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⒐大丈夫…ですかね?
しおりを挟む「初めまして。モナ・リデイザと申します」
「初めまして。ルダノーナ・カミラーネと申します」
何となく雰囲気が怖かったので、縮こまった挨拶になりました。でも、以前面会したお二方も大丈夫でしたし、今回も何とかなるでしょう。
「初めまして。ロゼ・メーランドと申します」
今回はメーランド様もいて下さいますから、心強いです。
「それで、本日はどうなされたのでしょうか?」
「リデイザ様がお付き合いされているメデラウス様の事です。私と婚約をしているのですが、リデイザ様含め4人の方と交際をしておられます。そこで、婚約破棄をしたいと考えているのですが、よろしいでしょうか?」
私がこう言うと、リデイザ様は少し考える素振りをして、それから私の目を見てきっぱりと断言しました。
「嫌ですわ」
「……えっ?」
「ですから、嫌ですわ」
今回も大丈夫だろうとタカをくくっていた私にとって、その発言はすごく衝撃的なものでした。
「えっと…り、理由をお聞かせいただいても?」
「理由なんて1つしかありませんわ。メデラウス様が悲しむでしょう?」
「た、確かにそうかもしれませんが、それ以前に私たちも傷つきましたし、それに、このまま結婚しても良い関係は築けないのではないかと思いまして…」
びっくりしすぎてしどろもどろになります。
「リデイザ様、もしこのままルダノーナ様が結婚したらあなたは2番目の女になりますのよ?それでよろしいの?」
見かねたメーランド様が助け舟を出してくれました。「私がいた方が楽」っていうのは、こういう事だったんですね。
「それでもあの方が幸せならそれでよろしくてよ。あなたはそう思わないの?」
「私はそうは思いませんわ。もっと自分を大切にしてくれる方とお付き合いしたいと思いますから」
「それならせめて、あの方が傷つかないように婚約解消にしたらどうかしら?」
「いや、それでは困るんです!その…私たちが受けた侮辱を返さなければなりませんから!」
まさか婚約破棄したいだけだなんて言えるはずがありません。なので、それっぽい言葉を考えて口に出しました。
「そうですか…では、せめて私からも確認させていただけませんか?メデラウス様がどう思っているのか」
「…分かりました」
リデイザ様は帰っていきました。本当は今ここで認めて欲しいですが、それではリデイザ様の気が済まないでしょうから、何とか納得してもらうしかありません。でも、私ができることはないので、どうしたものかと悩んでいると、メーランド様が私に声をかけました。
「心配しなくても大丈夫ですよ。何もしなくても上手く行きます」
はて?
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