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城の周りをウロウロしたり、あの方が貴族街に引っ越したと聞いた時に行こうと思ったが頑丈な警備で入れなかった。
それでもあの方を目で追っているだけで幸せだった。
きっとあの方も僕に微笑んでくれたから同じ気持ちだろう。
でも身分が違いすぎて、僕と一緒に居られない…同じ気持ちなんだ。
そう思っていたら、あの方が貧困街に入っていくのが見えた。
珍しい、あんな汚い場所あの方には似合わない。
貧困街にあの人が入って、僕も入ろうと思ったが止めた。
もし、知り合いが見ていて貧民堕ちしたなんて思われたら恥だ。
外で待っていればきっと来る、ここで何をしているのか知らないがきっと悪い貧乏人を懲らしめているのだろう。
今まで何度も声を掛けようと思っていたが、あの方を見つけたと思ったらすぐに居なくなってなかなか上手くいかなかった。
今度こそ声を掛けようと思って、貧困街の前で待っていた。
入り口は一つしかないと聞いたから絶対にあの方はここから出てくる。
そう信じて、何時間もそこで待っていた。
そしてやっと出てきたあの方に近付こうとして足を止めた。
あの方の隣には見知らぬ男がいた。
貧相な格好で、すぐに貧民だと分かった。
高貴な方であるあの方と肩を並べる事を決して許せないほどの男だ。
そのまま貴族街に入っていく二人を見て頭に血が上った。
なんだあの男は、あの方に近付いていい身分じゃないのにあの方の傍に…
きっと貧困街でなにかあったんだ、あの方はあの下劣な男に騙されて弱みを握られているのかもしれない。
きっとそうだ、じゃなきゃあんな特徴もない男…一緒にいる価値もない。
僕があの方を助けないと、これを知っているのは僕だけだ。
必ずあの男から救ってみせる。
貧民だからきっとレベルは低いだろうが、あの方を思い通りに出来るなにかがある筈だ。
警戒するに越した事はない。
貴族街に入るのは簡単ではない、それにあの方がいるところは一番警備が厳しいだろう。
それでも僕は諦めなかった、必ずあの方を助け出すと…
警備が緩くなるのは人の出入りが多い時間帯だ。
人の近くに紛れれば簡単に入れると考えた。
僕は深くフードを被りながら、貴族街に向かって歩いていった。
これがバレたら貧民堕ちするだろう、それほどまでに貴族街に侵入するのは重罪だ。
でも僕はあの方を助けるという立派な使命がある。
家族もきっと分かってくれる筈だ。
貴族街に一歩踏み出した時、ビリビリと電流のようなものが流れた。
これが、貴族街を守っている結界?
正面から入るとすぐにバレるから少し離れたところから入ろうと貴族街の壁をよじ登った。
苦しくて痛くて、気が狂いそうになった。
でも、こんなもので僕を止める事なんて出来ない。
僕は、必ず、あの方と共に…
死ぬ気で通ればこんなもの何でもなかった。
僕を止められる者なんて誰もいないんだ、あの方でさえ…
無理矢理滑り込むようにして一番街までやってきた。
手足が痺れて動かない、全身火傷をしたように痛い。
頑丈な警備の一番街でも、死ぬような結界でなくて良かった。
死んだら、あの方を助ける人が誰もいなくなってしまう。
しばらく一番街の隅で自然回復を待った。
ここはほとんど人が住んでいないみたいで、僕を気にするような人はいなかった。
影が薄いからと言われたらそうだけど、今はそれがありがたい。
あの方を助けろと、きっと神様が僕にチャンスを与えてくれたんだ。
少し体が動くようになり、隙間に隠れて…これならきっとあの方でさえ僕に気付かない。
ジッと一番街の隙間から周りを見ていたら、足音が聞こえた。
入り口を見ると、あの方が歩いているのが見えた。
心臓が高鳴って、目が逸らせなくなる。
あの方は僕に気付かず、歩いていってしまった。
今すぐに駆け寄りたいのに、動かない足が憎くて憎くて堪らない。
でも、あの方の家は分かった…一番大きな屋敷だ…あそこにアイツもいるのか。
感覚がない手を握りしめる。
僕は何も準備をしないで来たわけではない。
家の中にいるアイツを消す方法を本で見た。
人間の本は魔術に頼らない方法が沢山書いてあった。
それでもあの方を目で追っているだけで幸せだった。
きっとあの方も僕に微笑んでくれたから同じ気持ちだろう。
でも身分が違いすぎて、僕と一緒に居られない…同じ気持ちなんだ。
そう思っていたら、あの方が貧困街に入っていくのが見えた。
珍しい、あんな汚い場所あの方には似合わない。
貧困街にあの人が入って、僕も入ろうと思ったが止めた。
もし、知り合いが見ていて貧民堕ちしたなんて思われたら恥だ。
外で待っていればきっと来る、ここで何をしているのか知らないがきっと悪い貧乏人を懲らしめているのだろう。
今まで何度も声を掛けようと思っていたが、あの方を見つけたと思ったらすぐに居なくなってなかなか上手くいかなかった。
今度こそ声を掛けようと思って、貧困街の前で待っていた。
入り口は一つしかないと聞いたから絶対にあの方はここから出てくる。
そう信じて、何時間もそこで待っていた。
そしてやっと出てきたあの方に近付こうとして足を止めた。
あの方の隣には見知らぬ男がいた。
貧相な格好で、すぐに貧民だと分かった。
高貴な方であるあの方と肩を並べる事を決して許せないほどの男だ。
そのまま貴族街に入っていく二人を見て頭に血が上った。
なんだあの男は、あの方に近付いていい身分じゃないのにあの方の傍に…
きっと貧困街でなにかあったんだ、あの方はあの下劣な男に騙されて弱みを握られているのかもしれない。
きっとそうだ、じゃなきゃあんな特徴もない男…一緒にいる価値もない。
僕があの方を助けないと、これを知っているのは僕だけだ。
必ずあの男から救ってみせる。
貧民だからきっとレベルは低いだろうが、あの方を思い通りに出来るなにかがある筈だ。
警戒するに越した事はない。
貴族街に入るのは簡単ではない、それにあの方がいるところは一番警備が厳しいだろう。
それでも僕は諦めなかった、必ずあの方を助け出すと…
警備が緩くなるのは人の出入りが多い時間帯だ。
人の近くに紛れれば簡単に入れると考えた。
僕は深くフードを被りながら、貴族街に向かって歩いていった。
これがバレたら貧民堕ちするだろう、それほどまでに貴族街に侵入するのは重罪だ。
でも僕はあの方を助けるという立派な使命がある。
家族もきっと分かってくれる筈だ。
貴族街に一歩踏み出した時、ビリビリと電流のようなものが流れた。
これが、貴族街を守っている結界?
正面から入るとすぐにバレるから少し離れたところから入ろうと貴族街の壁をよじ登った。
苦しくて痛くて、気が狂いそうになった。
でも、こんなもので僕を止める事なんて出来ない。
僕は、必ず、あの方と共に…
死ぬ気で通ればこんなもの何でもなかった。
僕を止められる者なんて誰もいないんだ、あの方でさえ…
無理矢理滑り込むようにして一番街までやってきた。
手足が痺れて動かない、全身火傷をしたように痛い。
頑丈な警備の一番街でも、死ぬような結界でなくて良かった。
死んだら、あの方を助ける人が誰もいなくなってしまう。
しばらく一番街の隅で自然回復を待った。
ここはほとんど人が住んでいないみたいで、僕を気にするような人はいなかった。
影が薄いからと言われたらそうだけど、今はそれがありがたい。
あの方を助けろと、きっと神様が僕にチャンスを与えてくれたんだ。
少し体が動くようになり、隙間に隠れて…これならきっとあの方でさえ僕に気付かない。
ジッと一番街の隙間から周りを見ていたら、足音が聞こえた。
入り口を見ると、あの方が歩いているのが見えた。
心臓が高鳴って、目が逸らせなくなる。
あの方は僕に気付かず、歩いていってしまった。
今すぐに駆け寄りたいのに、動かない足が憎くて憎くて堪らない。
でも、あの方の家は分かった…一番大きな屋敷だ…あそこにアイツもいるのか。
感覚がない手を握りしめる。
僕は何も準備をしないで来たわけではない。
家の中にいるアイツを消す方法を本で見た。
人間の本は魔術に頼らない方法が沢山書いてあった。
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