恋の居場所

ルーネシア王国 4

　そう言われると何も言い返せなくなる。

「次できるのは夏休みになってからかも。ユリは先進めてていいよ。まあ、一緒にやるときに俺のを手伝ってもらう羽目になるかもしれないけど」

　明日からテスト2週間前になる。

　私もこの2週間はやらないつもりなので、しばらくはログインできなくなってしまうということか。

　お城に入るのは2週間後までお預けということになる。

　早く行きたいがここは我慢だ。

　辛いテストを耐えた後にお城に入るという楽しみが待っていればテストも頑張れるというものだ。

「次一緒にやるまでに強くなっておくね！」

　ガッツポーズでアピールしておく。

「おう。俺も戦い方忘れないようにしておくわ」

　そう言ってアキラがログアウトをするため、ウィンドウを開いた。

「あ、待って！　フレンドになろ！」

　また忘れるところだった。

　アキラも、そういえばなってなかったね、という感じでウィンドウをいじり始めた。

『アキラさんからフレンド申請がきました』

　パーティを組む時と同じように、承認と拒否の2択が表示される。

「承認っと。これで一緒に遊ぶのもやりやすくなるね」

「そうだな。じゃあ、またな」

　そう言って今度こそアキラはログアウトをした。

「私もこの辺で終わりにしておこうかな」

　ここから進めてしまうとやめるタイミングを見失ってしまいそうだったので、私もここでログアウトすることにした。

　次この景色を見るのは2週間後。

　最後にぐるっと一回転して周りを見渡し、その景色を目に焼き付けてからログアウトをした。