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Season 2
酒は飲んでも呑まれるな(3)
しおりを挟む「んん……」
どれくらい意識が飛んでいたのかはわからないけど、次に俺が意識を取り戻した時、俺は相変わらずベッドの上にうつ伏せになり、膝を立てた状態だった。
まだ身体はふわふわしているし、動くのも億劫なくらいに力が入らないけど、意識は少しハッキリしていた。
目が覚めてすぐ、身体に違和感を覚えた。そして、その違和感の正体が、俺の中を掻き回す湊の指だと気付いた俺は
「やっ……んんっ! 何やってんだっ……抜けよぉっ!」
泣きそうな顔になって湊を振り返った。
「あ。気が付いた? 陽平が気を失ってる間に中解してたんだ。ほら、もう俺の指が三本も挿入ってるよ」
お尻の周りがなんかぬるぬるしてて気持ち悪い。何か塗った? ローションか何か塗った? ぬるぬるが気持ち悪い。
「わかる? ココ、前立腺だよ。どう? ここ擦られるの」
「んんっ……やめっ……ろぉ……」
湊の指が俺の中から前立腺と呼ばれる場所をコリコリ擦ってくると、どうしてもくぐもった声が出てしまう。
無理無理無理。湊に中弄られてるとか、ほんと無理だからっ。
「結構解れたと思うんだけど……挿れていい?」
「ダっ……ダメっ! ダメに決まってんだろっ! 正気かっ⁈」
何が、挿れていい? だ。いいわけないだろ。
「ダメって言われても挿れるけどね」
聞いてきておいて、俺の言うことなんて更々聞く気はないようだ。湊は俺の中から指を引き抜くと、代わりに熱く昂ぶった自分を、俺の入り口に押し付けてきた。
「ま……待て……待てってば……んぁあっ!」
グッと入り口が押し広げられる感覚がして、俺の中に湊がゆっくり挿入ってきた。
嘘だろ……ほんとに挿れやがった。俺、湊に挿れられてるんだけど……。
「キっツ……ちょっと早かったかな?」
「抜け……抜けってば……湊ぉ……」
「それは無理。俺も余裕ない」
キツいと言いながらも、どんどん俺の中を突き進んでくる湊に、俺の身体がガクガクと震えた。痛みはあまり感じなかったけど、俺の中を突き進んでくる湊が物凄い異物感だ。
「っ……締め付け凄いんだけど……気持ちいい……」
「馬鹿馬鹿っ……俺は全然気持ち良くないっ……」
湊は気持ちいいって言うけど、俺はただただ苦しい。湊に挿れられてることもショックだし、全く気持ちいいなんて思えない。
「夢みたいだ。俺、今陽平とセックスしてるんだよ?」
「セックスじゃない……こんなの……強姦だろっ……」
「かもね。でも、陽平が煽ってきたんだからね」
「俺……そんなことしてないぃ……」
身体が強張る俺を宥めるように、湊は俺の背中に何度もキスしてくるけど、そんなもので俺の身体は解れなかった。望んでもいないのにこんな状況になっていることが悲しいし、悔しくて泣きそうだ。
「全部挿入ったよ。案外挿入っちゃうものなんだね」
「もういい……もういいから抜いて……お願い……」
「ごめん。それも無理」
俺の中に根元まで埋められた湊で、俺の中はいっぱいになる。その苦しさで肩で息をする俺の腰を掴むと、湊はゆっくり腰を送り始めた。
「ひっ、ぁんっ! ……やめ……馬鹿っ……動くなぁっ……」
退いては突き進んでくる湊に、俺の目からは涙が溢れてくる。
ほんと、こんなことってある? なんで俺、湊にこんなことされてんの? この俺が男に抱かれるなんて、冗談にも笑い話にもならないじゃん。
「あー……気持ちいい。陽平の中、凄く気持ちいいよ」
「んっ、ぁっ……やだっ……やだぁ……」
「待ってね。今、陽平のいいトコ見つけてあげるから」
「いいっ……いいトコってなんだよぉ……」
そんなもん見つけなくていいから今すぐ抜いてくれ。酔った勢いでセックスしたとか、いかにも若気の至り故の過ちみたいだけど、男同士でそれはない。ありえないから。
「ぃあっ⁈ やっ……ダメっ……! ちょっと待って!」
「ん? ココ? ココなんだ」
「ぃ、やっ……ソコやだっ……やめろっ……」
湊が奥の方をズンッ、と突いてきた途端、物凄い快感が身体の中を突き抜けた。ソコを何度も突かれると、身体が甘く痺れて頭も真っ白になりそうだった。
「やじゃないでしょ? ココ突いたら陽平の中が柔らかくなる。気持ちいいんでしょ?」
「違う……違うぅ……」
言いながら、ソコばっかり攻めてくる湊に、俺は手元のシーツを握り込んで刺激に耐えた。強引に湊から犯されて、感じるも何もないと思ったのに。ソコを突かれると気持ちいいって思ってしまう自分がいるのに驚いた。
悠那が司とセックスする時凄い喘ぐけど、湊にソコを突かれると、俺も悠那みたいな声が上がりそうになってしまう。悠那はいつも司にこういう刺激を与えられているってことか。あの二人のセックス事情なんて知りたくなかったし、わかりたくもなかったのに。
「素直じゃないなぁ。気持ちいい癖に」
「ゃっ、ん……んんっ……ん……っ」
俺が気持ち良くなっていると確信したのか、湊の動きは更に大胆になり、これでもかってくらいに俺を突き上げてくる。ロクな抵抗もできないまま、俺は湊に突き上げられるだけ突き上げられて、どんどん高みへと追い詰められていった。
「まだ中だけじゃイけないよね。前も一緒にシてあげる」
「いいっ! 前はいいっ!」
俺の中の湊が少し大きくなった感じがしたのと同時に、湊はいつの間にかまた勃っている俺を握ってくると、自分の腰の動きに合わせて、握った俺を扱いてきた。
「ゃっ……やだってば……やめろぉ……」
中を突かれながら前を擦られると、俺は嫌でも射精しそうになってしまい、また湊にイかされると思うと死にたいくらいに情けない。
「気持ちいい……ほんと、気持ちいいよ、陽平っ……」
強引に突っ込んだ俺の中がそんなにいいのか、湊は息を弾ませながら俺を突き上げてくる。もう爆発寸前な湊が、俺を突き上げる強さと速さを更に増していくから、イきそうなんだとわかってしまう。
「陽平っ……中に出していいっ?」
「ぃっ……ダメっ、やだっ……中はやめろっ……」
「陽平も一緒にイこっ……」
ここでも、聞いてきておいて俺の言うことを全く聞くつもりがない湊は、イきそうなのに俺の中から出て行く気配もなく、俺も一緒にイかせようと、握った俺を激しく扱いてきた。
「陽平っ……イくっ……イくよっ……」
「んんっ……湊っ……待って……ぃ、やっ……」
「んんっ……!」
「ぁあっ……!」
ドクンッ、と脈打って、俺の中で湊が弾けたのと同じタイミングで、何度も扱き上げられた俺も射精してしまった。
さすがに立て続けに二回も射精すると、何も考えたくないし、どうでも良くなってくる。
俺、ほんと何やってるんだろう……。
「陽平。好きだよ」
イった後も俺の中から出て行かない湊は、俺と繋がったままキスとかしてくるけど――。
(もう……知るか……)
俺は投げやりに心の中で呟くと、意識的に意識を手放すのだった。
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