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第3章 ワールドメイク
第46話 最後の戦い③
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次の部屋に進むと、未だ変な絵が壁に飾られているが、その部屋は休憩室なのか、ソファにテレビ、テーブルには菓子類が置いてあり、先ほどの飾った部屋に比べると簡易的な作りであった。
そして、そのソファに偉そうに腰かけている子供がいた。
しかし、彼がその容姿通りの子供ではないことが伺える。
それは明桜高校の制服を着ていたからだ。
その子供はこちらに振り向くとニタリとニヒルに笑いかけて、ソファから立ち上がる。
「ようこそ。君たちのことは草木さんから聞いているよ。侵入者だと。」
「いや。みんなそういうけど、お前らが誘拐しなければここまで来ねぇよ。そこをどけよ。子供相手に拳を上げるつもりはねぇからよ。」
南が嫌味を吐いて、その子供を叱りつけるように諭す。
「ん?分かってないなぁ。ここからは戦争だ。最後にあんたらが立っているか、僕が一人立っているかは誰も分からないんだ。」
その子供はキリッとセリフのように言い切る。
「なんかウザい子供だな。なぁ?北条。…………え?」
北条さんはその子供を見て、何故か固まっていた。
「美紀ちゃん…………。どうしたの?」
亜里沙ちゃんも心配そうに北条さんを気にしている。
「いえ。ごめんなさい。あまりに可愛いショタだったもので放心してしまっていたわ。もう少しで私も陥落していたところだったけど、南くんの下種な声が聞こえたからなんとか理性を保てたわ。ありがとう。南くん。」
「なんかすごいムカつくなぁ。お前もさっきの部屋に帰ってあの平上とかって奴と混ざってこいよ。」
「何言ってるの?私はイケメンは嫌いなのよ。あの自信満々の笑った顔が嫌い。殴りたくなる。それに比べてこのショタの背伸びして格好つけてる感じはそそられるわ。」
北条さんはそうどこかのイケメンに恨みつらみを吐きながら、ショタを愛でるように見つめていた。
南はとりあえず、馬鹿になっている北条さんを置いておいて、この子供について沙代里に聞くことにしたようだ。
「怖いな。ショタコン怖い。それで…………沙代里はこのガキ知ってる?」
「うん。ペタの弟子だよぉ。」
当然のように沙代里は言い切る。
「そうなのか…………。え!?ペタの?」
「そうそう。三島 徹(みしま とおる)くん。あんな見た目だから同年代の女の子にモテなくて。それでいて年上の女の子が好きだからペタの弟子になったんだって。喧嘩でもペタに負けたしね。」
「え?負けたの?」
「うん。徹くんは一応、レベルSの身体能力向上の異能の持ち主なんだけど。なんでだろ?ペタの方が強かったんだよねぇ。それでペタのこと兄貴って慕ってたよ。…………あ。徹くん久しぶり!」
そう沙代里が彼に呼びかけると、彼は困ったような顔をした。何か都合が悪いような。
「あ…………。えっと沙代里さん。なんでここに。もうファウストはやめたって聞いたから僕はここに入ったのに。」
「そうなのぉ。私、シャクンタラーに入ってここ潰しにきたの。徹くん。そこ通してもらってもいい?」
「えっと。それは…………。駄目です。僕が草木さんに叱られてしまいます。」
「そうなんだぁ。でも、このことペタに言っちゃうよ?」
「それは…………。でも。」
「あと、そこの南くんはペタの友達だよ?どうするの?」
「えっと…………。」
徹君、もといショタは辛そうに顔を背け、考え込んでしまう。
先程の偉そうな態度とは打って変わって、モジモジとシャツの裾を弄りながら悩んでいる。
しかし、そこに救いの手を差し伸べる者がいた。
「待ちなさい。沙代里さん。ショタをいじめるのはやめなさい。」
「え?沙代里ぃ。今めっちゃ正しいこと言っていなかった?ね?西京?」
「ああ。めっちゃ正しいことを言っていたな。まぁそこのショタコンがおかしいのは誰が見ても明らかだ。」
「うっさいわね。外野は黙って先に進みなさい。」
北条さんはしっしっとコバエでも払うようにこちらに手を振る。
「は?」
北条さんは俺を無視し、そのままショタのもとへと近づいていく。
そして、ショタの頭をなでると、見たこともない優しい顔つきでショタに語りかける。その慈愛に満ちた微笑みにショタも固まっている。
「あなた。名前は徹君と言ったかしら。お姉さんがここに留まったら、貴方は私を足止めしていることになるんじゃないかしら?どう?」
「えっと…………。」
「どうかしら?お姉さんと少しの時間、一緒にいてくれないかしら?そしたら貴方も怒られないでしょう?」
「はい。そうですね。そうします。」
徹くんは完全に北条さんの美貌に鼻の下を伸ばして、頷く。
ここにショタは陥落したのである。
そうして、その休憩室に北条さんとショタを残して、俺たちはあきれてものも言えず歩を進めた。
次の部屋に着くと、そこには老人が一人待ち構えていた。
こいつら、一人一人出てこないで、一気にかかって来いよと思うが、これもシナリオ上、時代劇の習わしを踏襲した結果なのだろうか。
今、思えば俺と南はここに来て、ほとんど異能を使っていないなと思う。
しかし、まぁ沙代里がいれば、そこまで苦戦を強いられることも少ないだろうと高を括る。ほとんど瞬殺に近いしな。
「よくここまで来られた。ここを通れば、貴殿等が求める女子のもとまですぐじゃ。」
爺さんはにこやかに俺たちにそう宣言する。
「あ。俺この爺さん見たことあるわ。あれだ。RPGに出てくる爺さんだよ。なんか色々教えてくれるが、最後にボスになったりするんだよ。」
南はしたり顔で俺らに説明する。
ああ。確かにあいつに貸したゲームにこんなのが入っていたなと懐古する。
「で、沙代里。この爺さん知ってる?」
「ううん。知らない。だれ?このジジイ。」
その言葉に老人は苦笑いを浮かべるが、沙代里は尚、こんなジジイ知らねぇ!と一人騒いでいる。
口の悪いギャルは置いておいても、この爺さんはなにやら強キャラ感がすごい。できれば戦いたくはない。
よし!今のうちに異能が使えないようにしておこう。
今までの感じだと、俺、あんまり活躍してないしな。
俺は手を静かに握り締めた。
爺さんは俺たちを再度見ると、表情を綻ばせ、臨戦態勢に入る。
そして笑いながら、こちらに襲いかかってきた。
「さて。それでは始めるとしよう。ここで若い目をつんでやるのもわしの仕事じゃ。…………。ハイヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤーーーーーーーーーーーー!!!!!」
気迫せまる爺の叫びが部屋に響く。老人の頭に血管が浮き、強張った顔でそのま叫び続ける。なにかが起きそうだ。
部屋が揺れ、皆が恐れおののき、身をのけ反らせる。
そのまま、老人は17秒ほどシャウトを続ける。ブレスも入れずにシャウトを継続するのだ。
そして高いシャウトから、キーを少し低くしたシャウトに繋がる。
そのボーカルの高等テクニックに一同は唖然とし、歓喜の涙を流す者までいる。アホな南のことだ。
しかし、何も起きない。
何も起きていないことに気が付いた爺はそのまま固まっていた。
俺たちは目を丸くして、爺を見つめる。爺も俺たちを見つめる。
爺を見つめている時、爺もまた俺たちを見つめているのだ。
ここに謎の時間が流れる。
虚を表現する時間なのか?
静観を続ける俺たち。
時が止まったように思えた。
こうして老人と長時間見合わせている瞬間などサウナに入った時くらいだろう。
1分ほど黙っていれば、亜里沙ちゃんは爺の顔に飽きたのか、スマホゲームを始める始末だ。
爺は一度、咳払いをし、そしてまた臨戦態勢に入る。
「いや。違う。ちょっと間違った。…………はい。二回戦に突入じゃ!!はあああああああああああああああああーーーーーーーーー!!!極限んんんんんんんーーーーー!!!!!」
「うるさい。ジジイ飛んじゃえ!!」
彼女の指がパチンと部屋に鳴り響く頃には、爺は消え去っていた。
俺たちはなんとも言えない気持ちになり、そのまま次に進む。
亜里沙ちゃんはまだ爺が消え去ったことに気が付いておらず、そのまま爺の部屋でスマホゲームを楽しんでいたので、放置して俺たちは何も言わずに次の部屋のドアを開いた。
そして、そのソファに偉そうに腰かけている子供がいた。
しかし、彼がその容姿通りの子供ではないことが伺える。
それは明桜高校の制服を着ていたからだ。
その子供はこちらに振り向くとニタリとニヒルに笑いかけて、ソファから立ち上がる。
「ようこそ。君たちのことは草木さんから聞いているよ。侵入者だと。」
「いや。みんなそういうけど、お前らが誘拐しなければここまで来ねぇよ。そこをどけよ。子供相手に拳を上げるつもりはねぇからよ。」
南が嫌味を吐いて、その子供を叱りつけるように諭す。
「ん?分かってないなぁ。ここからは戦争だ。最後にあんたらが立っているか、僕が一人立っているかは誰も分からないんだ。」
その子供はキリッとセリフのように言い切る。
「なんかウザい子供だな。なぁ?北条。…………え?」
北条さんはその子供を見て、何故か固まっていた。
「美紀ちゃん…………。どうしたの?」
亜里沙ちゃんも心配そうに北条さんを気にしている。
「いえ。ごめんなさい。あまりに可愛いショタだったもので放心してしまっていたわ。もう少しで私も陥落していたところだったけど、南くんの下種な声が聞こえたからなんとか理性を保てたわ。ありがとう。南くん。」
「なんかすごいムカつくなぁ。お前もさっきの部屋に帰ってあの平上とかって奴と混ざってこいよ。」
「何言ってるの?私はイケメンは嫌いなのよ。あの自信満々の笑った顔が嫌い。殴りたくなる。それに比べてこのショタの背伸びして格好つけてる感じはそそられるわ。」
北条さんはそうどこかのイケメンに恨みつらみを吐きながら、ショタを愛でるように見つめていた。
南はとりあえず、馬鹿になっている北条さんを置いておいて、この子供について沙代里に聞くことにしたようだ。
「怖いな。ショタコン怖い。それで…………沙代里はこのガキ知ってる?」
「うん。ペタの弟子だよぉ。」
当然のように沙代里は言い切る。
「そうなのか…………。え!?ペタの?」
「そうそう。三島 徹(みしま とおる)くん。あんな見た目だから同年代の女の子にモテなくて。それでいて年上の女の子が好きだからペタの弟子になったんだって。喧嘩でもペタに負けたしね。」
「え?負けたの?」
「うん。徹くんは一応、レベルSの身体能力向上の異能の持ち主なんだけど。なんでだろ?ペタの方が強かったんだよねぇ。それでペタのこと兄貴って慕ってたよ。…………あ。徹くん久しぶり!」
そう沙代里が彼に呼びかけると、彼は困ったような顔をした。何か都合が悪いような。
「あ…………。えっと沙代里さん。なんでここに。もうファウストはやめたって聞いたから僕はここに入ったのに。」
「そうなのぉ。私、シャクンタラーに入ってここ潰しにきたの。徹くん。そこ通してもらってもいい?」
「えっと。それは…………。駄目です。僕が草木さんに叱られてしまいます。」
「そうなんだぁ。でも、このことペタに言っちゃうよ?」
「それは…………。でも。」
「あと、そこの南くんはペタの友達だよ?どうするの?」
「えっと…………。」
徹君、もといショタは辛そうに顔を背け、考え込んでしまう。
先程の偉そうな態度とは打って変わって、モジモジとシャツの裾を弄りながら悩んでいる。
しかし、そこに救いの手を差し伸べる者がいた。
「待ちなさい。沙代里さん。ショタをいじめるのはやめなさい。」
「え?沙代里ぃ。今めっちゃ正しいこと言っていなかった?ね?西京?」
「ああ。めっちゃ正しいことを言っていたな。まぁそこのショタコンがおかしいのは誰が見ても明らかだ。」
「うっさいわね。外野は黙って先に進みなさい。」
北条さんはしっしっとコバエでも払うようにこちらに手を振る。
「は?」
北条さんは俺を無視し、そのままショタのもとへと近づいていく。
そして、ショタの頭をなでると、見たこともない優しい顔つきでショタに語りかける。その慈愛に満ちた微笑みにショタも固まっている。
「あなた。名前は徹君と言ったかしら。お姉さんがここに留まったら、貴方は私を足止めしていることになるんじゃないかしら?どう?」
「えっと…………。」
「どうかしら?お姉さんと少しの時間、一緒にいてくれないかしら?そしたら貴方も怒られないでしょう?」
「はい。そうですね。そうします。」
徹くんは完全に北条さんの美貌に鼻の下を伸ばして、頷く。
ここにショタは陥落したのである。
そうして、その休憩室に北条さんとショタを残して、俺たちはあきれてものも言えず歩を進めた。
次の部屋に着くと、そこには老人が一人待ち構えていた。
こいつら、一人一人出てこないで、一気にかかって来いよと思うが、これもシナリオ上、時代劇の習わしを踏襲した結果なのだろうか。
今、思えば俺と南はここに来て、ほとんど異能を使っていないなと思う。
しかし、まぁ沙代里がいれば、そこまで苦戦を強いられることも少ないだろうと高を括る。ほとんど瞬殺に近いしな。
「よくここまで来られた。ここを通れば、貴殿等が求める女子のもとまですぐじゃ。」
爺さんはにこやかに俺たちにそう宣言する。
「あ。俺この爺さん見たことあるわ。あれだ。RPGに出てくる爺さんだよ。なんか色々教えてくれるが、最後にボスになったりするんだよ。」
南はしたり顔で俺らに説明する。
ああ。確かにあいつに貸したゲームにこんなのが入っていたなと懐古する。
「で、沙代里。この爺さん知ってる?」
「ううん。知らない。だれ?このジジイ。」
その言葉に老人は苦笑いを浮かべるが、沙代里は尚、こんなジジイ知らねぇ!と一人騒いでいる。
口の悪いギャルは置いておいても、この爺さんはなにやら強キャラ感がすごい。できれば戦いたくはない。
よし!今のうちに異能が使えないようにしておこう。
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俺は手を静かに握り締めた。
爺さんは俺たちを再度見ると、表情を綻ばせ、臨戦態勢に入る。
そして笑いながら、こちらに襲いかかってきた。
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そのまま、老人は17秒ほどシャウトを続ける。ブレスも入れずにシャウトを継続するのだ。
そして高いシャウトから、キーを少し低くしたシャウトに繋がる。
そのボーカルの高等テクニックに一同は唖然とし、歓喜の涙を流す者までいる。アホな南のことだ。
しかし、何も起きない。
何も起きていないことに気が付いた爺はそのまま固まっていた。
俺たちは目を丸くして、爺を見つめる。爺も俺たちを見つめる。
爺を見つめている時、爺もまた俺たちを見つめているのだ。
ここに謎の時間が流れる。
虚を表現する時間なのか?
静観を続ける俺たち。
時が止まったように思えた。
こうして老人と長時間見合わせている瞬間などサウナに入った時くらいだろう。
1分ほど黙っていれば、亜里沙ちゃんは爺の顔に飽きたのか、スマホゲームを始める始末だ。
爺は一度、咳払いをし、そしてまた臨戦態勢に入る。
「いや。違う。ちょっと間違った。…………はい。二回戦に突入じゃ!!はあああああああああああああああああーーーーーーーーー!!!極限んんんんんんんーーーーー!!!!!」
「うるさい。ジジイ飛んじゃえ!!」
彼女の指がパチンと部屋に鳴り響く頃には、爺は消え去っていた。
俺たちはなんとも言えない気持ちになり、そのまま次に進む。
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