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2話 チワワ御殿へおいでませ
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『本当にチワワ御殿作っちゃったのー?』
という話でチワ友のネット(チワネット)は賑わっている。何しろ実現不可能な雲の上のような夢としてだけ語られてきたチワワ御殿だから、全く検討も付かないというのがチワ友同士の感想だ。そして、作ったといっても、どこまで実現したのかというのも気になるところだ。
『鳴海さん、きっとドックランはもちろん作っているよねー。』
恵理子さんが言った。
『そりゃそうでしょ。私にも招待してくれるって言ってくれたから、泊まれるところも多少なりとも作ってくれているかも。』
私もちょっと希望を言ってみた。他人の家の建築に何をみんなで口を挟むかとも思うのだけど、やっぱりチワワ御殿は夢なのだ。
『それよりさ、問題があるんだけど。』
『え?何?』
『鳴海さんの住んでいるところも、鳴海さんの本名も知らないよね。』
私だけでなく、恵理子さんも鳴海さんを知らなかった。もう何年も付き合いがある私たちだが、ここがネット世界の不思議なところだ。もっとも、ネット外の世界だって実際に会って話しているからといって、それが全て本当なのかといったら疑問だが。
チワワ御殿への招待状は突然来た。もちろん鳴海さんもネットでのチワ友たちをみんな住所とか把握しているわけではないので、個人同士連絡が取れるツールで招待状を送った。
『うわー!本当にチワワ御殿なんだね!添付の画像に屋内ドックランとかあるけど素敵ね!』
と私がチャットで言うと、鳴海さんが言う。
『何言ってるのよ、素敵どころか一緒にこれから遊ぶんだから!』
私の目の前の視界がパッと開けたような明るい感じがした。大好きなチワワたちと、大好きなチワ友と一緒に楽しい時間を実際に過ごせる機会がやってきたのだ。
『あ、それから。』
鳴海さんが続けた。
『優さんがちゃんと来られるように宿泊施設も作ったよ。遠方から来るのは優さんだけじゃないから。北は北海道、南は沖縄までのチワ友が集うんだから!』
鳴海さんの言葉に私はまたワクワク感が盛り上がってきた。北海道や沖縄のチワ友には、もしかしてずっと会えないままなのではという気持ちがどこかにあったからだ。やっぱり「会いたい」「会おう」という強い気持ちと行動が大切なのだ。ところで、鳴海さんの招待状には、東京の郊外の駅までしか場所が書かれていなかった。
『そこまで来てくれたら、交通不便だから迎えにいくから。』
と言ってくれた。鳴海さんは宝くじが当たってチワワ御殿まで建ててしまっても、チワ友のことは考えてくれているのだなぁ。
『ある程度の消耗品とかは用意しておくけど、個々にこだわりのものは持参してね。環境や食べ物とかが変わると反応しちゃうチワワは多いから。さ、ボヤボヤしている暇はないよ。早く仕度してね!』
チワネットではもはやチワワ御殿招待で話が持ちきり。まさに北海道から沖縄までのチワ友が総動員して今から盛り上がってしまっている。こんなに盛り上がってしまって、チワワ御殿に着いたら話が尽きちゃっているんじゃないかと思うくらいだ。でも、とりあえずは、チワワ御殿に着くまでの話で持ちきりになっている。
『ねぇ、鳴海さんにお土産何持っていく?宝くじあたったからって、人数分面倒みるのは大変なんだから、何か持参しないとさ。もちろんチワワちゃんたちにもね。』
ということがテーマだ。
『持っていくものがダブってもなんだし、ある程度分担しよう。』
という結論になった。それぞれが、それぞれの気持ちで、でも一緒なのはたまらないワクワク感だ。
当日は鳴海さんが指定した駅に多くのチワ友が到着した。初めて顔を合わず人もいるので、その時点で笑顔と挨拶と感歎の声が響いた。
「うわぁ!一応初めましてだよね!会いたかったよ!」
話しながら小さな駅の改札を出ると、前にはバスが既に待っていて、バスの前には初老の黒い服の男性が頭を下げている。
「ようこそおいでくださいました。チワワ御殿の執事で、黒井と申します。本日から皆様のお世話をメイドと共にさせていただきます。さぁ、お疲れでしょう。チワワ御殿まではバスでもう一息です。」
なるほど、チワワ御殿には執事までいるのか。ところで鳴海さん自身は?
「鳴海様は御殿にて皆様を迎える準備をしております。さぁ、バスへどうぞ。」
私たちはバスに乗り込んだ。執事の黒井さんはみんなの背を押すかのようにバスに乗り込み、運転は黒井さん自身だった。バスが走りだすと東京近郊とはいえ、だんだんと山の緑が増してきて、季節は秋の初めだったものだから木々は色づき始めて美しい。
「素敵ね。都会もいいけど、こんな自然の中でゆっくり過ごしてみたいわ。」
恵理子さんがウットリとした表情で言った。喧騒の中で日常を過ごしていると、この静寂さは耳が痛い。鳥の声や動物の声が頭の中で澄んだ音で響く。しかしバスの中はチワワや小型犬の声で大変な盛り上がりだ。
「今からこんなで、どうなるんだろうね。なんだか遠足みたい。」
私はクスクスと笑ったら、みんながドッと笑った。まるで学生の修学旅行のようだ。
チワワ御殿が木々の間から見えてきた。赤い屋根に白い壁の、まるでおしゃれで大きなペンションのようだ。隣には小さな湖もある。こんなところに湖があっただろうか?それとも人工池か何かだろうか?湖面に紅葉が映り、景観はバッチリだ。チワワ御殿の門が開くと広い中庭になっていてバスが入った。そこに鳴海さんとメイドさんが立っている。
「いらっしゃーい!」
鳴海さんが片手にチワワを抱いたまま手を振っている。鳴海さんの素顔は実は初めて見るのだが、すぐに鳴海さんだと分かる。それは別に御殿の前に居るからではない。他のチワ友もそうだが、一度も会っていないというのにすぐに分かるし、初めて顔を見た気がしない。それは、犬は飼い主に似るからだと思う。犬たちの画像や動画を見ているので、おかしな話かもしれないけれど、ソックリなのですぐに分かるのだ。バスの中でも、あまりの違和感の無さで大笑いした。「なんでこんなにすぐ分かっちゃうんだろうね。」という感じだ。
「鳴海さん、チワワ御殿にご招待ありがとうございます。お世話になります。」
私たちが言うと、
「約束のチワワ御殿にようこそ!存分に楽しんでいってね!あら、そちらは娘さんの麻耶ちゃんね。初めましてだけど、初めて会った気がしないね!」
と、鳴海さんが笑顔で迎えてくれた。娘の麻耶は恥ずかしそうに笑いながら挨拶した。麻耶は今回荷物とチワワ二匹を持ちきれない私のために同行してくれた。もちろんネットで鳴海さんともおなじみだから、あながち荷物持ちというだけでもない。
メイドの人はアリアさんといって、私たちの荷物の搬送を手伝ってくれた。
「まずはお部屋に荷物をおいて、それから広間でお茶しましょう。もちろんチワワ達も一緒にね。」
鳴海さんが少し大きな声で皆に言った。チワワ御殿の玄関の観音開きの扉を開けると、広い広いホールになっていた。まるでアメリカの昔の映画に出てきそうな御殿だ。人間の声とチワワの鳴き声が反響している。正面には階段があるが、エレベーターもあって二階以上が宿泊施設になっているようだ。黒井さんやアリアさんが手分けして案内してくれる。
「素晴らしいチワワ御殿ですね。」
私を案内してくれる黒井さんに言った。黒井さんは初老の白髪がかなり混じったオジサンだが、ちょっとダンディで、ちょっとミステリアスな匂いがする。私に笑顔を向けると、
「鳴海様は一生懸命皆さんの声を参考に計画なさいました。どこまでもチワワと小型犬、それを愛する人間のためにというお気持ちでした。」
と温かみがある笑顔で爽やかに言った。
「そうなんですか。そういえば、黒井さんはワンちゃんは飼っていらしたんですか? 今回全国規模でみんな集まりましたが、黒井さんはどちらのご出身ですか? 標準語だからやっぱり関東?」
と私が聞くと、黒井さんは突然サッと表情を固くした。あれ?個人的なことは質問しちゃいけなかったのかしら? ミステリアスな感じがするのは見かけだけじゃなかったのかしら。別に深い意味はないんだけど。失礼だった?
「さぁ、お荷物を置かれたら、チワワちゃんとご一緒に下の広間へお越しください。」
質問には答えない黒井さんが再び振り返った時は、もう普通の顔に戻っていた。
ここは豪華で煌びやかで、不思議なチワワ御殿である。
という話でチワ友のネット(チワネット)は賑わっている。何しろ実現不可能な雲の上のような夢としてだけ語られてきたチワワ御殿だから、全く検討も付かないというのがチワ友同士の感想だ。そして、作ったといっても、どこまで実現したのかというのも気になるところだ。
『鳴海さん、きっとドックランはもちろん作っているよねー。』
恵理子さんが言った。
『そりゃそうでしょ。私にも招待してくれるって言ってくれたから、泊まれるところも多少なりとも作ってくれているかも。』
私もちょっと希望を言ってみた。他人の家の建築に何をみんなで口を挟むかとも思うのだけど、やっぱりチワワ御殿は夢なのだ。
『それよりさ、問題があるんだけど。』
『え?何?』
『鳴海さんの住んでいるところも、鳴海さんの本名も知らないよね。』
私だけでなく、恵理子さんも鳴海さんを知らなかった。もう何年も付き合いがある私たちだが、ここがネット世界の不思議なところだ。もっとも、ネット外の世界だって実際に会って話しているからといって、それが全て本当なのかといったら疑問だが。
チワワ御殿への招待状は突然来た。もちろん鳴海さんもネットでのチワ友たちをみんな住所とか把握しているわけではないので、個人同士連絡が取れるツールで招待状を送った。
『うわー!本当にチワワ御殿なんだね!添付の画像に屋内ドックランとかあるけど素敵ね!』
と私がチャットで言うと、鳴海さんが言う。
『何言ってるのよ、素敵どころか一緒にこれから遊ぶんだから!』
私の目の前の視界がパッと開けたような明るい感じがした。大好きなチワワたちと、大好きなチワ友と一緒に楽しい時間を実際に過ごせる機会がやってきたのだ。
『あ、それから。』
鳴海さんが続けた。
『優さんがちゃんと来られるように宿泊施設も作ったよ。遠方から来るのは優さんだけじゃないから。北は北海道、南は沖縄までのチワ友が集うんだから!』
鳴海さんの言葉に私はまたワクワク感が盛り上がってきた。北海道や沖縄のチワ友には、もしかしてずっと会えないままなのではという気持ちがどこかにあったからだ。やっぱり「会いたい」「会おう」という強い気持ちと行動が大切なのだ。ところで、鳴海さんの招待状には、東京の郊外の駅までしか場所が書かれていなかった。
『そこまで来てくれたら、交通不便だから迎えにいくから。』
と言ってくれた。鳴海さんは宝くじが当たってチワワ御殿まで建ててしまっても、チワ友のことは考えてくれているのだなぁ。
『ある程度の消耗品とかは用意しておくけど、個々にこだわりのものは持参してね。環境や食べ物とかが変わると反応しちゃうチワワは多いから。さ、ボヤボヤしている暇はないよ。早く仕度してね!』
チワネットではもはやチワワ御殿招待で話が持ちきり。まさに北海道から沖縄までのチワ友が総動員して今から盛り上がってしまっている。こんなに盛り上がってしまって、チワワ御殿に着いたら話が尽きちゃっているんじゃないかと思うくらいだ。でも、とりあえずは、チワワ御殿に着くまでの話で持ちきりになっている。
『ねぇ、鳴海さんにお土産何持っていく?宝くじあたったからって、人数分面倒みるのは大変なんだから、何か持参しないとさ。もちろんチワワちゃんたちにもね。』
ということがテーマだ。
『持っていくものがダブってもなんだし、ある程度分担しよう。』
という結論になった。それぞれが、それぞれの気持ちで、でも一緒なのはたまらないワクワク感だ。
当日は鳴海さんが指定した駅に多くのチワ友が到着した。初めて顔を合わず人もいるので、その時点で笑顔と挨拶と感歎の声が響いた。
「うわぁ!一応初めましてだよね!会いたかったよ!」
話しながら小さな駅の改札を出ると、前にはバスが既に待っていて、バスの前には初老の黒い服の男性が頭を下げている。
「ようこそおいでくださいました。チワワ御殿の執事で、黒井と申します。本日から皆様のお世話をメイドと共にさせていただきます。さぁ、お疲れでしょう。チワワ御殿まではバスでもう一息です。」
なるほど、チワワ御殿には執事までいるのか。ところで鳴海さん自身は?
「鳴海様は御殿にて皆様を迎える準備をしております。さぁ、バスへどうぞ。」
私たちはバスに乗り込んだ。執事の黒井さんはみんなの背を押すかのようにバスに乗り込み、運転は黒井さん自身だった。バスが走りだすと東京近郊とはいえ、だんだんと山の緑が増してきて、季節は秋の初めだったものだから木々は色づき始めて美しい。
「素敵ね。都会もいいけど、こんな自然の中でゆっくり過ごしてみたいわ。」
恵理子さんがウットリとした表情で言った。喧騒の中で日常を過ごしていると、この静寂さは耳が痛い。鳥の声や動物の声が頭の中で澄んだ音で響く。しかしバスの中はチワワや小型犬の声で大変な盛り上がりだ。
「今からこんなで、どうなるんだろうね。なんだか遠足みたい。」
私はクスクスと笑ったら、みんながドッと笑った。まるで学生の修学旅行のようだ。
チワワ御殿が木々の間から見えてきた。赤い屋根に白い壁の、まるでおしゃれで大きなペンションのようだ。隣には小さな湖もある。こんなところに湖があっただろうか?それとも人工池か何かだろうか?湖面に紅葉が映り、景観はバッチリだ。チワワ御殿の門が開くと広い中庭になっていてバスが入った。そこに鳴海さんとメイドさんが立っている。
「いらっしゃーい!」
鳴海さんが片手にチワワを抱いたまま手を振っている。鳴海さんの素顔は実は初めて見るのだが、すぐに鳴海さんだと分かる。それは別に御殿の前に居るからではない。他のチワ友もそうだが、一度も会っていないというのにすぐに分かるし、初めて顔を見た気がしない。それは、犬は飼い主に似るからだと思う。犬たちの画像や動画を見ているので、おかしな話かもしれないけれど、ソックリなのですぐに分かるのだ。バスの中でも、あまりの違和感の無さで大笑いした。「なんでこんなにすぐ分かっちゃうんだろうね。」という感じだ。
「鳴海さん、チワワ御殿にご招待ありがとうございます。お世話になります。」
私たちが言うと、
「約束のチワワ御殿にようこそ!存分に楽しんでいってね!あら、そちらは娘さんの麻耶ちゃんね。初めましてだけど、初めて会った気がしないね!」
と、鳴海さんが笑顔で迎えてくれた。娘の麻耶は恥ずかしそうに笑いながら挨拶した。麻耶は今回荷物とチワワ二匹を持ちきれない私のために同行してくれた。もちろんネットで鳴海さんともおなじみだから、あながち荷物持ちというだけでもない。
メイドの人はアリアさんといって、私たちの荷物の搬送を手伝ってくれた。
「まずはお部屋に荷物をおいて、それから広間でお茶しましょう。もちろんチワワ達も一緒にね。」
鳴海さんが少し大きな声で皆に言った。チワワ御殿の玄関の観音開きの扉を開けると、広い広いホールになっていた。まるでアメリカの昔の映画に出てきそうな御殿だ。人間の声とチワワの鳴き声が反響している。正面には階段があるが、エレベーターもあって二階以上が宿泊施設になっているようだ。黒井さんやアリアさんが手分けして案内してくれる。
「素晴らしいチワワ御殿ですね。」
私を案内してくれる黒井さんに言った。黒井さんは初老の白髪がかなり混じったオジサンだが、ちょっとダンディで、ちょっとミステリアスな匂いがする。私に笑顔を向けると、
「鳴海様は一生懸命皆さんの声を参考に計画なさいました。どこまでもチワワと小型犬、それを愛する人間のためにというお気持ちでした。」
と温かみがある笑顔で爽やかに言った。
「そうなんですか。そういえば、黒井さんはワンちゃんは飼っていらしたんですか? 今回全国規模でみんな集まりましたが、黒井さんはどちらのご出身ですか? 標準語だからやっぱり関東?」
と私が聞くと、黒井さんは突然サッと表情を固くした。あれ?個人的なことは質問しちゃいけなかったのかしら? ミステリアスな感じがするのは見かけだけじゃなかったのかしら。別に深い意味はないんだけど。失礼だった?
「さぁ、お荷物を置かれたら、チワワちゃんとご一緒に下の広間へお越しください。」
質問には答えない黒井さんが再び振り返った時は、もう普通の顔に戻っていた。
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