオオオオオオォォォォォォォッッ‼>
そして、聴き慣れた雄叫びが耳に届き──同時に、驚愕する。
立つのがやっと・・・いや、形を保つのがやっとの状態ながら・・・
ネイビーの巨竜は、相対するNo.020へと向かって再び駆け出したのである。
巨大な足が地面を蹴る度に、熱で融けた鎧が雫となって後方へと飛び散り、文字通りの意味で少しずつ身体が失われていく。
だが、それでもヤツは・・・走る。
「どうして・・・そこまで・・・・・・」
誰に言うともなく溢れた呟きは、海風にさらわれ──
同時に内心に浮かんだのは・・・「負けていられるか!」というただ一念だった。
「・・・ハウンド2! もう一度だ! ありったけブチ込めッ‼」
『アイ・マムッ‼』
指示を飛ばすと、立て続けの破裂音と共に、5つの細い白煙が海から空へと伸びる。
そして、No.007を迎え撃たんと触腕を振り上げたNo.020の元へ、全てのミサイルが殺到した。
如何に驚異的な再生力を持つNo.020と言えども、直撃すればただでは済むまい。
ヤツもそれを理解しているのか、振り上げた触腕で以て、咄嗟にミサイルを打ち払った。
先程と同じような光景が繰り返され・・・唯一迎撃を免れたミサイルが一基、No.020の足元で炸裂する。
爆発の威力で右脚が吹き飛ぶが、やはり、すぐに元通りになってしまう。
<グオオオオオオオオォォォォォッッ‼>
──しかし、その僅かな隙があれば十分だった。
爆煙に紛れて、No.007は先程よりも深くNo.020の懐に入り込む。
長い首を右脇で挟むように抱え、左手で触腕を束にして掴み、更には押し潰さんとする勢いで足を踏んで、No.020をその場に釘付けにした。
ヤツの足を止めたい我々にとっては、まさに願ったり叶ったりの状況だ。
まるで、こちらの思考を読まれたかのようで・・・誰の仕業かを察し、舌打ちが出る。
「余計な事を・・・・・・」
姿は見えないが、No.011もこの状況を見ているという事だろう。
お節介を疎ましく思いつつも──今は、この機を利用するしかないと決断した。
「ハウンド3! チャンスは一度だ! いいな!」
『・・・アイ・マム』
『判ってますって! お任せ・・・あれっ!』
竜ヶ谷少尉の調子の良い返事と共に、<アルミラージ・タンク>から甲高い音が鳴り始め、水色の光が漏れ出してくる。
メイザー粒子の加速と圧縮が始まった合図だ。
「テリオ! <サンダーバード>の用意は!」
『いつでも行けます。・・・ただ、普段の「メイザー・ブラスター」よりも威力が強いために、歪曲フィールドが耐えられず、本体が破損する可能性が高いと思われます』
「・・・やむを得まい。それでヤツを倒せるならむしろ儲けものだ」
一瞬、開発者の号泣する顔が脳裏を過ったが・・・特に気にしない事にした。
<ギイィィイシャアァァアハハハハハハッッ‼>
<グオォ・・・ッ‼ オオオオオォォォォォ・・・ッッ‼>
No.020は相手を引き剥がそうと必死に抵抗し、逆にNo.007は振り払われまいと鋭い牙を食い縛って堪えている。
<圧縮砲>モードの準備が完了するまで、あと少し・・・!
「竜ヶ谷少尉! タイミングは任せる!」
『へへっ・・・どうも!』
緊張感に欠ける声が返って来た所で、水色の光が一際強い輝きを放った。
『・・・ヘラヘラしてて外したら・・・許さない・・・・・・』
竜ヶ谷少尉に釘を差しながら、ユーリャ少尉は巧みなハンドル捌きで<アルミラージ・タンク>を駆り、ベストな狙撃位置につける。
『誰に向かって言ってんだよユーリャ──』
すると同時に、<アルミラージ・タンク>のパラボラ部分が、伝導針を包むように、百合の花の蕾のような細長いシルエットへと変形する。
『こういう場面で外さねぇから・・・俺は普段ヘラヘラしてられんのさッ‼』
そして、少尉の軽口を合図にトリガーが引かれ──
極限まで加速された帯電メイザー粒子が、一条の光となって空を灼く。
貫いたのは・・・再生したばかりの首の先にある、No.006のそれに似た頭部だ。
<ギイイイィィイィイイイイ────ッッ‼>
しかし、これだけでは先程の二の舞い。この作戦の肝は・・・ここからだ!
『──歪曲フィールド、展開』
No.020の黒い首の先端を貫いた、メイザー光線──その光の向かう先には、四基のプロペラによって滞空していた、<サンダーバード>の姿があった。
・・・<サンダーバード>の発生させる歪曲フィールドの本来の用途は、粒子の加速後には移動出来ず、かつ直線上にしか撃てない「メイザー・ブラスター」の軌道を「屈折」させ、目標に命中させる事にある。
故に、理論上は・・・標的を貫いた後の光線も、曲げる事が出来るはずなのだ。
「行け・・・ッ!」
そして、思わず声が漏れた、その瞬間───
陽炎のように揺らめく歪曲フィールドに、水色の閃光が到達して──屈折したそれは、ほぼ直角に反転──
No.020の胴体の上・・・金魚鉢の中にあるもう一つの頭部をも、貫いてみせた。
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