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その後

49 ミラーテ③

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私は王宮を出た所で屋敷を貰った。
貴族街の端っこで、すんごく大きい。
ばーんと石の塀に取り囲まれて、入り口には兵士の駐在する検問所もあって、結界魔法がドームのように張り巡らされて、すんごいゴージャス♡
それをポンと貰って、ラッキー♡と思った。
さらに、もう仕事はしなくていいですから。
と、やんわり言われて、良し!って思った。

専用の馬車もあるし、ドレスメーカー達を呼び付ける部屋もあるし。
庭は私にぴったりな薔薇の洪水。

薄汚い平民街は遠いし。
好き勝手していいって事ね!
と、思ったのは最初のうち。

はっきり言って軟禁って奴だった。


この屋敷は知る人ぞ知る王族の別邸だった。
使用人は一族、代々ここにいる。
そうなの、代々、に仕えてる。

もう、なんかDNAに王族への服従とか、隷属とか組み込まれてるっぽい。

だから外では生きていけない、王族の闇部分だよ。
きっと王が死ねって言ったらすぐ自分で喉を掻き切るんだろうね。
怖いね。ってモリナロルが言った。


本当に人間?
自動人形じゃなく?
って感じで言葉が通じない。
身支度は流石王族の隠し玉って感じでセンスもテクニックも申し分無いけれど、ピクリとも笑わない。
いや口元は笑ってるけど目は凍ったまま。

いやん。
きゃっきゃできる侍女が欲しい!
と、ごねたのは始めのうち。
そのうち腹の探り合いの為におとなしくした。



だってね、家令のジジイが使用人を引き連れて、朝イチの仕事は浄化なのよ。


ムカつく!

馬鹿にしやがって‼︎


つまり、浄化で中の精子を消すのが朝の始まりって事なのよ‼︎
誰かの種が入っても、着床前からに消しましょうって事なのよ!

これ、ジンケンシンガイじゃないのっ‼︎

暴れて抵抗したけれど、使用人達は人形みたいに淡々と拘束して、淡々と浄化する。

唯一ソレが無いのは、ロットワイナとセックスした後。
着床するように様子を見ている。




ムカつく!


私はモルモットじゃ無いのよ!

モリナロルに噛み付いたら、肩をすくめられた。
しょうがないよ。
ザラドで学習しちゃったからね。って。

~~そう言われたら、まぁ、ぐうの音も出ない。
そうね、
こんな屈辱、ザラドのせいね。

癪に触るから、庭師から護衛兵までベッドに引き摺り込んでやった。



わかってる。
王族には金の目が必要。
こんな生活から一発逆転するには、金の目の子供がいる。
ソレを産むしかないってことよね。


美味しいものを食べて。
素敵なドレスを着て。
マッチョなイケメンを侍らせる。
でも、パッとしない。
こんな所じゃ、誰も私を褒め称えないし崇拝してくれないじゃ無いの。
こんなつまんない生活なんて飽き飽きよ。

この私がこんな所でしょぼくれるなんて無いわぁ。



で、モリナロルにおねだりした。

この屋敷の使用人は、お金も地位も脅しも効かないんですって。
私の色仕掛けにもピクリともしないしね。

ずっと昔から王族の為に生きてきた、すんごく気持ちの悪い人達なのよね。

ああ、自動人形なら初期化できるのに。
ってモリナロルが嘆いていた。

一発逆転を狙ってもう、10年以上…。

私はおとなしくいい子にしながら、チャンスを伺っていた。

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