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始まっていく
55 彼の興味
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「だからぁ。目が金色でキラキラして見えるの。そういうのよ!」
ミラーテの説明を彼はニヤニヤしながら聞いていた。
『あの断罪劇の時に噂を流したり、セバスティンを転移させる魔道具を作ってもらったんだ。今回も彼なら作れると思う。』
そう言ったモリナロルに、ミラーテは目を輝かせた。
「素敵♡ 素敵♡」
手を打ちつけたミラーテは、直接頼みたいわ♡と、ねだった。
目には狡猾さが隠れていない。
相手が利用出来る男なら、咥え込みたいと言うのが透けて見えた。
そしてその話をした時、彼は自分も興味があるんだと笑った。
今や別邸はミラーテが女王様だ。
そして現れた彼を見て、ミラーテは侮蔑を隠さなかった。
彼は子供に見える男だ。
ミラーテにとっての男の基準は簡単だ。
自分に奉仕する男か、それ以外か。
旨みがある男か、それ以外か。
そして、ベットで楽しめる男か。
ハラハラするモリナロルを無視して二人が喋っていく。
ミラーテの説明を返しながら、彼はチラチラと天井を見上げる。
やがてオッケー!と笑ってミラーテの話を遮った。
「うん♡ あんたがプンプン臭うほど腐ってるのがよくわかったよ♡」
なっ‼︎
驚くミラーテにぐいぐいいく。
「あぁ、そういうの大好物だから安心して。
直ぐに作りはじめるからねぇ。」
大丈夫。
産み落とした途端、埋め込んだげる。
その場の医師たちを昏倒させて、意識を混濁させちゃえばいいよね。
もう、金色の眼でキラキラの可愛い男の子にしちゃえばいいんだよね。
「そんな事より教えてよ。
今、すんごく興味あるのは孕んで産む事なんだ。」
つるりとした笑顔のまま、彼はミラーテに迫る。
ねぇ、腹の中に別な生き物がいるってどんな感じ?
ソレが自分の意思と関係無く動くって、どんな感じ?
前にも一回産んでんだよね?
ねぇ、産むってどぉ?
摂取した食物の栄養素を吸収して、残ったものを一気に排出するじゃん。
その糞を排出するのと、やっぱり違う物なの?
どのくらい違うの?
痛いの?
産声を聞いた時、どんな気がした?
ねぇ、セックスの快楽って、何も考えられなくなるって本当?
愛って本当にあると思う?
あんたが一番大事な物って何?
捲し立てるような質問に、ミラーテの顔は赤くなり青くなり、さまざまに変化した。
やがて、彼はふうっ。
と、ため息を吐く。
「ああ、わからないなぁ」
この世にわからないものが残ってて、愉しくて仕方がないという笑いだ。
生きるのに飽きていた。
人間は昔から強欲で単純で嫉妬深い。
でも新しい愉しみを見つけたのだ。
食わず嫌いだったそっちに、新しい愉しみが沢山ある!
その発見に彼は笑いが止まらなかった。
ミラーテはその笑いを胡乱な眼で睨みつけていた。
モリナロルは、黒い予感を含んだ笑いに、きゅっと気が引き締められる思いがした。
ミラーテの説明を彼はニヤニヤしながら聞いていた。
『あの断罪劇の時に噂を流したり、セバスティンを転移させる魔道具を作ってもらったんだ。今回も彼なら作れると思う。』
そう言ったモリナロルに、ミラーテは目を輝かせた。
「素敵♡ 素敵♡」
手を打ちつけたミラーテは、直接頼みたいわ♡と、ねだった。
目には狡猾さが隠れていない。
相手が利用出来る男なら、咥え込みたいと言うのが透けて見えた。
そしてその話をした時、彼は自分も興味があるんだと笑った。
今や別邸はミラーテが女王様だ。
そして現れた彼を見て、ミラーテは侮蔑を隠さなかった。
彼は子供に見える男だ。
ミラーテにとっての男の基準は簡単だ。
自分に奉仕する男か、それ以外か。
旨みがある男か、それ以外か。
そして、ベットで楽しめる男か。
ハラハラするモリナロルを無視して二人が喋っていく。
ミラーテの説明を返しながら、彼はチラチラと天井を見上げる。
やがてオッケー!と笑ってミラーテの話を遮った。
「うん♡ あんたがプンプン臭うほど腐ってるのがよくわかったよ♡」
なっ‼︎
驚くミラーテにぐいぐいいく。
「あぁ、そういうの大好物だから安心して。
直ぐに作りはじめるからねぇ。」
大丈夫。
産み落とした途端、埋め込んだげる。
その場の医師たちを昏倒させて、意識を混濁させちゃえばいいよね。
もう、金色の眼でキラキラの可愛い男の子にしちゃえばいいんだよね。
「そんな事より教えてよ。
今、すんごく興味あるのは孕んで産む事なんだ。」
つるりとした笑顔のまま、彼はミラーテに迫る。
ねぇ、腹の中に別な生き物がいるってどんな感じ?
ソレが自分の意思と関係無く動くって、どんな感じ?
前にも一回産んでんだよね?
ねぇ、産むってどぉ?
摂取した食物の栄養素を吸収して、残ったものを一気に排出するじゃん。
その糞を排出するのと、やっぱり違う物なの?
どのくらい違うの?
痛いの?
産声を聞いた時、どんな気がした?
ねぇ、セックスの快楽って、何も考えられなくなるって本当?
愛って本当にあると思う?
あんたが一番大事な物って何?
捲し立てるような質問に、ミラーテの顔は赤くなり青くなり、さまざまに変化した。
やがて、彼はふうっ。
と、ため息を吐く。
「ああ、わからないなぁ」
この世にわからないものが残ってて、愉しくて仕方がないという笑いだ。
生きるのに飽きていた。
人間は昔から強欲で単純で嫉妬深い。
でも新しい愉しみを見つけたのだ。
食わず嫌いだったそっちに、新しい愉しみが沢山ある!
その発見に彼は笑いが止まらなかった。
ミラーテはその笑いを胡乱な眼で睨みつけていた。
モリナロルは、黒い予感を含んだ笑いに、きゅっと気が引き締められる思いがした。
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