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上には上がいる
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俺は殺し屋のKだ。殺し屋界隈ではそこそこ腕の立つ男だって有名だ。
殺しを初めてやったのは15歳のとき。相手は親父だ。俺は親父に虐待されてたんだ。だから家にあった護身用の銃で親父の頭をぶち抜いてやった。
それ以来、俺は10年以上殺し屋を続けている。
ところで、俺はついさっき初めて殺しに失敗した。相手は俺と同じ凄腕の殺し屋のLだった。壮絶な撃ち合いの末に俺は負けた。
上には上がいるということを自分の死という代償を払って思い知らされた。
そして、俺は今、天国にいる?ようだ。雲の上でふわふわと浮遊している。体は半透明で拳銃で撃たれたところから血が流れているままだ。
さらに、周りを見渡してみると、半透明な人間が大勢いる。おそらく自分と同じく死んで天国にいる人間だろう。
「おや?」
俺は目を疑った。その中に俺がかつて殺した殺し屋のMがいた。俺が撃った頭から血を流している。
俺は勇気を出して話しかけてみることにした。
「おい、M、俺のことを覚えているか?」
「Kじゃないか、久しぶりだな」
Mは意外にも愛想よく接してくれた。
「お前には勝てなかったよK。でもここに来たってことはお前さんも死んだのかい?」
「ああ、そうだよ。上には上がいるってことだ」
「なるほどな。過去のことは水に流そう。ほら、仲直りの握手だ」
いつもの俺なら握手は絶対にしない。相手が何を隠し持っているかわからないからだ。
しかし、ここは天国だ。もう死んでいるのなら関係はない。
「わかったよ」
俺は手を差し出した。次の瞬間、目の前が真っ暗になった。
--------------------------------------
数時間が経過して俺は目を覚ました。そして、自分の身に起こったことを察した。
俺はMに殺された。ここでわかったことがひとつ。
雲の上は広い。俺は今、さっきの天国よりも高い場所にいる。
上には上がいる。
殺しを初めてやったのは15歳のとき。相手は親父だ。俺は親父に虐待されてたんだ。だから家にあった護身用の銃で親父の頭をぶち抜いてやった。
それ以来、俺は10年以上殺し屋を続けている。
ところで、俺はついさっき初めて殺しに失敗した。相手は俺と同じ凄腕の殺し屋のLだった。壮絶な撃ち合いの末に俺は負けた。
上には上がいるということを自分の死という代償を払って思い知らされた。
そして、俺は今、天国にいる?ようだ。雲の上でふわふわと浮遊している。体は半透明で拳銃で撃たれたところから血が流れているままだ。
さらに、周りを見渡してみると、半透明な人間が大勢いる。おそらく自分と同じく死んで天国にいる人間だろう。
「おや?」
俺は目を疑った。その中に俺がかつて殺した殺し屋のMがいた。俺が撃った頭から血を流している。
俺は勇気を出して話しかけてみることにした。
「おい、M、俺のことを覚えているか?」
「Kじゃないか、久しぶりだな」
Mは意外にも愛想よく接してくれた。
「お前には勝てなかったよK。でもここに来たってことはお前さんも死んだのかい?」
「ああ、そうだよ。上には上がいるってことだ」
「なるほどな。過去のことは水に流そう。ほら、仲直りの握手だ」
いつもの俺なら握手は絶対にしない。相手が何を隠し持っているかわからないからだ。
しかし、ここは天国だ。もう死んでいるのなら関係はない。
「わかったよ」
俺は手を差し出した。次の瞬間、目の前が真っ暗になった。
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数時間が経過して俺は目を覚ました。そして、自分の身に起こったことを察した。
俺はMに殺された。ここでわかったことがひとつ。
雲の上は広い。俺は今、さっきの天国よりも高い場所にいる。
上には上がいる。
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