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第2章 シャクンタラー対ファウスト
第34話 南くんの初恋⑩
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声が聞こえる。
「なみくん…………みなみくん…………南くん…………和樹くん。」
これは誰の声だろう。
西京の声にしては可愛らしい、線の細い声だ。
これは最近いつも聞いていた心地の良い声音だ。
「和樹くん…………和樹くん。大丈夫。大丈夫。」
何が大丈夫なんだ?
何が起こっているんだ?
しかし、その声を聞いていると興奮していた自分の気持ちが落ち着いてくる。そうして、その声の主が分かったとき目を開いた。
すると、涙目の彼女が俺を見下ろしていた。
彼女の髪が俺の頬に垂れており、多少痒さを覚える。
そうして、街灯の下、夜の中に光を見出した彼女の一双の双眸を見つめていた。
「なんで…………ここは。ああ。公園か…………。なんで?でも…………俺は西京を見ていて。」
「大丈夫です…………。かず…………南くん。大丈夫ですから。」
「だから何が大丈夫なんだ?俺は…………。」
「大丈夫ですから…………。大丈夫です。今ここには誰もいません。だから我慢しなくてもいいんです。大丈夫ですから。」
「我慢?なにを…………。え?」
俺は何故か泣いていた。なんだ痒かったのは彼女の髪の所為じゃない。大粒の涙が伝っていった軌跡が痒く感じていたのか。
そうして冷静になってくると、先ほどの夢を思い出す。連続して俺を惑わす悪夢を。
あれはなんだったのだろう?
でもこれだけは分かる。
あれは実際にあったことだと。それだけは何故か分かったのだ。
そうして改めて実感すると、心がいっぱいになり、吐き出したくなる。
「…………なんなんだ。あれは…………。でも、あれは。あれは。俺はなんで何もできなかったのだろう。なんで何もしてやれなかったのだろう。友達なのに。西京は俺のただ一人の友達なのに。なんでなんでなんでなんで。」
俺は罪悪感と悲哀で詰まってしまった心を吐き出すようにただ泣いた。途中からは声も出なくなって。
引き攣ったような嗚咽だけが、その静かな公園に音を落とした。
ただただ心が決壊したように涙が溢れて、外に逃げていく。それを彼女は優しく「大丈夫。大丈夫。」と幼子をあやすように俺の頭に手を当てて、優しく声をかける。
「俺はなにもできなかったんだ…………。だから。だからもう後悔したくなかった。いや。怖かったんだ。何かしていなかったら。またあんなことが起こるかもしれないから…………。こんなこと意味ないのにな。でも…………怖くて。」
「ええ。大丈夫です。西京さんはちゃんと教室にいたじゃないですか?大丈夫です。どれもこれも私の異能が貴方に見せた悪夢に過ぎません。大丈夫。大丈夫。」
彼女の声が脳に溶けていく。
心に溶けて広がっていく。
俺は彼女に救われていた。
あんなものを一人でいたら俺は夢の中の自分と同じように狂っていたに違いない。
彼女がいて本当に良かったと心から感謝した。
不安も苦悩も際限なく溢れてくるが、彼女の声を聞いていると、そのたびに小さくなって消えていくようで、安心して身を預けていた。
預けていた。
預けていた?
俺は安心し安堵のため息を漏らしながら、涙で真っ赤になった瞳で自分の体を確認する。
すると、俺の体は俺が眠る前に彼女が座っていた公園のベンチに彼女の代わりに寝かされており、彼女の膝の上に自分の頭を置いていた。膝枕というやつか。
あれ。これ恥ずかしいぞ。
凄く恥ずかしくないか。
いや。恥ずかしい。
まぁでも何も言わないでおこう。
ここで照れて何かを言えば、この至福の時間は終わってしまう。彼女とのこの時間を存分に味わっていよう。
俺は泣き止むと、気持ちの悪い笑みで彼女の膝に頭を預けていた。
「南くん?もう大丈夫そうですね?」
「なんでだ?ヤバイですよ?」
「そんな嬉しそうにしてたらもう大丈夫ですよ。…………恥ずかしいのでもうこの体勢やめましょうか?」
「いや。ごめん。無理。マジで。無理です。立てません。」
「そうですか…………じゃあ。最後ですから。最後くらい私が南くんを独占していてもいいですよね?」
「は?最後?」
俺は思わず彼女の顔をマジマジと見つめてしまう。彼女は申し訳なさそうに照れて顔を背けてしまう。
「ええ。もう駄目ですよ。…………わたし。私嘘をついていたんです。全然異能を使いこなせていない。ずっと我慢していただけなんです。それでもなんとか我慢出来ていたのに、何故か南くんとあの二人の女の子を見て、私の異能が治ったらどうなるんだろうってそんな馬鹿なことを考えてそれで…………そんな事を考える自分が嫌になって。
それに、またこんなことになったらもう南くんが潰れてしまいます。」
「それは…………え?なに言ってるんだ?俺は最強の異能者だぞ?こんなもん食らったうちに入らないんだ。」
「南くんは優しいですから…………ずっと我慢してくれていたんですよね?だって。ほら。」
そういうと、彼女は俺の腕を指さした。
そこには生々しい傷跡が腕の上を今も這っており、言い訳など出来そうにない。
彼女はその傷を悲痛な表情で見て、触れようとして、手を震わせた。
「だから、もう会うのはやめましょう。私も誰かを傷つけてまで社会に出たいなんて思いません。だから…………。」
その瞬間。いままでのことが思い返された。
こんなセリフいつも言われてきたなと。
でも今回のはいつものとは比にならない。
彼女の別れの言葉は俺の心を貫いた。
その言葉を聞いたとき、その理不尽な言葉に苛立ちと、彼女にそんな言葉を言わせている自分が酷く恥ずかしく思えたのだ。
「それは…………じゃあ。じゃあどうするんだ?これからもずっとあの部屋にいるのか?君のお母さんも心配していたよ。このままでいいのかって。」
ほら。また違う理由で相手を言いくるめようとしている。
それは今は関係のないことだ。
逃げるなよ。
そうやって西京の件も逃げたのか?
もう逃げるな。
これはお前の問題だ。南 和樹。お前の問題なんだ。
「それは…………でも。」
「君もドアから出てこないのか?俺はまた待ち続けないといけないのか?また俺だけ一人になるのか?また…………」
「それは卑怯ですよ…………。それに南くんは色んな人に愛されています。それはすごいことなんですよ。色んな人が貴方を求めていて、だから私みたいな駄目な人間を気に掛けなくてもいいんです。」
「駄目?なんだそれ?西山さんのどこが駄目なんだ?そんなの誰が決めたんだ?」
また違うところに論点を変えようとしている。
いい加減にしろ。
俺は自分に腹を立てて、彼女に対して語気を強めてしまう。
「だって!!だって私は臆病者ですから!!私の所為で田村さんは壊れて…………。なのに私、一度も彼女のもとに行けてないんです!!私なんて駄目な人間なんです。だから…………。」
彼女の瞳から涙が零れ落ちた。
その涙が俺の頬に落ちて、俺はその目から視線を外せなくなる。
ああ。いいよ。
もう逃げていても彼女を動かせない。
なんだろう。
こうも緊張するのか。それはお前、西京のことを臆病者なんて言えないな。俺も怖いさ。
でも、もう逃げるのはやめだ。
「駄目か…………。俺もそうだよ。駄目な男だ。怖いから色んな人に頼って。それで今はこんなフウに女の子に慰められて。馬鹿みたいだろ?」
「そ、そんなことありません。私…………。」
「西山さん…………己を卑下することはない。君はちゃんと頑張っていたじゃないか。それは俺がずっと見ていた。」
「でも。こんなの…………。それに私、南くんを傷つけていたことに気が付かなくて、それにまた傷つけて。だから…………。」
「いいんだよ。傷つけて…………。それにあんまり卑下しないでよ。俺は自分の好きな人が自分を駄目だなんて言っていたらやっぱり悲しいよ。」
「でも…………。え?今、なんて………。」
俺は彼女の唇を塞いだ。彼女は突然の俺の行動に驚いて、その身をのけ反らせて、瞬きを繰り返してこちらを見ていた。
「え…………。え!?今…………何を!?」
「ねぇ。じゃあ。俺が貴方のことを。いや、香のことを好きだから一緒にいてくれませんか?って言ったらどうする?」
「はぇ?…………。えっと。なんで…………。えっと。」
「ん?いやだからえっと。香さん。俺と付き合ってもらえませんか?」
「でも…………私。また貴方を傷つけてしまうかもしれません。」
「いいんだよ。好きな人に傷つけられるってのは男冥利につきる話だしな。」
「Ⅿなんですか?」
「ん?そうかも?」
「私…………それでも貴方が…………自分の好きな人が傷つくところはみたくありません。だから。」
「下の名前で呼んでよ。それに…………俺はⅯだからいいんだよ。傷つけていいんだ。その分、もっと楽しいことも香から貰うつもりだから。俺は香に側にいてほしい。西京のことも。君のことも。等しく俺が守りたい人なんだ。香はどう?」
「私はもう誰も傷つけたくありません。みなみく…………和樹くんなら尚更そうです。だから、もし和樹くんが私を必要としてくれるなら、私は側にいたいです。本当は優しくて弱い貴方を一人にもしたくないんです。…………えっとだから………えっと。なんて言ったらいいんでしょう?」
彼女は泣いた顔で無理やり笑ったような顔をして、俺もそれを見て彼女に笑いかける。
そうして、俺は彼女にもう一度キスをした。
「なみくん…………みなみくん…………南くん…………和樹くん。」
これは誰の声だろう。
西京の声にしては可愛らしい、線の細い声だ。
これは最近いつも聞いていた心地の良い声音だ。
「和樹くん…………和樹くん。大丈夫。大丈夫。」
何が大丈夫なんだ?
何が起こっているんだ?
しかし、その声を聞いていると興奮していた自分の気持ちが落ち着いてくる。そうして、その声の主が分かったとき目を開いた。
すると、涙目の彼女が俺を見下ろしていた。
彼女の髪が俺の頬に垂れており、多少痒さを覚える。
そうして、街灯の下、夜の中に光を見出した彼女の一双の双眸を見つめていた。
「なんで…………ここは。ああ。公園か…………。なんで?でも…………俺は西京を見ていて。」
「大丈夫です…………。かず…………南くん。大丈夫ですから。」
「だから何が大丈夫なんだ?俺は…………。」
「大丈夫ですから…………。大丈夫です。今ここには誰もいません。だから我慢しなくてもいいんです。大丈夫ですから。」
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俺は何故か泣いていた。なんだ痒かったのは彼女の髪の所為じゃない。大粒の涙が伝っていった軌跡が痒く感じていたのか。
そうして冷静になってくると、先ほどの夢を思い出す。連続して俺を惑わす悪夢を。
あれはなんだったのだろう?
でもこれだけは分かる。
あれは実際にあったことだと。それだけは何故か分かったのだ。
そうして改めて実感すると、心がいっぱいになり、吐き出したくなる。
「…………なんなんだ。あれは…………。でも、あれは。あれは。俺はなんで何もできなかったのだろう。なんで何もしてやれなかったのだろう。友達なのに。西京は俺のただ一人の友達なのに。なんでなんでなんでなんで。」
俺は罪悪感と悲哀で詰まってしまった心を吐き出すようにただ泣いた。途中からは声も出なくなって。
引き攣ったような嗚咽だけが、その静かな公園に音を落とした。
ただただ心が決壊したように涙が溢れて、外に逃げていく。それを彼女は優しく「大丈夫。大丈夫。」と幼子をあやすように俺の頭に手を当てて、優しく声をかける。
「俺はなにもできなかったんだ…………。だから。だからもう後悔したくなかった。いや。怖かったんだ。何かしていなかったら。またあんなことが起こるかもしれないから…………。こんなこと意味ないのにな。でも…………怖くて。」
「ええ。大丈夫です。西京さんはちゃんと教室にいたじゃないですか?大丈夫です。どれもこれも私の異能が貴方に見せた悪夢に過ぎません。大丈夫。大丈夫。」
彼女の声が脳に溶けていく。
心に溶けて広がっていく。
俺は彼女に救われていた。
あんなものを一人でいたら俺は夢の中の自分と同じように狂っていたに違いない。
彼女がいて本当に良かったと心から感謝した。
不安も苦悩も際限なく溢れてくるが、彼女の声を聞いていると、そのたびに小さくなって消えていくようで、安心して身を預けていた。
預けていた。
預けていた?
俺は安心し安堵のため息を漏らしながら、涙で真っ赤になった瞳で自分の体を確認する。
すると、俺の体は俺が眠る前に彼女が座っていた公園のベンチに彼女の代わりに寝かされており、彼女の膝の上に自分の頭を置いていた。膝枕というやつか。
あれ。これ恥ずかしいぞ。
凄く恥ずかしくないか。
いや。恥ずかしい。
まぁでも何も言わないでおこう。
ここで照れて何かを言えば、この至福の時間は終わってしまう。彼女とのこの時間を存分に味わっていよう。
俺は泣き止むと、気持ちの悪い笑みで彼女の膝に頭を預けていた。
「南くん?もう大丈夫そうですね?」
「なんでだ?ヤバイですよ?」
「そんな嬉しそうにしてたらもう大丈夫ですよ。…………恥ずかしいのでもうこの体勢やめましょうか?」
「いや。ごめん。無理。マジで。無理です。立てません。」
「そうですか…………じゃあ。最後ですから。最後くらい私が南くんを独占していてもいいですよね?」
「は?最後?」
俺は思わず彼女の顔をマジマジと見つめてしまう。彼女は申し訳なさそうに照れて顔を背けてしまう。
「ええ。もう駄目ですよ。…………わたし。私嘘をついていたんです。全然異能を使いこなせていない。ずっと我慢していただけなんです。それでもなんとか我慢出来ていたのに、何故か南くんとあの二人の女の子を見て、私の異能が治ったらどうなるんだろうってそんな馬鹿なことを考えてそれで…………そんな事を考える自分が嫌になって。
それに、またこんなことになったらもう南くんが潰れてしまいます。」
「それは…………え?なに言ってるんだ?俺は最強の異能者だぞ?こんなもん食らったうちに入らないんだ。」
「南くんは優しいですから…………ずっと我慢してくれていたんですよね?だって。ほら。」
そういうと、彼女は俺の腕を指さした。
そこには生々しい傷跡が腕の上を今も這っており、言い訳など出来そうにない。
彼女はその傷を悲痛な表情で見て、触れようとして、手を震わせた。
「だから、もう会うのはやめましょう。私も誰かを傷つけてまで社会に出たいなんて思いません。だから…………。」
その瞬間。いままでのことが思い返された。
こんなセリフいつも言われてきたなと。
でも今回のはいつものとは比にならない。
彼女の別れの言葉は俺の心を貫いた。
その言葉を聞いたとき、その理不尽な言葉に苛立ちと、彼女にそんな言葉を言わせている自分が酷く恥ずかしく思えたのだ。
「それは…………じゃあ。じゃあどうするんだ?これからもずっとあの部屋にいるのか?君のお母さんも心配していたよ。このままでいいのかって。」
ほら。また違う理由で相手を言いくるめようとしている。
それは今は関係のないことだ。
逃げるなよ。
そうやって西京の件も逃げたのか?
もう逃げるな。
これはお前の問題だ。南 和樹。お前の問題なんだ。
「それは…………でも。」
「君もドアから出てこないのか?俺はまた待ち続けないといけないのか?また俺だけ一人になるのか?また…………」
「それは卑怯ですよ…………。それに南くんは色んな人に愛されています。それはすごいことなんですよ。色んな人が貴方を求めていて、だから私みたいな駄目な人間を気に掛けなくてもいいんです。」
「駄目?なんだそれ?西山さんのどこが駄目なんだ?そんなの誰が決めたんだ?」
また違うところに論点を変えようとしている。
いい加減にしろ。
俺は自分に腹を立てて、彼女に対して語気を強めてしまう。
「だって!!だって私は臆病者ですから!!私の所為で田村さんは壊れて…………。なのに私、一度も彼女のもとに行けてないんです!!私なんて駄目な人間なんです。だから…………。」
彼女の瞳から涙が零れ落ちた。
その涙が俺の頬に落ちて、俺はその目から視線を外せなくなる。
ああ。いいよ。
もう逃げていても彼女を動かせない。
なんだろう。
こうも緊張するのか。それはお前、西京のことを臆病者なんて言えないな。俺も怖いさ。
でも、もう逃げるのはやめだ。
「駄目か…………。俺もそうだよ。駄目な男だ。怖いから色んな人に頼って。それで今はこんなフウに女の子に慰められて。馬鹿みたいだろ?」
「そ、そんなことありません。私…………。」
「西山さん…………己を卑下することはない。君はちゃんと頑張っていたじゃないか。それは俺がずっと見ていた。」
「でも。こんなの…………。それに私、南くんを傷つけていたことに気が付かなくて、それにまた傷つけて。だから…………。」
「いいんだよ。傷つけて…………。それにあんまり卑下しないでよ。俺は自分の好きな人が自分を駄目だなんて言っていたらやっぱり悲しいよ。」
「でも…………。え?今、なんて………。」
俺は彼女の唇を塞いだ。彼女は突然の俺の行動に驚いて、その身をのけ反らせて、瞬きを繰り返してこちらを見ていた。
「え…………。え!?今…………何を!?」
「ねぇ。じゃあ。俺が貴方のことを。いや、香のことを好きだから一緒にいてくれませんか?って言ったらどうする?」
「はぇ?…………。えっと。なんで…………。えっと。」
「ん?いやだからえっと。香さん。俺と付き合ってもらえませんか?」
「でも…………私。また貴方を傷つけてしまうかもしれません。」
「いいんだよ。好きな人に傷つけられるってのは男冥利につきる話だしな。」
「Ⅿなんですか?」
「ん?そうかも?」
「私…………それでも貴方が…………自分の好きな人が傷つくところはみたくありません。だから。」
「下の名前で呼んでよ。それに…………俺はⅯだからいいんだよ。傷つけていいんだ。その分、もっと楽しいことも香から貰うつもりだから。俺は香に側にいてほしい。西京のことも。君のことも。等しく俺が守りたい人なんだ。香はどう?」
「私はもう誰も傷つけたくありません。みなみく…………和樹くんなら尚更そうです。だから、もし和樹くんが私を必要としてくれるなら、私は側にいたいです。本当は優しくて弱い貴方を一人にもしたくないんです。…………えっとだから………えっと。なんて言ったらいいんでしょう?」
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