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第四章 クールなノンケ豪商もホモの悦びに目覚めて

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「多少はお料理の心得があります。わたくしの故郷は牧場と畑と山林以外なにもないようなところでした。甘くておしゃれなお菓子など、自分で作るしかありませんでしたの」
(なるほど……貴族のお嬢さんとてもままならぬことはあるか……)
 妙に合点がいった。王国に限らないが、都会と田舎の文化的格差はいかんともしがたい。王都ではその辺で売っているものも、田舎では一から自作しなければならないことはよくある。
「ただとは申し上げません。男妾館の料金相当のお代に加えて、別途報酬をお支払いします。どうかこのエリザベスの頼みをお引き受けください」
 里実にはわかった。エリザベスの真剣な表情の根っこにあるのは夫への愛。夫に美味しい物を食べて欲しいという純粋な思いだ。
(こりゃ断れんなあ……)
 里実に拒絶の余地は最初からなかった。彼女は頼んでいる。夫をホモに堕とし、家の食事では満足できなくした加害者である自分に。これで誠意を見せられないほどクズにはなれない。心からそう思えた。
「承知しました。ただし、教えるからには厳しく行きますよ?いいですね?」
「ありがとうございます!殺す気で仕込んでくださいまし」
 豪商夫人が手を握ってくる。冷たく柔らかかった。
(さてと……。まずは何から教授するか……)
 里実は、エリザベスに教えるカリキュラムを早速考え始めていた。誰かのためにこんなにやる気になったなど、いつ以来だろう。エドワードは幸せだ、と思う。これだけ美人で一途な奥さんがいるのだから。
…………………………………………………………
「里実さん、ご指導ありがとうございました。この間教わったテンプラ、夫が美味しそうに食べてくれましたわ!」
 バーミンガム家の台所、エリザベスが花の咲くような笑顔で言う。
(すごいなあ……。才能があるのに努力家で……)
 エプロンに三角巾姿で教える里実は、頭が下がる気分だった。とにかく苦労を苦労と思わず、知識欲がすごい。今では彼女の料理の腕はそこいらの店の料理人顔負けになっていた。
「エリザベス様は教え甲斐がありますよ。頑張り屋で才能があって、なによりお美しい。教えるのが楽しくて仕方ありません」
 社交辞令でもなんでもなく、素直にそんな言葉が出ていた。
「お上手ですのね……。では……もうひとつの方もご教授よろしくお願いします……♡」
 豪商夫人の美貌が、にわかに妖艶な表情になる。
「お浣腸はしてありますし……。拡張もしていますから……」
 流しに手を突いて尻を突き出し、雑務用のワンピースのスカートをまくる。パンツは履いていなかった。「もうひとつの方」それはアナルセックスの指導だ。
 もう前の方で夫を満足させることはできない。なら、尻の穴を開発して性器に変えてしまえばいい。ポジティブなエリザベスは、排泄の場所でのセックスを教えて欲しいと里実に頼んできたのだ。
「おお……。すごい……。すっかりケツ穴が拡がっていますね……♡」
「はい……。♡エリザベスのケツ穴はどんどんおま×こになっています……。里実さんの手ほどきのおかげですわ……♡」
 ローションを付けた指を紫のすぼまりに挿入する。エリザベスの美貌がうっとりと緩む。前の方は愛蜜でトロリと溢れている。菊の花で感じているのだ。
「では……入れますよ……。無理はしないでくださいね♡」
「はい……。♡エリザベスのケツま×こに里実さんのデカち×ぽをくださいませ……。♡ちゃんと射精させられたら……次は殿方のお尻のかわいがり方をご教授くださいませね?♡」
(役得だけど……。これでよかったのかなあ……)
 すっかり性器になった豪商夫人の排泄の場所に挿入しながら、里実はそんなことを思う。純粋で可憐だったエリザベスが、どんどん変態になっていく。自分の指導によって、倒錯した快楽を教え込まれていく。
 きっとエドワード共々、二度と普通の営みでは満足できない身体になるだろう。自分が変えてしまった。そう考えると怖かった。夫婦揃って調教しておいてなんだが。
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