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12:もしかして...僕達.....!(※入れ替わってません)
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崖から落ちた時、4番目の前世のことがふと頭に過ぎった。ホテルマンの前世、いわゆる前前前世だ。...こんな時に何を言っているんだろう僕。
4番目の前世は、女子高生だった。
特別美人なわけでも、勉強ができるわけでも、運動ができるわけでもない。僕が言うのもなんだが、性格も良いわけではない。
毎日何時間もスマホをいじって、それが終わったかと思うと今度は前髪をいじって、自撮りしていた。何がそんなに楽しいのだろうか...と言ったら、世間の女子高生にタコ殴りにされるからやめておこう。
ある時、女子高生はスマホを窓から捨て、そして自分の身も窓から捨てた。
いじめだった。手のひらの大きさの画面の文字の羅列で、彼女はそこまで追い詰められていた。その女子高生は特に悪いことはしていないのに、いつの間にか。
誰も救ってくれなかった。誰も止めてくれなかった。誰も''彼女''を見ていなかった。
彼女もまた、何も見ていなかった。何にも期待していなかった。
もし、誰かが彼女を見つめられたなら。
もし、彼女が誰かを信じられていたなら。
あの時、一瞬踏みとどまったのは、本当は誰かに...。
「僕は...助けるよ...!」
左腕に無理やり力を入れ、木の枝を掴む。
最後の一歩だ。僕は脂汗を拭い、立ち上がった。腰がズキズキ痛む。
頭も痛いし目眩もするし吐き気もするし、腰も痛いし肩も凝ってるし、仕舞いには腕の骨も多分折れてるし。
おじいさんもホテルマンも女子高生も、きっと誰かを助けて、助けられて、信じたいと願っている。
おかしな話だ。前世に奮い立たされるなんて。
よかったな僕。なんだか凄く...凄いことをしている気がするよ。来世の僕、凄いだろ?こんなボロボロになりながら人を助けるなんて、もはや2次元の出来事だろう?
現実逃避をしながら、山を降りる。
「NO....」
僕は天を仰いだ。
「脳?」
海斗くんが呟いた。
「I GOT LOST...」
目に雨粒が入ってきたので、再び下をむく。
「目の神様?」
違うんだ海斗くん。
道に迷ったんだ海斗くん。
どうしよう海斗くん。
でも君に聞いてもしょうがないよね海斗くん。
「...どうしよう海斗くん。」
4番目の前世は、女子高生だった。
特別美人なわけでも、勉強ができるわけでも、運動ができるわけでもない。僕が言うのもなんだが、性格も良いわけではない。
毎日何時間もスマホをいじって、それが終わったかと思うと今度は前髪をいじって、自撮りしていた。何がそんなに楽しいのだろうか...と言ったら、世間の女子高生にタコ殴りにされるからやめておこう。
ある時、女子高生はスマホを窓から捨て、そして自分の身も窓から捨てた。
いじめだった。手のひらの大きさの画面の文字の羅列で、彼女はそこまで追い詰められていた。その女子高生は特に悪いことはしていないのに、いつの間にか。
誰も救ってくれなかった。誰も止めてくれなかった。誰も''彼女''を見ていなかった。
彼女もまた、何も見ていなかった。何にも期待していなかった。
もし、誰かが彼女を見つめられたなら。
もし、彼女が誰かを信じられていたなら。
あの時、一瞬踏みとどまったのは、本当は誰かに...。
「僕は...助けるよ...!」
左腕に無理やり力を入れ、木の枝を掴む。
最後の一歩だ。僕は脂汗を拭い、立ち上がった。腰がズキズキ痛む。
頭も痛いし目眩もするし吐き気もするし、腰も痛いし肩も凝ってるし、仕舞いには腕の骨も多分折れてるし。
おじいさんもホテルマンも女子高生も、きっと誰かを助けて、助けられて、信じたいと願っている。
おかしな話だ。前世に奮い立たされるなんて。
よかったな僕。なんだか凄く...凄いことをしている気がするよ。来世の僕、凄いだろ?こんなボロボロになりながら人を助けるなんて、もはや2次元の出来事だろう?
現実逃避をしながら、山を降りる。
「NO....」
僕は天を仰いだ。
「脳?」
海斗くんが呟いた。
「I GOT LOST...」
目に雨粒が入ってきたので、再び下をむく。
「目の神様?」
違うんだ海斗くん。
道に迷ったんだ海斗くん。
どうしよう海斗くん。
でも君に聞いてもしょうがないよね海斗くん。
「...どうしよう海斗くん。」
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