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64 夜の二人

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アドルは大きく立てて開かれた脚の間にいた。
焦ったい愛撫で、敷布の上でジュノが乱れている。
慎ましく閉じていた孔は指を三本も受け入れて、内で蠢いて飲み込んでいく。
その指に自分の陰茎を被らせて、ぐいぐいと押すように入れ込んで行った。

そろそろ限界だ。
早くしないと自分のものが爆発的してしまいそうだ。
硬く勃起した物が、下腹をびんびん叩いて苦しい。
この中はどんなに柔らかくて熱いんだろう。


時間を開けて解したそこは、
紅くうねって誘っている。
早くしないと閉じてしまうよ。
眠ってしまうよ。
と、急いているようだ。

指を引き抜くと、ひうっ!と体が揺れた。

ジュノの膝裏を持ち上げて、自分の物をあてがう。
ぬるりとして柔らかで固い物が、開かれた蕾に触れる。
尻に添えられた手。
アドルが腰を揺する度に、触れる陰毛が肌にぞくぞくする。


「……て、入れ、て…」

ねだるように腰を揺すると、ぐいっと大きな痛みが走った。

侵入してくる。
アドルの熱が押し込まれてくる。

かはっ。
と、喉の億から息が押し出された。
ぐいぐいと体の内部から押し上げてくる。
内蔵が潰されそうだ。
痛みと異物感が、いままでのふわふわした快感を消し去った。

尻を掴む手に入れ力がこもり、膝にアドルの肩がぐっと当たった。

「ひうっ」と、息が漏れる。

アドルの先端を咥えていた入り口が引き伸ばされるのと同時に、いきなり一気に奥まで押し込まれた。



痛いというより熱かった。


はじめて侵入を受け入れた隘路全体で締め付けられて、ぎりぎりと搾り取られていく。
アドルはその痛みの中でぐいぐいと腰を押し付けながら、少しでもジュノが楽になるように唇を舐め上げた。


アドルの物が全て中に収まると、ジュノの荒い息が少し落ち着いていく。

「……お腹の中が、一杯になってる…」

どくんどくんと熱く脈動している。
痛いけれど抜いて欲しくない。

異物感はあるけれど。
アドルが自分の中にいる。
アドルと繋がっている。

先程までの痛みのせいです、目尻には涙が浮かんでいた。
それも、じきに乾くだろう。
~~それとももっと泣いちゃうんだろうか。


ぐっと腰を突き出す様に、アドルが密着している。
下半身にぴったりと重なる人の温もりは、二人が繋がっているのを教えてくれる。


「動いていいか?」

「~うん。」

アドルの腰が、そろりと後ろに下がり、それから奥を突く。
最初はゆっくりだった動きは、お互いの快感を掬い上げながら速度を増していく。

抜いて。
入れて。
突いて。
引いて。

前立腺の裏を、蠢く腸壁を。
擦られるたびに快感が全身を蕩けされていく。

「あっ、あっ。ん…」

激しさを増す腰の動き。
逃がさないように脚を掴む。
アドルの背に爪をたてながら。
ジュノは敷布の海に溺れていった。
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