異世界で僕…。

ゆうやま

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2章48話

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僕達に攻撃を仕掛けて来きた者が姿を現すとその者を見たバムとレヴィは異常なぐらい冷静さを失っている。

「退け…お前達には用は無い」

「ランジュール!貴様には無くてもこっちには大ありだ!」

「その体、…引き裂いて噛み砕いてやる」

ランジュール…邪神君主?

まさか!バルちゃんとバム、レヴィが邪神をやってしまって復讐に来たかと焦ったがその犯人に用はないと言った。

なら、用があるのは僕ことになる。

[[主様…私達が時間を稼ぎます、その隙に遠く離れて下さい]]

バムから念話がきて、時間を稼ぐ内に離れろと言われた。

[[わかった!イリヤとリリヤを安全な場所に置いてからすぐ戻る]]

[[いいえ、そのままラーズ国まで行って下さい]]

[[そんな!僕に逃げろって?]]

[[…]]

[[…]]

二人は返事がなかった…それは肯定の意味だ…。

でも…今は双子を安全な場所に連れて行くのが最優先なのでとにかくこの場から離れようとした。

それに僕達がいれば二人は本気で戦えないはずだ…。

[[わかったよ…それと熱くなりすぎだよ!あと危なげなくなったら撤退して!絶対だよ!]]

[[はい!主様!]]

[[なぁんの!あんなやつちょっちょいのちょいですよ♪]]

バムとレヴィは先と違って少し冷静を取り戻した感じで安心した。

二人は同時にランジュールに向けてブレスを放った。

それを合図として僕は双子を持ち上げて全力で走った。

「は、ハルト」

「えっ!は、ハルトさん!」

「ごめん!でも今は我慢して欲しい!」

「う、うん…」

「はい……」

ガガガガガーン!

凄い威力の爆発で発生した熱風が結構離れたけと背から熱を感じた。

確かにそこに僕達がいたら巻き込まれて炭になっていただろうな…。

「小手調べでこれほどとは…さすがだな、バハムートとレヴィヤターン」

ブレスを防げたランジュールの手は軽い火傷の跡が残った。

「それでくたばると困るんでな…存分に苦痛を味あわせてやる」

「余裕をかますのも今だけよ?クク」

「奴を逃す為の目くらましか?そうはいかない…逃がさんぞ!」

「行かせん!」

「うちら相手でよそ見すると死ぬよ?」

「うむ…お前らの相手はしばらくこの子達にして貰おう…ケリ!フレキ!」

青い毛並みの二匹の狼が現れ、急に巨大化し、バムとレヴィに威嚇した。

邪神君主が呼んでいた二匹の狼の名前はどっかで聞いたことがある名前だった。

「出でよスレイプニル!」

空から八脚馬が上空を地面のように駆けて来てそれを乗って邪神君主は僕に方に向かって来た…。

明らかに標的は僕じゃん?

「主様!こいつ…退けー!」

「邪魔するな!」

ケリとフレキは二人の巨体の攻撃を素早く避けながら噛み付いた。

バムとレヴィが2匹の狼に阻まれた隙にランジュールは僕に猛突進して来た。

「グングニールよ!」

やはり!こいつの正体は!

2匹の狼ケリとフレキ…そして八脚馬のスレイプニル…それに勝戦の槍グングニール!あまりにもわかりやすい特徴…。

何故あの神が邪神君主なんだ?

必死に走って逃げたがスレイプニルの速さには敵わないと判断して僕は応戦する事にした。

正直あの神には勝てる気がしないが…諦める訳にはいかない。

「イリヤ、リリヤ…出来るだけ遠くまで走って!」

「……嫌だ」

「逃げません!」

「あれは本当に危険だ!わかってくれ!」

「だからだよ!」

「そうです…もう守られてだけは嫌です!」

「イリヤ!リリヤ!」

双子を説得する間も無くランジュールに追い付かれてしまった…。

それに奴の目を見てわかった。

双子も逃すつもりは無いと…。

僕は双子を降ろしてランジュールに向かって剣をら抜いた。

僕と双子を狙う理由が分からない!

邪神をやってしまったのは僕達じゃないのに!

バルちゃんの……バカぁああ!
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