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01 女の子は馴れない
節度を持って…?
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03
「ニコラ、お疲れ様。どうだった、初めてのゼミは」
ゼミが終わった後、リズが声をかけてくる。
気さくな人なのだろう。
寮に入ったばかりのニコラを気にかけているらしい。
「その…とてもためになる話でした。たしかに、今は女なんです。
男であった時に比べれば…気をつけること多いなって思いました」
その返答に、リズが妖艶に笑う。
教えるがわにとっては、生徒のためになることは嬉しいらしい。
「素直でよろしい。
保健体育の授業ですでに聞いている話ではあるだろうけど、君たちみたいな女体化したもと男には改めて周知徹底する必要がある。
特に性のことはね」
「そうなんですか?」
「まあなんだ…。女体化したもと男って、ヤリマン多いんだよ」
リズが渋面になって言う。
「ヤリマン…ですか…?」
あからさまな言葉に、ニコラはいぶかしげに問い返す。
「理由はいろいろあるけど…。
第一に、一般論として、貞操観念ていうのは女より男の方が低いだろ?
女の体になったからって、セックスのリスクに対する意識は簡単には切り替わらない。
第二に、女のアクメって、男の射精よりもずっと深くて気持ちいいからな。
セックスが大好きになりがち。
それに加えて、もともと男だっただけに、男がどうすれば喜ぶか心得てる。
だから自然とモテるようになる。
モテれば気分がいいもんだから、股も緩くなりがち。
身もふたもない話だが、それが事実だ」
「な…なるほど…」
リズのあからさまだがわかりやすい説明に、妙に納得した気分になる。
ジュゼッペにきれいだと言われたとき、すごく嬉しい気分になったことを思い出す。
女というのは、おだられてたり自意識をくすぐられたりすることに、ものすごく弱い生き物なのかも知れない。そう思えたくらいだ。
「君も、きれいでいい女だからきっとモテるぞ。
でも、節度は持ってな。
愛さえあればうまく行くのは、漫画や小説の中だけのことだ」
「は…はい。わかりました」
ニコラの心に、リズの言葉は重く響いたのだった。
きちんと女の体と心のことについて学ばなければ、自分はだらしない女になってしまうかもしれない。
ヤリマンに堕した女は、あるいは未来の自分の姿。
そう思えたのだ。
翌朝。
「あれ、シャルル。どうして?」
小雨が降っているにもかかわらず、寮の入口でシャルルが待っていたのだ。
たしかシャルルの家は、校舎を挟んで寮とは反対側のはずだ。
「決まっているじゃないか。君を迎えに来たんだ」
さも当然のように、シャルルは真剣な顔で返答する。
(まじか…?)
ニコラは、シャルルの自分に対する気持ちが本気であるのを何となく察する。
そして困惑する。
ゼミに出席してあらためてわかった。
最近女体化した自分は、恋愛どころか女として生活していく準備さえ、まだできていないのだ。
「今すぐにどうこうとは言わない。
僕がちょっと焦りすぎていたな。
でも、一緒に登校するぐらいは認めてくれないか?」
シャルルの言葉に、ニコラは少し考える。
(まあそれくらいなら…。別にシャルルのことが嫌いなわけではないし…)
考えようによっては、女の子として男との距離感を確かめていくいい機会かも知れない。
まったくシャルルとお付き合いする気がないというわけではないのだ。
「うん、わかったよ。一緒に学園に行こう」
「ああ。じゃあ行こう」
ニコラの返答に、シャルルが嬉しそうな顔になる。
(笑った顔、けっこう素敵だな…)
不覚にもどきりとしてしまう。
シャルルの喜ぶ顔を見ると、自分も嬉しくなってしまうのだ。
(俺ってけっこうチョロい…?シャルルに強引に押されたら拒めないかも…)
ゼミで感銘を受けて節度を持つと誓ったはずなのに、もう気持ちが浮つき気味の自分に、ニコラは内心でため息をついていた。
シャルルが笑った顔だけでこれなのだ。
この先、デートやプレゼントなどで手を変え品を変えで責められたら、ムードに負けて簡単に股を開いてしまうかも知れない。
そんな自分が怖かった。
「ニコラ、お疲れ様。どうだった、初めてのゼミは」
ゼミが終わった後、リズが声をかけてくる。
気さくな人なのだろう。
寮に入ったばかりのニコラを気にかけているらしい。
「その…とてもためになる話でした。たしかに、今は女なんです。
男であった時に比べれば…気をつけること多いなって思いました」
その返答に、リズが妖艶に笑う。
教えるがわにとっては、生徒のためになることは嬉しいらしい。
「素直でよろしい。
保健体育の授業ですでに聞いている話ではあるだろうけど、君たちみたいな女体化したもと男には改めて周知徹底する必要がある。
特に性のことはね」
「そうなんですか?」
「まあなんだ…。女体化したもと男って、ヤリマン多いんだよ」
リズが渋面になって言う。
「ヤリマン…ですか…?」
あからさまな言葉に、ニコラはいぶかしげに問い返す。
「理由はいろいろあるけど…。
第一に、一般論として、貞操観念ていうのは女より男の方が低いだろ?
女の体になったからって、セックスのリスクに対する意識は簡単には切り替わらない。
第二に、女のアクメって、男の射精よりもずっと深くて気持ちいいからな。
セックスが大好きになりがち。
それに加えて、もともと男だっただけに、男がどうすれば喜ぶか心得てる。
だから自然とモテるようになる。
モテれば気分がいいもんだから、股も緩くなりがち。
身もふたもない話だが、それが事実だ」
「な…なるほど…」
リズのあからさまだがわかりやすい説明に、妙に納得した気分になる。
ジュゼッペにきれいだと言われたとき、すごく嬉しい気分になったことを思い出す。
女というのは、おだられてたり自意識をくすぐられたりすることに、ものすごく弱い生き物なのかも知れない。そう思えたくらいだ。
「君も、きれいでいい女だからきっとモテるぞ。
でも、節度は持ってな。
愛さえあればうまく行くのは、漫画や小説の中だけのことだ」
「は…はい。わかりました」
ニコラの心に、リズの言葉は重く響いたのだった。
きちんと女の体と心のことについて学ばなければ、自分はだらしない女になってしまうかもしれない。
ヤリマンに堕した女は、あるいは未来の自分の姿。
そう思えたのだ。
翌朝。
「あれ、シャルル。どうして?」
小雨が降っているにもかかわらず、寮の入口でシャルルが待っていたのだ。
たしかシャルルの家は、校舎を挟んで寮とは反対側のはずだ。
「決まっているじゃないか。君を迎えに来たんだ」
さも当然のように、シャルルは真剣な顔で返答する。
(まじか…?)
ニコラは、シャルルの自分に対する気持ちが本気であるのを何となく察する。
そして困惑する。
ゼミに出席してあらためてわかった。
最近女体化した自分は、恋愛どころか女として生活していく準備さえ、まだできていないのだ。
「今すぐにどうこうとは言わない。
僕がちょっと焦りすぎていたな。
でも、一緒に登校するぐらいは認めてくれないか?」
シャルルの言葉に、ニコラは少し考える。
(まあそれくらいなら…。別にシャルルのことが嫌いなわけではないし…)
考えようによっては、女の子として男との距離感を確かめていくいい機会かも知れない。
まったくシャルルとお付き合いする気がないというわけではないのだ。
「うん、わかったよ。一緒に学園に行こう」
「ああ。じゃあ行こう」
ニコラの返答に、シャルルが嬉しそうな顔になる。
(笑った顔、けっこう素敵だな…)
不覚にもどきりとしてしまう。
シャルルの喜ぶ顔を見ると、自分も嬉しくなってしまうのだ。
(俺ってけっこうチョロい…?シャルルに強引に押されたら拒めないかも…)
ゼミで感銘を受けて節度を持つと誓ったはずなのに、もう気持ちが浮つき気味の自分に、ニコラは内心でため息をついていた。
シャルルが笑った顔だけでこれなのだ。
この先、デートやプレゼントなどで手を変え品を変えで責められたら、ムードに負けて簡単に股を開いてしまうかも知れない。
そんな自分が怖かった。
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