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MAIN STORY
Last time もしも時間がお金になったとしても
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その数秒後、20年前のあの日に戻って来ていた。
そう、あの接待が終わった後の、夜10時に。
しかし新川は、本当にここが20年前の世界なのか疑った。
本当に戻って来れているのだろうかーーー。
あの日と町の風景、建物は全て同じだった。
自分のスマホを見ても、きちんと20年前の時間を指している...。
自分から酒の気が抜けていること以外は、全てがあのときと同じだ...。
財布もちゃんとある、保険証もちゃんとある...。
駅前へ向かい、あの黒ずくめの男が座っていた場所に向かっても、黒ずくめの男はいなかった。
高宮ももしかしたらここにいるのでは、と思い来てみたが、高校生らしき男はここにはいなかった。
顔までは見たことはないけど、高宮のだいたいの話は聞いている。
あの子はあの子で、殺人事件を起こさなかったっていう、新しい人生を歩んでいるんだよな...。
そして、気持ちを切り替えて、いつも通りの電車に乗り込み、家へと帰る...。
同じ日のはずなのに、家に帰るのがとんでもなく久しぶりに思えた。
当たり前だよな、今までしばらくの間、時間旅行のようなことをしていたんだもの。
家の鍵を開け、中へと入る。
「ただいま~」
と言ったところで、一人暮らしなので返事がある訳がない。
反対に誰かいたらそれはそれで怖いよね。
その日は、かなり疲れていたので、すぐに布団に入り、寝てしまった...。
そして翌日の朝...。
仕事へ毎日行く、そして残業をする、そんないつも通りの日常がまた始まった...。
その日もまた残業が終わり、夜。
新川はあの場所に向かっていた。
もちろん、黒ずくめの男の姿は無かった。
そして新川は、試しにあの電話番号に電話をしてみた。
そう、アドール社の電話番号だ。
掛けてみると、アドール社ではない別の会社に繋がった。
その人に聞いてみると、この番号を前に使っていたのはアドール社という会社で間違いはないのだが、その会社がそれからどうなったのか、ということは全く知らない、とのこと...。
検索エンジンで調べてみても、会社の名前自体は出てきたものの、それからどうなったか、ということは、一切書かれていなかった。
知らないうちに、“消えた”のだろうか。
僕には、もうアドール社がどうなったか、知る由もないようだ...。
でも、この時間旅行で分かったこともある。
人生、辛いときもあれば、楽しいことだってある。
今は辛いかもしれないけど、いつだって辛い訳ではない。
もしも時間がお金になる、記憶と引き換えにタイムワープをしないか、と言われたとしても、“今”という時を、一生懸命、生きていかなくちゃいけないんだ。
運命を辿っていけば、あの写真の中の女の人とだって出会えるはずだ。
そして僕の娘となるであろう、あの子とだって出会えるはず...。
そこにとてもとても大切な日々、日常という幸せがきっとあるんだ。
20年後、あの子は14歳。
ということは...
あの子との再会まで、あと6年か。
そして、僕は同じ運命をたどるためにも、この時間旅行の体験をフィクションを交えながら小説にしようかな。
全部書けたら試しに小説の新人賞にでも応募してみようか。
タイトルは...そうだな。
「もしも時間がお金になったなら」
...。
.........。
未来の僕へーーー。
僕は元気ですか?
そして、あの運命をたどれていますか?
おしまい。
最後まで読んで下さいまして本当にありがとうございました!
こんな感じの荒唐無稽な物語で良ければ、また戻ってきたいと思いますので、どこかでお会いしましょう。
そう、あの接待が終わった後の、夜10時に。
しかし新川は、本当にここが20年前の世界なのか疑った。
本当に戻って来れているのだろうかーーー。
あの日と町の風景、建物は全て同じだった。
自分のスマホを見ても、きちんと20年前の時間を指している...。
自分から酒の気が抜けていること以外は、全てがあのときと同じだ...。
財布もちゃんとある、保険証もちゃんとある...。
駅前へ向かい、あの黒ずくめの男が座っていた場所に向かっても、黒ずくめの男はいなかった。
高宮ももしかしたらここにいるのでは、と思い来てみたが、高校生らしき男はここにはいなかった。
顔までは見たことはないけど、高宮のだいたいの話は聞いている。
あの子はあの子で、殺人事件を起こさなかったっていう、新しい人生を歩んでいるんだよな...。
そして、気持ちを切り替えて、いつも通りの電車に乗り込み、家へと帰る...。
同じ日のはずなのに、家に帰るのがとんでもなく久しぶりに思えた。
当たり前だよな、今までしばらくの間、時間旅行のようなことをしていたんだもの。
家の鍵を開け、中へと入る。
「ただいま~」
と言ったところで、一人暮らしなので返事がある訳がない。
反対に誰かいたらそれはそれで怖いよね。
その日は、かなり疲れていたので、すぐに布団に入り、寝てしまった...。
そして翌日の朝...。
仕事へ毎日行く、そして残業をする、そんないつも通りの日常がまた始まった...。
その日もまた残業が終わり、夜。
新川はあの場所に向かっていた。
もちろん、黒ずくめの男の姿は無かった。
そして新川は、試しにあの電話番号に電話をしてみた。
そう、アドール社の電話番号だ。
掛けてみると、アドール社ではない別の会社に繋がった。
その人に聞いてみると、この番号を前に使っていたのはアドール社という会社で間違いはないのだが、その会社がそれからどうなったのか、ということは全く知らない、とのこと...。
検索エンジンで調べてみても、会社の名前自体は出てきたものの、それからどうなったか、ということは、一切書かれていなかった。
知らないうちに、“消えた”のだろうか。
僕には、もうアドール社がどうなったか、知る由もないようだ...。
でも、この時間旅行で分かったこともある。
人生、辛いときもあれば、楽しいことだってある。
今は辛いかもしれないけど、いつだって辛い訳ではない。
もしも時間がお金になる、記憶と引き換えにタイムワープをしないか、と言われたとしても、“今”という時を、一生懸命、生きていかなくちゃいけないんだ。
運命を辿っていけば、あの写真の中の女の人とだって出会えるはずだ。
そして僕の娘となるであろう、あの子とだって出会えるはず...。
そこにとてもとても大切な日々、日常という幸せがきっとあるんだ。
20年後、あの子は14歳。
ということは...
あの子との再会まで、あと6年か。
そして、僕は同じ運命をたどるためにも、この時間旅行の体験をフィクションを交えながら小説にしようかな。
全部書けたら試しに小説の新人賞にでも応募してみようか。
タイトルは...そうだな。
「もしも時間がお金になったなら」
...。
.........。
未来の僕へーーー。
僕は元気ですか?
そして、あの運命をたどれていますか?
おしまい。
最後まで読んで下さいまして本当にありがとうございました!
こんな感じの荒唐無稽な物語で良ければ、また戻ってきたいと思いますので、どこかでお会いしましょう。
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