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二章 笠原兄弟の恋愛事情 後編 ~笠原伊織視点~

   僕達の学園祭(4)

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 僕とお兄ちゃんは今日、深雪と頼斗にお兄ちゃんと一緒に姫中の学園祭に行って欲しいとお願いするために七緒家を訪れた。
 もちろん、その後はちょっとだけみんなでテスト勉強をするつもりでいたんだけれど、深雪達のクラスの出し物を聞いた後では勉強どころじゃなくなってしまい、結局テスト勉強はしないままに帰って来てしまった。
 まあいい。今日はまだ土曜日だし。僕達は日頃からちゃんと勉学に励んでいる。
 それに、二学期が始まってすぐに行われた実力テストの後に雪ちゃんも言っていたように、この時期に学校のテスト如きで苦戦していてはダメなのだ。
 だから、今年は受験生の僕や雪ちゃんにとって、学校の定期テストは特に意識するべきものでもなかった。
 それでも、家に帰って来て夕飯を食べた後にはお兄ちゃんと一緒に勉強をした。
 テスト勉強というよりは、お互い学力アップのための勉強といった感じで、僕は高校受験に備えた勉強、お兄ちゃんは大学受験を見据えた勉強をしているって感じだった。
「おっと……。そろそろ十一時だな。今日はもうやめにして、風呂入って寝るか」
「うん」
 お兄ちゃんのことが大好きな僕は、お兄ちゃんと一緒に勉強なんかしていたら、すぐに気を散らしてお兄ちゃんとイチャイチャしたがる――と思われるかもしれない。
 でも、僕って勉強する時は勉強するし、集中力も結構ある方なんだよね。
 そもそも、僕がすぐ気を散らしてお兄ちゃんの勉強の邪魔ばかりしていたら、お兄ちゃんも僕と一緒に勉強なんかしてくれない。僕がちゃんと真面目に勉強をするから、お兄ちゃんも僕と一緒に勉強をしてくれるし、僕に勉強を教えてくれるんだ。
「じゃあ僕、部屋から着替え持って来るね」
「おー」
 さて。今の会話からもわかるように、僕とお兄ちゃんは今から一緒にお風呂に入るつもりだった。
 親がいるのに? という心配は無用。だって、今日はお父さんとお母さんも友達と飲みに出掛けていて家にはいないんだもん。
 うちの両親は交友関係が広く、一緒に飲みに行くような友達がいっぱいいる。共通の友達も多いから、お父さんとお母さんが一緒に飲みに行くのなんてしょっちゅうだった。
 今日も僕達の夕飯を用意してから
『じゃあ行って来るね~』
 と出掛けて行く両親の後ろ姿を、僕とお兄ちゃんは「またか」という気持ちで見送った。
 別にいいっちゃいいんだけどね。親になっても友達付き合いって大事だと思うもん。僕達が小さい頃はちゃんと家にいてくれたわけだから、子供の手が離れたら、少しくらい自由にしてくれてもいいと思っている。
 それに、今現在お兄ちゃんと付き合っている僕としては、親が家にいない方がありがたかったりするもんね。
「にしても、息子達がテスト前だっていうのに、当たり前のように飲みに行くよな、うちの親は」
「まあいいじゃん。お父さん達にも付き合いってものがあるし。二人とも子供の頃からこの辺に住んでいるから、地元の友達も多いしね」
「確かにな。近所の人全員昔馴染みって感じだもんな」
 親がいないのをいいことに、お兄ちゃんと一緒に湯船に浸かった僕は、テストが近いっていうのに、こうしてお兄ちゃんとイチャイチャして過ごせる時間があって嬉しかった。
 テスト週間に入るまでは、お兄ちゃんも学園祭の準備で忙しかったもんね。平日はあんまり僕とイチャイチャするって感じじゃない日も多かった。
 でも、学園祭の準備が中断するテスト週間に入ると、勉強の合間に僕とイチャイチャしてくれる時間が増えた。
 テスト週間の間は美沙ちゃんとデートをすることもないから、僕にとってテスト週間は天国のようにも思えた。
「それに、お父さんとお母さんが出掛けてくれれば、僕はお兄ちゃんと家の中で二人きりだもん♡ こうして今、お兄ちゃんと一緒にお風呂に入っていられるのも、二人が友達と飲みに行ってくれているおかげ♡」
 湯船の中でお兄ちゃんの胸に背中を預けて座っている僕は、少しだけ上半身を捻ってお兄ちゃんの顔を嬉しそうに見上げた。
 まだ湯船に浸かる前に身体を流しただけのお兄ちゃんは、身体を流す際に頭からお湯を被ったせいで全身早くもずぶ濡れだった。
 でも、濡れた前髪を掻き上げているお兄ちゃんはお風呂の時くらいしか見られないし、〈水も滴るいい男〉って言葉がぴったり。僕のお兄ちゃんはただお風呂に浸かっているだけでも尋常じゃなく格好良かった。
 こんなイケメンが自分の彼氏とか、本当に幸せ過ぎる話だよね。
 もちろん、お兄ちゃんの魅力は顔だけじゃないけれど、顔面の強さは数ある魅力の中でも一番わかりやすい魅力だし、一番人が惹き付けられやすい魅力でもある。僕はお兄ちゃんの格好良過ぎる顔立ちを見るたびに、胸がキュンキュンしちゃってどうしようもないんだよね。
「お前ってほんと俺とイチャイチャすんの好きだよな」
 下からお兄ちゃんを見上げる形になっている僕に、前髪を掻き上げた格好いいお兄ちゃんがニッと笑って見せた。
 こんな格好いい笑顔を見せられたら、大概の女の子は瞬殺だよね。
「うん♡ だって僕、お兄ちゃん大好きだもん♡ だから、お兄ちゃんといっぱいイチャイチャしたい♡」
 僕の恋人とイチャイチャしたい願望は昔から強く、相手がお兄ちゃんの代わりでしかない歴代彼氏とも、それなりにイチャイチャはしていた。
 元々僕の性格が甘えっ子なことと、お兄ちゃんとはできないイチャイチャを他の人とすることで、報われない自分の片想いを慰めているところがあった。
 でも、やっぱり僕はお兄ちゃんに甘えるのが一番好きだし、お兄ちゃんとするイチャイチャに一番心が喜んじゃう。お兄ちゃんは別格って感じなんだよね。
(僕はそうなんだけど、お兄ちゃんはどうなんだろう……)
 僕はお兄ちゃんといっぱいイチャイチャしたいけど、お兄ちゃんって恋人とはどういう付き合い方をするのが理想的なんだろう。
 あんまり自分の感情を口にしないみたいだし、美沙ちゃんともこれ見よがしにイチャイチャしている感じではない。
 お兄ちゃんは僕なんかよりずっと落ち着いていて大人だから、四六時中恋人とイチャイチャして過ごすより、もう少し落ち着いた大人な付き合い方がしたいのかも?
 そんな心配をしていた矢先
「ほんと可愛いな」
 お兄ちゃんの腕が僕の腰に回ってきて、僕をギュッと抱き締めてくれたから、お兄ちゃんも恋人とイチャイチャするのは嫌いじゃないんだと思った。
「えへへ♡」
 自分が子供っぽい自覚はあるから、僕もお兄ちゃんの彼女に相応しくなれるように、少しは大人っぽくなった方がいいんじゃないかと思っていた。
 だけど、お兄ちゃんは今のままの僕でもいいと思ってくれているみたいだ。
「それにしても、今日はマジで笑っちまったよな。俺、白鈴の学園祭に行くのが楽しみになっちまったよ」
「そう言えば、今日のお兄ちゃんは珍しく深雪や頼斗に意地悪だったよね。特に頼斗に対して」
「だってさ、あいつっていつも堂々としていてあんま動じることがねーじゃん。そういう奴が取り乱している姿を見ると、ついついからかってやりたくなるんだよな」
 ひょっとして、このままお兄ちゃんとお風呂の中でイチャイチャが始まっちゃうのかも? と期待してしまったけれど、ここでのお兄ちゃんは普通にお風呂に入るだけのようだった。
 僕の身体は後ろから抱き締めたままになっているけれど、話題は今日七緒家で交わされた学園祭の話になってしまい、僕はちょっと残念だったりする。
「そう? 確かに頼斗っていつも澄ました顔をしているように見えるけど、感情の起伏は結構あると思うよ? 特に、深雪のことになると感情のセーブが難しいみたい。すぐヤキモチも焼いちゃうし」
「あいつの深雪に対する独占欲は相当みたいだけどな。でも、俺の前であたふたする頼斗は珍しかったんだよ」
 僕はお兄ちゃんに比べれば頼斗との付き合いが少しだけ長いから、目の前で取り乱す頼斗を全く見たことがないわけじゃない。
 でもまあ、珍しいと言えば珍しいし、お兄ちゃんからしてみれば、頼斗のそういう姿は非常にレアだったんだと思う。
 深雪のことですぐにヤキモチを焼いてしまう頼斗の姿ならお兄ちゃんも見たことがあると思うけれど、今日みたいに赤くなって狼狽える頼斗の姿というものは、僕達兄弟にとっては貴重だったりもするよね。
「だけど、あいつらのクラスの出し物を見たら、雪音は〈深雪と同じ学校に通うっ!〉ってなっちまいそうだよな」
「あー……。それなんだけどさ……」
 今から約一ヶ月前。僕と二人だけで話をした深雪は、雪ちゃんに八重塚高校に進学して欲しい本当の理由というやつを僕に教えてくれた。
 その話は雪ちゃんにもいずれ深雪の口からちゃんと伝えるってことになっているけれど、今日の様子からして、深雪はまだ雪ちゃんに自分の本音を伝えていないんだと確信した。
 百パーセントとは言えないけれど、深雪の本音を知ったら雪ちゃんは白鈴ではなく、八重塚に進学するだろうと思った僕が、その話をお兄ちゃんにしてみると
「へー。深雪はそんな風に思ってんのか。そりゃまあ、深雪のそんな本音を聞けば、雪音も白鈴じゃなくて八重塚に進学を決めそうではあるな」
 お兄ちゃんも僕と同じ意見のようだった。
「深雪は心の整理をしてから雪ちゃんに話すって言ってたけど、いつになったら話すつもりでいるんだろう。テストが終わったら学園祭が始まっちゃうのに」
「その学園祭が始まる直前か、学園祭の最中、学園祭が終わった後にでも話すんじゃね? 学園祭が終わったらデートするって話にもなってるし。そのデートの時にでも話すつもりでいるのかもな」
「そうなのかなぁ……」
「今はテスト前だし。テストが始まる前にそんな大事な話をしちまったら、雪音が動揺すると思って言えないのかもよ。深雪って気が小せーし。自分のことを話すのにも時間が掛かりそうだしな」
「うーん……」
 確かに、お兄ちゃんの言っていることは間違いではない。僕はもうとっくに雪ちゃんに話をしていると思っていたけれど、深雪は覚悟を決めるのに時間が掛かるタイプだもんね。
 だから、僕が今ここでもやもやしても仕方がないし、深雪は僕に「雪音に話す」って約束してくれたもん。僕は深雪を信じて待つしかないよね。
「あ、そうだ」
「うん?」
「デートって言えばさ、お前、俺とデートするならどこに行きてーの?」
「え⁉」
 七緒家では学園祭の話で散々盛り上がっていたけれど、そんな会話の中で、僕は学園祭が終わったらお兄ちゃんとデートをする約束をしたんだったよね。
 目の前で雪ちゃんと深雪、深雪と頼斗がデートをすることになったから、それを羨ましがる僕にお兄ちゃんも軽い気持ちで「デートしよう」ってなってくれたのかと思ったけれど、こうして僕にデートの行き先を聞いてきてくれるあたり、お兄ちゃんは僕とちゃんとしたデートをしてくれるつもりでいるらしい。
「えっと……お兄ちゃんと一緒に行きたいところはいっぱいあり過ぎちゃって……。一つに絞るのは難しいかも」
 これまでお兄ちゃんと一緒に出掛けた回数は数えきれないほどだし、その全部が僕の中ではデートだと思っていたりもする。
 でも、今回はお兄ちゃんと恋人同士になってから初めてのデート。お兄ちゃんもデートだと認識してくれる、正真正銘の初デートだもんね。
 そう考えると、どこに行くのが初デートとして相応しいかで迷っちゃうよ。
「何だよ。一つに絞れないくらいにいっぱい候補があんの?」
「そりゃそうだよ。だって、お兄ちゃんとの記念すべき初デートなんだもん。初デートに相応しい場所を選びたいじゃん」
 まだテストも始まっていないのに。テストが終わった後の楽しみが多過ぎて、本当にテストどころじゃなくなっちゃいそうだよ。
 お兄ちゃんに「デートするならどこに行きてーの?」なんて聞かれちゃったら、答えを出すまで延々とそればっかりを考えちゃいそうだし。
「うーん……」
 唐突でもあったお兄ちゃんからの質問に難しい顔をして考え込んでしまう僕を見て、お兄ちゃんは柔らかく微笑みながら
「そう難しく考えるなって。何も一回きりのデートってわけでもねーんだから。お前が俺と一緒に行きたいところには全部行ってやるから」
 なんて嬉しい言葉を言ってくれただけではなく
「でもま、お前が俺と一緒に行きたいところは全部教えてもらおうかな」
 そう言うなり、僕の身体を後ろからギュッと抱き込んできて
「この後、ベッドの中でな」
 僕の耳元で甘く囁いてきた。
「っ……」
 今日はまだ土曜日で、おまけに家の中には僕とお兄ちゃんの二人だけ。こうして僕と一緒にお風呂に入ってくれているからには、「今夜は……」という期待を当然僕もしているけれど……。
(それは反則だよ、お兄ちゃん……)
 糖度満点な誘い方をしてくるお兄ちゃんに、お兄ちゃんの声に囁かれた僕の耳は熱さで真っ赤になってしまった。


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