ジャンヌ・ダルクは考える

藤いろ

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第四考・人の持つモノについて考える

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戦わない人々がいる。
民衆、それは悪い事ではない。
人間にはそれぞれ役割がある。能力差がある。出来る事出来ない事がある。
ジャンヌ・ダルクは考える。
自分は何故人々を先導して戦う事が出来たのだろう。
それは一重に自分にその才能があったからに尽きる。
それが他の人より秀でていたのだろう 。自分にだって出来ない事はある。
自分より農作物を作る事の出来る者、料理の出来る者、男性に好かれる者、洗濯の出来る者、と色々ある。
それなのに私は一時英雄と呼ばれていた。
それは今の時代が戦争の時代、革命の時代だからだ。
ちょうど自分の才能と時代が合ったに過ぎない。平和の世だったら自分など何の取り柄も何もない少女だ。
今偉そうにしている兵隊だって平和の世じゃただの穀潰しだ。偉い職業などないのに。それが分からない者、それを信じてそうしている回りの者、どちらも馬鹿だ。
皆と同じようにという事は個人的には大嫌いだ。
一人一人を尊重しない世は今だけで沢山だ。しかし人は違うモノを受け入れる器もそんなに大きくない。
皆と違うモノは嫌う。だが皆と違う自分を受け入れて欲しいという矛盾が人にはある。
人はワガママで馬鹿な生き物だ。そう思うと今、人扱いされていない自分は人ではないのだからある意味幸せなのかも知れない。
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