そんなの、恥ずかしいに決まってるじゃないですか!〜泡沫の華々たち《異譚》
「…もう一度仰ってくださる?」
「ですから!私、ゲオルグ様と愛し合ってるんです!」
目の前に現れたミーナ・ウェーバー男爵令嬢にそう宣言された、第二王子ゲオルグの婚約者、グェンジャー侯爵家の嫡女ジャネット。
だから婚約破棄しろとでも言うのかと思ってみれば、彼女は「愛人」として自分も一緒に受け入れてほしいという。ゲオルグは婿入りだから、次期女侯爵であるジャネットに許可を貰いに来たのだとか。
政略とはいえ、ジャネットは少なからずゲオルグに恋心を抱いていた。
こんな女を愛してるだなんて…と胸を痛めるジャネットが諦めて、ゲオルグに「愛人も受け入れよう」と告げたところ。
「私はそのウェーバーとやらを知らない」
「……え」
「付き纏ってくる女生徒がいるにはいるが、周囲を飛び回る羽虫ぐらいの認識しかない」
「は、え、むし?」
好機とばかりに婚約者とイチャイチャしたかった第二王子✕それに振り回されるけど満更でもない侯爵令嬢の話。
※ 拙作「お姉さまのお陰で幸せになりました!」に出てきたお姉さまの過去話です。本作だけで読んでも支障ありません。
※ 王太女夫婦の馴れ初め話「わたくしこの方と結婚しますわ!」が出たので宜しければご覧ください。
※ タイトルに「〜泡沫の華々たち《異譚》」を追加しました
※ 10/13に、カクヨムで泡沫の華々たちシリーズをひとつにまとめて投稿を開始しました。その中に加筆修正した当話も含まれています。
「ですから!私、ゲオルグ様と愛し合ってるんです!」
目の前に現れたミーナ・ウェーバー男爵令嬢にそう宣言された、第二王子ゲオルグの婚約者、グェンジャー侯爵家の嫡女ジャネット。
だから婚約破棄しろとでも言うのかと思ってみれば、彼女は「愛人」として自分も一緒に受け入れてほしいという。ゲオルグは婿入りだから、次期女侯爵であるジャネットに許可を貰いに来たのだとか。
政略とはいえ、ジャネットは少なからずゲオルグに恋心を抱いていた。
こんな女を愛してるだなんて…と胸を痛めるジャネットが諦めて、ゲオルグに「愛人も受け入れよう」と告げたところ。
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「……え」
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