妖精王の味

うさぎくま

文字の大きさ
上 下
29 / 46

28、事件の前の平和

しおりを挟む
 

「起きたか?」

 目が覚めて一番最初に目に入ってきたのは、エティエンヌフューベルの寸分のくるいない美しい顔面。

「うわっ」

 凛音の化け物でも見たかの反応にエティエンヌフューベルは眉間にシワを寄せて、普通に傷つき黙ってしまった。

「いや、えっと。すみません」

「謝罪されると、さらに落ち込むのだが…」

(そりゃそうだ)


 どう考えても起きて顔を見てから、『うわっ』と口に出せば嫌がっているようにうつる。
 ましてや恋人、いやエティエンヌフューベルは凛音の夫だ。その唯一無二の夫に対して『うわっ』はないだろう。

 言い訳をと思うが、何を言っても嘘くさい。

 凛音は元々あざとさからかけ離れたキャリアウーマン(立派なお局様)なので、可愛らしく『きゃっ』や『いやんっ』などと言う訳がない。

 小さな時(両性具有)のエティエンヌフューベルは、まさに『きゃっ』『いやんっ』属性だったから、尚更凛音の態度は説明しても理解不能だろう。

 ましてや起きて目の前に、目が潰れそうな美貌の顔だ。喜びより驚きがまさって当然だと言えよう。


(理解してもらうのは無理だよね、話を変えるべし)

 凛音は強制的に話題を変えた。


「エティエンヌフューベル様、私、気絶してました…よね…?」

「あぁ」


 声が不信感満載だ。でも凛音は決して負けはしない。いくらエティエンヌフューベルが超絶タイプで涎が垂れるほど美しいからと言って、彼の言動に流されてはいけない。

(すぐ、セックスしようとするの、どうにかしないと。今回は私の失神で防げたけど。
 エティエンヌフューベル様にお願いされたら、絶対に股を開く自信がある。絶対に拒めない。
 …だって、めちゃくちゃ気持ちいいから! セックス覚えてたてのガキンチョじゃあるまいし、溺れてなるものか!!)


 忘れちゃいけないのが、エティエンヌフューベルは凛音第一主義。暑苦しいほどの愛をくれるが、普通の生活をさせてくれない。

 以前の可愛らしい見目(女性体だと凛音は思っている)の時からだが、あざとさで押し切ってくる性格は変わってない。男性体になってからは、凛音をさらに丸め込めてくる。

 仕事好きな凛音には、性行為のみ快楽地獄生活は気持ちいいが、決して好きではないのだ。


「気絶したのはすみません」

「謝らないでいい。偶然なら尚更」

 エティエンヌフューベルの言葉に刺がある。


「本っ当っに、わざとじゃないですからね!」

「分かっている。分かっているが、こうもタイミングよく失神されたなら、身体が拒否をしているのかと考えてしまう。
 私の焦燥感に駆られる気持ちも理解して欲しい」

「…エティエンヌフューベル様」


 あきらかに傷ついている姿に、胸を抉られる。

(そんな顔されたら、まるで私がいじめっ子みたいじゃないですか。この私の格好も凄く偉そうですし…)


 深くソファーに腰掛けるエティエンヌフューベルの膝の上に、当たり前のように鎮座している凛音。

 決してこの状態が〝普通〟だとは思わないべきだと、己を律する。


「私は何の種族でもない生き物です。妖精族の普通には免疫がないので、色々お手柔らかにお願いします」

 当然、エティエンヌフューベルと交わった肉体関係の映像を想像してしまい顔が、また赤く染まる。


「凛音。いつも、その顔でいてくれ」

「なんですか、その顔って」

「愛されているという自信になる」

「…バカですか、エティエンヌフューベル様は偉いのにバカですね」


 エティエンヌフューベルの真っ直ぐ過ぎる愛に脱力した凛音は、諦めてエティエンヌフューベルの圧巻の肉体に身体を預ける。
 甘えてきた凛音に満足気なエティエンヌフューベルは、少し身体を起こした。


「ぅん?」

「凛音、飲み物はいらないか?」

 テーブルに手を伸ばしたエティエンヌフューベルは何かをとった。そして凛音の顔の前にグラスを差し出してきた。

 甘ったるい笑顔で差し出されたグラスに、凛音の顔が一気に緩む。


「わぁ!!! これって!!!」

「あぁ」

「キャラメルマキアート!!!」

「たくさん用意出来たからな、好きなだけ飲んでくれ」

 グラスに口をつけると、甘く柔らかな香りが鼻に抜ける。グラスを傾けて口内に液体を流し込めば、懐かしく幸せな味に、目がトロントロンになる。

「美味しいっ!! 美味しいです。あぁー美味しいよー」

 グラスにあったのを飲み切り、さらに壺に入っていたのを遠慮なくお代わりし、幸せいっぱいな凛音。
 旨旨、と大絶賛しながら飲む凛音にエティエンヌフューベルも幸せそうだ。

「美味いか?」

「はい! とても、とても、とーても美味しいです!!」

「そうか、良かった」

「ありがとうございます!エティエンヌフューベル様っ!!」

 用意された室内は幸せな空気で溢れ返っていた。


 ***


 幸せな時間。まさかこんな風に奪われるとは、微塵も思わなかった。

 黒い渦の道。

 2度目のブラックホールに飲み込まれた凛音は自分の置かれた状況に、嫌味なほど冷静だった。

 ブラックホールから助けたハーリア王の側妃の一人が、『いやぁーお姉様ぁー』と喚いている声が耳に入ってくる。

(いや、だからお姉様って呼ぶなって! もうどこ行っても姉御なのか、私って…)


 そんな呑気なツッコミをしながらも、気になる唯一の事。
 エティエンヌフューベルの狂う姿は見たくない。絶対に見たくない。


『神様!! せめてこの世界のどこかに落としてください!! 
 …あぁもうなんでこうなるの!!くそっ!!
 絶対に、絶対に元の世界に戻すなよ!! 私を元の世界の戻したら、この世界は滅ぶからな!!!』


 無茶苦茶な偶然に怒鳴りながら、凛音はブラックホールに、のみこまれていく。

(あぁ、エティエンヌフューベル様が…心配だ…)

 凛音の意識はそこで消えた。


 ***


 時間は少し戻る。

 精液酒キャラメルマキアートを貰い、和やかな時間は経つのが早い。

 しばらくエティエンヌフューベルと軽いイチャイチャをしていたらすぐに晩餐会の時間となった。

 晩餐会は凛音の知るヨーロピアン風なテーブルと椅子、豪華な内装も興奮する。食事も美味。どこもかしこも凛音の好みだ。


「凛音の好きが分かって良かった」

「部屋の改装はいりませんからね! あくまでアユーバラ国にあっていますから」

「天草様、ありがとうございます」

 穏やかに礼を口にして微笑むダリア妃を見れば、その隣にはハーリア王がいる。

 ハーリア王とは昼の一件(よほどエティエンヌフューベルが恐かったのだろう)から分厚い壁が出来ていた。

 凛音は話す時に目を合わせるのは当然だと思っていたが、話す以前に全く目が合わない。絶対に視線を合わせてこない。


(……まるで化け物扱いだな。私は蔑ろにされている気持ちで、めちゃくちゃ嫌な気分だけど。
 ……エティエンヌフューベル様は、男が私を見るのが嫌なのか、ハーリア王並びに皆が無視するのを肯定している。
 ……歪んでるなぁ。…重い愛…嬉しいけど、ね、うん)


 鳥の国アユーバラ国。鶏肉料理。これはいいのか? と凛音は疑問を持ちまくるが、所詮異世界人の凛音には理解及ばないのは当然だ。

 考えるのをやめた。


 黙々と食事をしていると、ダリア妃が直接案内出来なかった王宮内の説明を分かりやすく披露してくる。

 舞踏会を開く場。円形劇場。円形闘技場。宝物庫。客室。調理場。庭。そして空中庭園。

 ふむふむと相槌を打ちながら、上手な説明に大満足で聞いていたが、物凄く興味ある場所が説明された。


「後は、大浴場も我が王宮の自慢です。種族柄水浴びが好きなので、朝昼夜といつでも入浴できます。
 男、女に分かれてございまして、お湯も効力の違う湯が全部で7浴場ございます。入るだけで肌が綺麗になる為、とくに夜間は並ぶほど人気となっております」


 なぬ!? 聞いたぞ!! これは入らなければ!!凛音はキラキラした瞳で、ダリアに発言する。

 もちろん駄目だと言われるとは思っていない。皆が入れるなら、凛音だって入って構わないだろう。


「ダリア様! 私もその大浴場に入りたいです!!」

「駄目だ」

 イラッ…怒。ダリアよりエティエンヌフューベルの返事が早かった。


「エティエンヌフューベル様には、聞いてません。ダリア様に聞いてます」

「風呂なら各部屋に付いている。風呂は私と入るんだ」

(はぁぁぁ?? いつからお風呂を一緒に入る事になった!?)


「私は、大浴場に入りたいです」

 いつも執念深くすがりついてくるエティエンヌフューベルに、凛音はブリザードをまとっていた。


「分かった。ならば私も一緒に入ろう」

「……エティエンヌフューベル様は男性なので、女湯には入れません」

「何事も例外はある。別に構わないだろう? なぁ、ハーリア」

「は? はい!! もちろん! 妖精王となら、皆が喜ぶと思います。どうぞ、天草様と一緒にお入りください」

 ハーリアは笑顔で、エティエンヌフューベルの案に賛成した。そしてハーリア王の側妃達も大賛成だ。


「キャーキャー、私もご一緒致しますわ!」
「はい、はい!! わたくしも一緒に入ります」
「あぁ素敵ですわ。私もご一緒致します!」

 ハーリアの肯定の後、側妃三人がきゃっきゃっ騒ぎながらエティエンヌフューベルと入浴出来ると喜んでいる。

(ふざけんな!!)だ。

 思っ切り眉間にシワを寄せて、エティエンヌフューベルを睨むと、頬に口づけが降ってくる。

「一緒に入ろう。どんな浴場か楽しみだな」


 どれだけ綺麗だろうが、目がトロントロンになる微笑を浮かべていようが、凛音と違う異世界人の会話であろうが、許せる範囲というのが存在する。


「エティエンヌフューベル様が? 女湯で? 私と、一緒に、入る?」

「あぁ。まわりは気にしない。いいだろう?」

 ブチッ!!!久しぶりにキレた。


「気にするわぁぁぁぁぁー!!! エティエンヌフューベル様の頭の中が嫌い、大嫌いです、憎いくらい嫌いです」

「り、凛音?」

 驚きながら傷つくというエティエンヌフューベルに、畳み掛けるように凛音は常識をぶつけた。


「エティエンヌフューベル様、私と入りたいと。ならば私が男湯に入ります。それならいいです。
 ハーリア王、一緒に入りましょう!!」

「冗談は聞きたくない」

「冗談? 本気ですけど?」

「凛音の裸体を、私ではない男が見るのか? 許せる訳ないだろう!」


 想像だけであるのに、まだ想像だけで。

 晩餐会の間は、エティエンヌフューベルの身体から吹き上がる紫炎の熱風で、温度が急上昇していく。


「だ、か、ら、私も、一緒!! 
 なんで私以外の女に、エティエンヌフューベル様の綺麗な裸体を見せなくちゃならんのですか!? 
 いやなもんは、イヤ!!」


 凛音の台詞は、エティエンヌフューベルの胸を熱くさせ、喜びで満たしていく。凛音からの嫉妬は、想像以上に嬉しかった。


「しかし、離れるのは…辛い」

「じゃあ、男湯で」

 入らない選択をしない凛音(風呂好き日本人だから仕方ない)に、エティエンヌフューベルも譲れないものがある。


「考え直してくれ。私の身体を見られるくらい構わないだろう。嫉妬は嬉しいが、私は凛音以外には興味がないし、視界にも入らない。
 だが凛音は絶対に見るだろう? アユーバラ国には鳥族以外の種族もいる。犬族や猫族の者がいたら、その者が獣人型をとっていたら、絶対に見るだろう?
 狼の種族ならその身に触れようともするはずだ。違うか?」

 切実な顔で、核心をつくエティエンヌフューベル。疑問系で投げかけられた台詞に、凛音は違わないと言えない。言わなかった。

 男の人として、エティエンヌフューベル以外を好きにはならないが、もふもふ天国は超絶気になる。


(うん、絶対に、ガン見するな。むしろ股間あたりも気になる。
 犬族は犬系?猫族は猫系?
 妖精族の…エティエンヌフューベル様の股間のブツはビッグサイズだったけど、普通に人間使用だった…よね…。うーん、気に…なるなー。見てみたいなぁー)


『気になりません』を言わない凛音に、エティエンヌフューベルの不機嫌はさらに増していき、熱くなる部屋はアユーバラ国の皆々様をさらに恐怖に落とし入れていく。

 獣型がない妖精族には、凛音の好きを叶えてやれない。


「…凛音が浮気したなら、私は死ぬだろうよ。自らの紫炎で己の肉体を焼き、この世に残った私の魔力は憎悪の塊。
 魔力だけが暴走し、大陸を炎の海にする未来を凛音は見たいのか?」

 サアァァァー。熱風が吹き上がっているのに、身体が寒い。

 お風呂に入る?入らない?という軽い話をしていたはずが、またしてもエティエンヌフューベルが殺人鬼になる未来話。


「ちょ、ちょっと何の話ですか!? 私の理想そのままを体現しているエティエンヌフューベル様がいて、浮気なんて絶対にしませんよ!!」

 食事を中断し、隣に座るエティエンヌフューベルの腕を掴みながら力説する。


「…浮気はしないが、気になるのか?」

「だから、もうぉー。分かりました! 分かりましたよ! 大浴場は諦めますっ!!」


 話を強制終了した凛音。皆々様も食事を再開していく。

 自由があるようでない世界。この世界に不満はないが、思い通りにならないと決まって家族を思い出す。

 父や母、喧嘩もいっぱいしたが仲の良い妹。中学からの幼馴染、高校からの友人。仕事仲間達。どんどん頭に浮かび上がり、食べていたシチューの皿に涙が溢れ落ちる。

 涙がバレたくなく、深く下を向けばさらに涙がシチューに入る。

 涙を誤魔化していると突然、腕が掴まれた。掴まれた腕に気を取られていたら、あっという間に身体ごとエティエンヌフューベルに抱きしめられていた。

 凛音は、またエティエンヌフューベルの膝の上に鎮座している。


「泣くな、私が悪かった。私が悪いな。心が狭くてすまない」

 抱きしめながら凛音の目尻に唇を当てて話すエティエンヌフューベルの声は、大変柔らかくて耳ご馳走が良い。


「…泣いて…ないです」

「分かった。女の大浴場に行っていい。中には入らないが、扉の前で私は待とう」


 パァァァ!!! 気分上昇

(女の涙を武器にする奴が死ぬほど嫌いだったのに、涙を武器で使ってしまった。武器、ヤバイ)



「エティエンヌフューベル様!! ありがとうございます!!」

「はぁ、離したくない…」


 エティエンヌフューベルの本音は聞こえない風を装う。


 ウキウキらんらんの凛音だが、凛音とそしてエティエンヌフューベルには、もうすぐ過酷な試練が待っていた。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。

梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。 あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。 その時までは。 どうか、幸せになってね。 愛しい人。 さようなら。

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!

ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、 1年以内に妊娠そして出産。 跡継ぎを産んで女主人以上の 役割を果たしていたし、 円満だと思っていた。 夫の本音を聞くまでは。 そして息子が他人に思えた。 いてもいなくてもいい存在?萎んだ花? 分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。 * 作り話です * 完結保証付き * 暇つぶしにどうぞ

公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-

猫まんじゅう
恋愛
 そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。  無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。  筈だったのです······が? ◆◇◆  「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」  拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?  「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」  溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない? ◆◇◆ 安心保障のR15設定。 描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。 ゆるゆる設定のコメディ要素あり。 つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。 ※妊娠に関する内容を含みます。 【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】 こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)

王子妃だった記憶はもう消えました。

cyaru
恋愛
記憶を失った第二王子妃シルヴェーヌ。シルヴェーヌに寄り添う騎士クロヴィス。 元々は王太子であるセレスタンの婚約者だったにも関わらず、嫁いだのは第二王子ディオンの元だった。 実家の公爵家にも疎まれ、夫となった第二王子ディオンには愛する人がいる。 記憶が戻っても自分に居場所はあるのだろうかと悩むシルヴェーヌだった。 記憶を取り戻そうと動き始めたシルヴェーヌを支えるものと、邪魔するものが居る。 記憶が戻った時、それは、それまでの日常が崩れる時だった。 ★1話目の文末に時間的流れの追記をしました(7月26日) ●ゆっくりめの更新です(ちょっと本業とダブルヘッダーなので) ●ルビ多め。鬱陶しく感じる方もいるかも知れませんがご了承ください。  敢えて常用漢字などの読み方を変えている部分もあります。 ●作中の通貨単位はケラ。1ケラ=1円くらいの感じです。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界の創作話です。時代設定、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

亡くなった王太子妃

沙耶
恋愛
王妃の茶会で毒を盛られてしまった王太子妃。 侍女の証言、王太子妃の親友、溺愛していた妹。 王太子妃を愛していた王太子が、全てを気付いた時にはもう遅かった。 なぜなら彼女は死んでしまったのだから。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

処理中です...