上 下
36 / 38
04 女体化したら溺愛されるってどうよ...どうですの?

2人きりになれる場所は

しおりを挟む
03

 モンターニュ公爵邸を抜け出したニコラとシャルルは、学園の保健室に忍び込んでいた。
 「よもや、トイレの窓から侵入できるとはねえ…」
 「生徒たちの間ではけっこう有名だよ。まあ、他に邪魔が入らないところも思いつかないし、我慢してよ」
 休日の学園に無断侵入することにやましさを感じるシャルルに対して、ニコラはあっけらかんとしていた。
 1階にある女子トイレの窓の1つが壊れていて、外から容易に人間が侵入できるようになっている。
 首尾良く入り込んだら、事務室から非常用の合い鍵を借用して保健室に入り込むだけだ。
 もちろん、見つかれば怒られる。
 だが、ニコラはどうしてもシャルルと2人きりになりたかったのだ。
 (緊張する…。でも…ちゃんと伝えなきゃ…)
 シャルルと並んで保健室のベッドに腰掛けたニコラは、何度も深呼吸する。
 人間、明日はどうなっているかわからない。
 気持ちを伝えるなら早いほうがいい。
 シャルルとユリアンナの縁談がほとんど問答無用で進められているのを見て、心からそう思った。
 「シャルル、私、シャルルのことが好きだよ。世界の誰よりも」
 「ああ、僕もニコラのことが好きだ。愛している」
 驚くほど自然に、2人は気持ちを伝え合うことができていた。
 こんな簡単なことを実行するまでに、ずいぶんかかってしまった。回り道もした。
 だが、それゆえに人生は面白いとも思えた。
 「ねえ…シャルル…。私を抱いて…。私をシャルルのものにして…?」
 「ニコラ…いいのかい?」
 「うん…シャルルが私以外のものにならないように…」
 「わかった。嬉しいよ。キスするよ?」
 シャルルの言葉に応じて、ニコラは目を閉じる。
 (恥ずかしくて怖いけど…でも幸せで嬉しい…)
 それが偽らざる気持ちだった。
 シャルルは優しくておくてだ。自分から抱いて欲しいと求めなければいつまでも進展することはないだろう。
 はしたない行為ではない。シャルルのものになりたければこうするのが一番なのだ。
 「んん…」
 「ちゅ…」
 柔らかい唇が軽く触れてくる。
 次第に唇同士の触れ合いは深くなる。
 そして、口を開けて舌同士をつつき合わせ絡ませ合う。
 「ニコラ…脱がせてもいいかい…?」
 「うん…私もシャルルを脱がせてあげる…」
 キスを続けながら、シャルルとニコラは互いに服を脱がせ合う。 
 時間をかけて一枚ずつ。
 やがて、2人は生まれたままの姿になる。
 「どうかな…私の裸…」
 「すごくきれいだ…。きれいだよ、ニコラ…」
 ニコラはシャルルに抱きしめられていた。
 (肌と胸板の感触…たくましい…すごく気持ちいい…)
 自分は今、体だけでなく心まで女になった。
 ニコラはなんとなくそう思う。
 このままシャルルに抱かれて、彼のものになる。
 いずれは結婚して子供も産ませて欲しい。
 そう心から思えるのだ。

 「シャルル、お口でしてあげるね?」
 「う…うん…」
 そう言ったニコラは、ベッドに腰掛けたシャルルの前にひざまずく。
 シャルルのものは、すでに荒々しく屹立していた。
 (私の裸に興奮してくれたのかな?嬉しい…)
 「ちゅっ…れろれろ…」
 「ああ…ニコラ…!」
 シャルルのものは熱く、ものすごく固かった。
 それに、濃いオスのにおいがする。
 淫らな衝動に突き動かされるまま、ニコラは亀頭にキスし、舌でちろちろと愛撫し始める。
 「じゅるる…れろれろれろ…。どうかな…シャルル…?」 
 「ああああー…。ニコラ…すごく気持ちいいよ…」
 シャルルが感じているのがわかると、無性に誇らしい気分になる。
 ニコラは先端を浅くくわえ、思いきりバキュームしながら頭を前後させる。
 シャルルのものがまた一回り大きくなり、びくびくと震え始める。
 「ニコラ…だめだ…!気持ち良すぎて…出るよ…出る…!」
 「じゅぷぷぷっ…じゅりゅう…いいよ…出して…。れろれろお…!」
 シャルルのものがニコラの口の中で弾け、大量のドロドロとした白い飛沫を注ぎ込んだ。
 「ああ…すごい量…ドロドロして…においも…」
 「ニコラ…無理しないで…吐き出してもいいから…」
 できればシャルルの出したものを全部呑み込みたかったが、フェラチオ初心者の自分にはまだ難しいらしい。
 ニコラはシャルルの言葉に甘えて、ティッシュを手に取り、口の中に出されたものを吐き出していく。
 (本当にすごい量…)
 ティッシュを何枚も使って、どうにかたれないようにするのが精一杯。
 それほど大量だったのだ。
 「ニコラがあんまり上手だから…我慢できなくてすぐに出ちゃったよ…」
 「ふふ…ありがとう。いつかシャルルにしてあげるために…練習してたから…」
 (嘘は言ってないよね…)
 ニコラは思う。
 寮のゼミで、悪のりした寮生たちが性的なことの学習や練習を行っていた。
 張り型を相手にフェラチオやパイズリの練習をする集まりに、ニコラも参加していたのだ。
 いつかシャルルにしてあげるため、という気持ちはあったはずだった。多分。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

私が美女??美醜逆転世界に転移した私

恋愛
私の名前は如月美夕。 27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。 私は都内で独り暮らし。 風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。 転移した世界は美醜逆転?? こんな地味な丸顔が絶世の美女。 私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。 このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。 ※ゆるゆるな設定です ※ご都合主義 ※感想欄はほとんど公開してます。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

女性の少ない異世界に生まれ変わったら

Azuki
恋愛
高校に登校している途中、道路に飛び出した子供を助ける形でトラックに轢かれてそのまま意識を失った私。 目を覚ますと、私はベッドに寝ていて、目の前にも周りにもイケメン、イケメン、イケメンだらけーーー!? なんと私は幼女に生まれ変わっており、しかもお嬢様だった!! ーーやった〜!勝ち組人生来た〜〜〜!!! そう、心の中で思いっきり歓喜していた私だけど、この世界はとんでもない世界で・・・!? これは、女性が圧倒的に少ない異世界に転生した私が、家族や周りから溺愛されながら様々な問題を解決して、更に溺愛されていく物語。

女の子にされちゃう!?「……男の子やめる?」彼女は優しく撫でた。

広田こお
恋愛
少子解消のため日本は一夫多妻制に。が、若い女性が足りない……。独身男は女性化だ! 待て?僕、結婚相手いないけど、女の子にさせられてしまうの? 「安心して、いい夫なら離婚しないで、あ・げ・る。女の子になるのはイヤでしょ?」 国の決めた結婚相手となんとか結婚して女性化はなんとか免れた。どうなる僕の結婚生活。

[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件

森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。 学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。 そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……

女体化入浴剤

シソ
ファンタジー
康太は大学の帰りにドラッグストアに寄って、女体化入浴剤というものを見つけた。使ってみると最初は変化はなかったが…

処理中です...