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四限目 人は見かけによらぬもの
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しおりを挟むイベント最終日は最終日なだけに初日と同じくらいの賑わいを見せた。
ただ、初日と違うところは最終日には撤収作業があるため、イベント終了時間が一時間早かった。
ブースの解体作業は専門の業者がやってくれるわけだが――この時ばかりは男性作業員で溢れ返った――、ブース内で使った道具や景品の残りは、そのブースを担当した人間達で片付けた。
そして、午後五時を回る頃には俺達のやるべき仕事は全て終了し、俺達のブースの責任者である遠藤さんからは
「二人ともお疲れ様。篠宮君は五日間本当に頑張ってくれたし、結月君も飛び入りで手伝ってくれて凄く助かったよ。またイベントをやる時は是非二人を指名させてもらいたいな」
という嬉しい労いの言葉と一緒に、封筒に入ったバイト代を手渡してもらった。
「一応、中を確認してからここにサインしてくれる?」
「はい」
「はぁ~い♡」
今時バイト代を手渡ししてくれるなんて珍しいと思ったが、たった五日間だけの短期アルバイトだし。集められたバイト達はイベント主催会社と縁のある人ばかりのようだから、そういうアナログな感じでもオッケーなのかもしれない。
もらったばかりの給料を早速確認するのも嫌だったが、遠藤さんに「確認して」と言われたら仕方がない。
封筒の中を覗いてみると、交通費込みで五万円も入っていた。
「あれ? ちょっと多く貰い過ぎじゃないですか? 俺の交通費、一日四百円ですよ?」
「それは私からの個人的な報酬。だから、素直に受け取っておいて」
「すみません。ありがとうございます」
俺のバイト代は予定より八千円も多く入っていた。何ていい人なんだ、遠藤さん。
ちなみに、二日間だけアルバイトをしただけの結月も同じで、本来は一万六千円に交通費のところが、二万五千円も貰っていた。
まあ、結月が手伝ってくれたことで、うちのブースは大幅に売り上げがアップして、景品もほとんど余らないくらいだったからな。売り上げに貢献した結月に大入り手当てがついていても、誰も文句は言わないだろう。
「それで、あの……実は俺、霧島にバイト代を届けてあげようと思っているんですけど、それって可能ですか?」
撤収作業を終え、バイト代も貰った後の俺はもう帰るだけだったが、やはり今日もイベント会場に来なかった霧島のことが気になる俺は、一仕事終えてスッキリした顔をしている遠藤さんに向かって、勇気を出してそう言ってみた。
「え? 篠宮君が届けてくれるの?」
俺からの申し出に驚いた顔になる遠藤さん。
「はい。何て言うか……せっかく三日間一緒にバイトを頑張ったのに、急にバイトを辞めた霧島が心配で。霧島には色々と世話にもなったから、一言お礼も言いたいんです」
俺が霧島にバイト代を届けに行きたがる理由は事前に考えていた事だが、全部事実である。俺は霧島のことが心配だし、三日間一緒にバイトを頑張った霧島に、労いの言葉もお礼の言葉も言いたい。
「そっか。確かに、霧島さんって急にバイトを辞めちゃったから心配だよね。いいよ。だったら私と一緒に行こう」
「え?」
まさか、そこで「一緒に行こう」と言われるとは思っていなかったから、俺は少々面食らってしまった。でも、普通に考えたらそうなるのかもしれない。
遠藤さんが俺を疑っているわけではないと思うが、金銭が絡むことだしな。万が一が起こってしまったら、遠藤さんとしても責任問題になってしまうのだろう。
「実は私も霧島さんのことはちょっと気になっててね。仕事が終わったらバイト代を渡す口実で、霧島さんの家にお邪魔しようと思っていたの」
「そうなんですか」
「だってあの子、途中でバイトを辞めちゃうような子には見えなかったし」
「ですよね」
途中でバイトを辞めてしまった霧島に対し、遠藤さんはあまりいい感情を持っていないものかと思っていたが、実際はちゃんと心配していたようである。
つくづくいい人だな。
「僕も一緒に行くぅ~♡」
一方、霧島のことなど一切心配していない結月だが、霧島とは全く面識がない故、自分は除け者にされてしまうと危惧したのか、自ら俺達について来ることを主張。
「もちろん、結月君も一緒に行こうね~」
「わぁ~い♡」
当然、結月が可愛くて仕方がない遠藤さんが、結月からの申し出を断るはずがなかった。
かくして、俺、結月、遠藤さんの三人は、イベント会場を後にして、遠藤さんの運転する車で霧島の自宅に向かったのである。
霧島の自宅はイベント会場から車で十五分ほどの場所にあった。
閑静な住宅街の中の一角で、俺や結月の家の一・五倍くらいの広さがあった。
(なかなか裕福な家の子なのか……)
そう思うと、父親が娘に厳しい理由も納得ができるような気がした。
霧島の家の前に到着したのは午後五時半を少し回ったところだったのだが、家の中はシンと静まり返り、電気も点いていないようだった。
「留守かな?」
二回、三回とインターフォンを押してみたが、家の中からは何の反応も返ってこないことに、遠藤さんは首を傾げてみせた。
この時間なら、父親はまだ仕事から帰って来ていないかもしれないし、両親共働きなのだとしたら、母親も家にいない可能性はある。
(そう言えば、俺は霧島から父親の話は聞いたことがあるが、母親の話は聞いたことがないな……)
俺は霧島に〈外せない用事が入った〉という話は嘘だと思っていたが、もしかしたら、それは本当のことだったのかもしれない。
俺は霧島と父親とのやり取りを見て霧島のことが心配になるあまり、霧島と父親との間に何かあったのでは? と疑ってしまったが、実は霧島と父親との間には何も問題はなく、何か別の――たとえば、〈身内に不幸があった〉みたいな可能性を考えていなかった。
(普通に考えてみれば、その可能性のほうが高かったのかもしれない……)
と、今更ながらに思い直す。
いくら霧島の父親が娘に厳しい父親だったとしても、自分でやらせたバイトを途中で辞めさせるなんておかしい。霧島の父親はイベント主催会社の社員なのだから、自分の都合で娘にアルバイトを辞めさせるなんてありえない話だったのかもしれない。
〈身内に不幸があった〉では気を遣わせると思い、あえて〈外せない用事ができた〉ということにしたのかもしれないよな。
「やっぱり用事ができたのは本当だったのかな。誰も家にいないようじゃ、インターフォンを鳴らすだけ無駄だよね」
「そうみたいですね」
今日、霧島の家を訪ねたら霧島に会える気がしていた俺は、誰もいない霧島宅にがっかりしてしまった。
今日霧島に会えなかったら、俺が次に霧島に会うのは新学期が始まってからになってしまう。それだと、俺は結月の言うように、夏休みの間中、ずっと霧島のことを気にしてしまいそうだよな。
こんな事なら霧島と連絡先を交換しておけば良かった。チャンスはいくらでもあったはずなのに、普段自分から相手の連絡先を聞くことがない俺は、いつもの癖で霧島から俺の連絡先を聞いてきてくれることを待ってしまった。
しかし、誰もいない家の前にいつまでもいたって仕方がない。霧島に会えなかったことは残念だが、俺と遠藤さんは諦めて帰ることにした。
ところが――。
「帰るぞ、結月。結月?」
いざ帰ろうと思ったら結月がいない。
人様の家の前に立っているだけで結月が迷子になるとも思えないのだが、あいつは一体どこに行ったというのだろう。
「結月? おーい、結月ー」
改めて自分の周りを見回してみるが、やはり結月の姿はない。
(あの野郎はまた……)
勝手な行動ばかり取る結月に呆れながら、視線を彷徨わせる範囲を拡げてみると、玄関横にあるガレージの奥の扉が開いているのが見えた。
「……………………」
まさかとは思うが、結月はあそこから霧島宅の敷地内に侵入したのだろうか。住居不法侵入も甚だしいだろ。
「あれ? 結月君は?」
「それが……」
俺達の知らないうちに霧島宅に侵入している可能性が出てきた結月に戸惑っていると、結月の姿が見当たらないことい気が付いた遠藤さんに問われた。
俺が結月の所在について、自分が思うところを伝えようとした時だった。
ガシャーンッ!
何かが割れる大きな音がして、俺と遠藤さんは同時に肩をビクリと震わせて驚いた。
「わー。しまったー。石蹴りしてたらうっかりー」
何事かと思い、俺と遠藤さんが顔を見合わせていると、霧島宅の庭のほうから、これみよがしに棒読みな結月の声が聞こえてきた。
どういうわざとらしい言い訳をしているのだ。石蹴りなんかしていなかっただろ。
嫌な予感がした俺は、申し訳ないと思いながらも開きっ放しになっているガレージ奥の扉から霧島宅の敷地内に入ると、結月がいるであろう庭へ向かってみた。
「こらっ! 結月っ!」
やはり結月は庭にいた。庭にいた結月に声を掛けたはいいが、結月の視線の先には庭に出るガラス扉が広がっていて、その一枚が派手に割れてしまっていることに愕然とした。
「お前ーっ! 何やってんの⁉」
さっきの音の正体はこれか。住居不法侵入だけでなく、器物損壊まで……。短時間のうちに二つの罪を犯しやがって、どういうつもりだ。警察に通報されるぞ。
「どうするんだよっ! これっ!」
「多分、天然水はお風呂場にいると思うよ」
「え?」
「さっき家の周りを一周してみたんだけど、お風呂場らしきところにだけ電気が点いてる。外からは見えないけど」
「そ……そうなのか?」
どういう理由があって、結月がこんな無茶なことをしたのかと思ったら、霧島が家の中にいることを確信したから、俺に霧島と会わせてあげようと思った結果らしい。
だからって、何もガラスを割る必要はないだろう。霧島が風呂場にいるとわかったなら、それを伝えてくれるだけで良かったのに。
「でも、お風呂に入っているわけじゃなさそうなんだよね。水音がしないし。人の気配は感じるんだけど、その人間が動いている様子はないんだよ。もしかしたら、死んでいるのかも」
「え⁉ マジ⁉」
もの凄く不吉な事を言われた。そんな事を言われてしまっては、俺も確認しないわけにいかなくなる。
「ちょっとちょっと、どうしたの? 何があったの? うわっ! ガラス割れてるじゃんっ! 何したのっ⁉」
「説明は後でします! 二人ともここにいてください! 俺、ちょっと中の様子を見てきますからっ!」
俺に続き、遠藤さんも霧島宅の敷地内に入って来てしまったようだが、敷地内だけでなく、割れたガラス扉から家の中に侵入してしまう俺も、立派な住居不法侵入だよな。
でも、結月から霧島が風呂場で死んでいる可能性を仄めかされた俺は、罪の一つや二つは覚悟した。もし、結月の言葉が正しかったのなら、そんな罪は帳消しだ。
結月が派手にガラスを割ったせいで、足元はガラスの破片だらけになってしまっているので、霧島の家には土足で上がらせてもらった。もし、霧島が風呂に入っているだけだったとしたら、土下座して謝ろう。
その場合、俺は霧島の風呂を覗いた罪にも問われるだろうし、その罪が一番重い気もするが。
初めて入る人の家だから、当然どこに何があるのかなんてわからない。それでも、目に付く扉を片っ端から開けていけば、そのうち風呂場には辿り着く。
家の中は電気が点いていなかったが、まだ日が落ちていない今の時間なら、電気が点いていなくても室内は充分に明るかった。
やがて風呂場に辿り着いた俺は、結月の言った通り、そこだけ電気が点いている浴室のドアを、恐る恐るといった感じでゆっくりと開き――。
「霧島っ!」
霧島の姿を見つけた。
手首に手錠を嵌められ、水道の本体と繋がれている。服装は男物のYシャツ一枚といったあられもない姿で、ぐったりとして浴室に横たわっていた。
「これは一体……」
まさか本当に死んでいるのか? とゾッとしたが、霧島の唇からは微かな呼吸音が漏れているから、息があることは確認できた。
ただ、意識はないようである。
霧島の家に入った時から思っていたが、空調の効いていない家の中は暑かった。むわっとした熱気が籠り、すぐにでもクーラーを入れたくなるくらいだった。
霧島が監禁されているこの浴室も然り。換気扇は回っているようだが、浴室全体には熱気が充満している。
霧島がいつからこの状態なのかは知らないが、朝からこの状態なのだとしたら、熱中症や脱水症状になっていてもおかしくない。
「遠藤さんっ! ちょっと来てくださいっ!」
こんな時はどうするべきなのかがわからない俺は、とにかく大声で家の外にいる遠藤さんを呼んだ。
どうしていいのかわからないうえ、霧島を助けるにしても一人ではどうにもできない。男物のYシャツの下は何も着ていなさそうな霧島を助けるには、女性である遠藤さんの力も必要だ。
俺の声にただならぬものを感じたのか、遠藤さんはすぐに来てくれた。俺と同じく土足だったし、一緒に結月も連れている。
俺の声を頼りに風呂場に直行した遠藤さんは、浴室の状況を一目見ただけですぐに「ヤバい!」と思ったのか
「救急車……救急車呼ぶねっ!」
慌ててズボンのポケットからスマホを取り出していた。
「結月。どこかにペンチがないか探してきてくれないか? 霧島の拘束を解いてやりたいんだけど」
霧島の右手に嵌められている手錠は鍵がないと外してやれそうにもない。でも、手錠から伸びる鎖の部分なら、ペンチがあれば切ってあげられそうだ。
しかし
「鍵なら僕が開けてあげるから。ちょっと退いて」
結月はそう言うと、どこから持って来たのか棒状に伸ばしたクリップ一本で、あっという間に手錠を外してしまった。
結月にはピッキングのスキルまであったのか。だったら、ガラスを割るという野蛮な方法ではなく、今と同じ手口で玄関の扉の鍵を解除して欲しかった。
「今救急車呼んだよ。すぐ来るって」
「そうですか」
「一体どういう事なの?」
「わかりません。霧島はここに監禁されていたみたいですが」
「誰が監禁するっていうの? まさか、強盗にでも入られたのかしら」
「それもわかりません。でも、遠藤さん。一つお願いがあるんですけど」
「何?」
「霧島にちゃんとした服を着せてやってくれませんか? 救急車が来る前に」
意識のない霧島の姿に動揺していた遠藤さんは、俺がそう言って初めて霧島の姿をちゃんと見た。
俺もちゃんと見ていない――というか、なるべく見ないようにしている霧島は、やはりYシャツの下には何も着ていないようで、その事に遠藤さんは言葉を失っていた。
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