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第38話・チームシンドバッド1[教王アル・ラシード]
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これは王宮に戻ってからアラジンさん、アーズさん、バイコさん、バイオさ聞いた話をまとめたもの。
それぞれがそれぞれの視点で話すから(しかも一斉に)一人一人の話はよく分からなかった。
俺と別れた後、北門集合したチームシンドバッド。
別れてからずーっと文句を言っていたのはアーズさんとバイコさんだと。
アラジンさん、バイオさんはそれを無視。
シンドバッドさんは気にせず出発の準備。
5人は昨日と同じく魔法の絨毯で北側の千夜一夜物語があると噂の場所、教王の街に向かった。
教王とは昔シンドバッドさんの家庭教師をしていた人で教えるのがグランドで一番上手いらしい。
シンドバッドさんもその教える技術は認めて、教王の二つ名と街を一つ与えた。
教王の治める街は学問に特化していてあらゆる所に本屋、図書館、学校、と学ぶ為にはこれ以上の場所はない街になっている。
街の人気のない所に降り、街の中心通りに出る。
「うあ~なんだこりゃ!本しかない!」
チームシンドバッドの街に着いての第一声はバイコさん。
「バイコ君は教王の街は初めてぇ?」
「コイツは本は読まない」
「そんな感じにするねぇ」
「バイコ、テメーここでグランド語勉強してけよ。俺もう通訳すんの面倒くせぇ」
「アーズィム、それ必要か?」
「必要だから言ってんだろ!」
「お前面倒見良いよな、ボクは諦めたのに」
「黙れ、盗賊コンビ!」
「仲良いねぇ~君達」
「というか王様のその顔は何だ?」
その時のシンドバッドさんは布で顔グルグル巻きにしていた。かろうじて目が出てるくらい。
「これは顔バレ防止、イキナリ王様来たら皆んなビックリするでしょ」
「確かに」
「シンドバッド、早く行きましょう」
「アラジン、君は混ざらなくて良いのかいぃ?」
「それはどういう意味ですか?」
「そのままの意味だよぉ」
5人はそんな会話をしながら街を進み、目的の教王の城に辿り着いた。
「デカい城!」
またも第一声はバイコさん。
「これ私が立ててあげたんだよぉ」
「王様は教王の知り合いか?」
バイオさんが聞く。
「まぁねぇ、昔家庭教師してもらってんだぁ」
「ハッ王族様は贅沢だな!」
「教える事に関してグランドで教王に右に出る者はいないよぉ。アーズィム君も教えてもらうかいぃ?」
「いやマジでバイコに付けてやってくれ」
「ホントに通訳疲れてるんだねぇ」
城に入ろうとすると門番に止めれ、シンドバッドさんが顔を見せると門番は跪いてスグに教王の元に案内されたという。
城の一番奥が教王の部屋。
「や、アル・ラシード。元気かいぃ」
5人が部屋に入ると教王アル・ラシードは大泣きして床に頬ずりしていた。
「うわーん!ウワーン!うわわーん!!」
「オイ、コイツが教王か?」
アーズさんが指をさす。
「そうだよぉ。またフラれたのぉアル?」
「うわー・・・ややっ!これはシンドバッド様!シンドバッド様の幻覚が見えるー!うわーん!」
「泣くのを止めてぇ。幻覚でもないよぉ」
「幻覚じゃないー!これは現実~!うわーん!」
「うるさいな、コイツ」
「切るか」
「おお、やるかバイコ」
「シンドバッド、教王様が千夜一夜物語の居場所を知っているんですか?」
「君達クールだねぇ。まぁそうだねぇ」
「うわーん!!」
その後教王アル・ラシードは30分は泣き続けた。
シンドバッドさん達が何もしても泣き止まなかったらしい。
30分後、教王は訳を話し始めた。
「実は私、この間理想の方を見つけて。あ、シンドバッド様2年振りお久しぶりです。それでその方にアタックしようと思ったのですが。あ、これはアラジン様もお久しぶりで、アラジン様も2年振りで」
「話すか挨拶かどっちかにしろよ!ってか床に正座ってなんだよ!」
「これはガラの悪い方、初めまして。ではそちらのソファにどうぞ」
ソファに座り話の続き。
「初めましての方が多いでね。シンドバッド様の友人で?」
「まぁそうねぇ、それでぇ」
「オイいつからお友達になった、俺たちヨォ」
「そうだ、ボクはご主人様の為に来たんだぞ」
「アーズィム、バイオ、友人でもない者が教王様の部屋に無断で入ったら即死刑だ」
「シンドバッド様の親友のアーズィムです」
「同じくバイオです。コイツも親友のバイコです」
言葉の分からないバイコさんはとりあえず合わせて良い笑顔をする。
「私が教えてた頃より友人が増えたのですねシンドバッド様」
「他にも面白い友達いるよぉ、今は南の方にいるけどぉ」
「それはそれは家庭教師をしていた身としては嬉しい限りです」
「それでぇ?理想の子にアタックしようとしてだっけぇ?」
「そうです!そうです!それで手紙を書いてそれを詩人のアブー・ヌワースに託し、渡してもらおうと思ったのです。が、アブーがもう1週間戻らないのです。これはダメだったという事ではないのかと思い泣いていました!」
「戻らないと失敗なのぉ?」
「いえ分かりません。がアブーが私に気を遣って戻らないのかと思い・・・・」
「んだよ、じゃあそのアブーって奴ん所に行って確かめりゃ良いじゃねぇか」
「いやそもそも自分で渡しに行け」
「酷い!ガラの悪い方に前髪の方!そんなの怖くて出来ませんよ!」
また泣きそうになる教王。
「ん~まぁ好きな人からの答えって聞きたくて聞きたくないからねぇ。気持ちは分かるよぉ」
「シンドバッド様~!」
「教王、そのアブー君の所に私達が言ってあげようぅ。その代わりに頼みがあるんだぁ」
「おぉ!本当ですか!?何なりと!」
「この街にある本の中から変な本を探して欲しいぃ」
「変な本?この街の本の数はグランドで一番。変な本だらけですよ」
「体感型って言うのかなぁ。その本の話を読むんじゃなくて見る近い感じのぉ」
「見る??」
「教王なら開けば分かるよ」
「この街の本全て開いて探せと!?何万冊あるとお思いですか!」
「知らないぃ」
話を聞いた時はなんてえげつない頼みなんだろうと思った。
「君の恋の為だよぉ。さ、皆んなも何か頼みがあるなら頼んどくと良いよぉ」
「まだあるんですか!?」
その時同時にアーズさんととバイオさんが言った。
「「バイコにグランド語を教えてくれ!!」」
それぞれがそれぞれの視点で話すから(しかも一斉に)一人一人の話はよく分からなかった。
俺と別れた後、北門集合したチームシンドバッド。
別れてからずーっと文句を言っていたのはアーズさんとバイコさんだと。
アラジンさん、バイオさんはそれを無視。
シンドバッドさんは気にせず出発の準備。
5人は昨日と同じく魔法の絨毯で北側の千夜一夜物語があると噂の場所、教王の街に向かった。
教王とは昔シンドバッドさんの家庭教師をしていた人で教えるのがグランドで一番上手いらしい。
シンドバッドさんもその教える技術は認めて、教王の二つ名と街を一つ与えた。
教王の治める街は学問に特化していてあらゆる所に本屋、図書館、学校、と学ぶ為にはこれ以上の場所はない街になっている。
街の人気のない所に降り、街の中心通りに出る。
「うあ~なんだこりゃ!本しかない!」
チームシンドバッドの街に着いての第一声はバイコさん。
「バイコ君は教王の街は初めてぇ?」
「コイツは本は読まない」
「そんな感じにするねぇ」
「バイコ、テメーここでグランド語勉強してけよ。俺もう通訳すんの面倒くせぇ」
「アーズィム、それ必要か?」
「必要だから言ってんだろ!」
「お前面倒見良いよな、ボクは諦めたのに」
「黙れ、盗賊コンビ!」
「仲良いねぇ~君達」
「というか王様のその顔は何だ?」
その時のシンドバッドさんは布で顔グルグル巻きにしていた。かろうじて目が出てるくらい。
「これは顔バレ防止、イキナリ王様来たら皆んなビックリするでしょ」
「確かに」
「シンドバッド、早く行きましょう」
「アラジン、君は混ざらなくて良いのかいぃ?」
「それはどういう意味ですか?」
「そのままの意味だよぉ」
5人はそんな会話をしながら街を進み、目的の教王の城に辿り着いた。
「デカい城!」
またも第一声はバイコさん。
「これ私が立ててあげたんだよぉ」
「王様は教王の知り合いか?」
バイオさんが聞く。
「まぁねぇ、昔家庭教師してもらってんだぁ」
「ハッ王族様は贅沢だな!」
「教える事に関してグランドで教王に右に出る者はいないよぉ。アーズィム君も教えてもらうかいぃ?」
「いやマジでバイコに付けてやってくれ」
「ホントに通訳疲れてるんだねぇ」
城に入ろうとすると門番に止めれ、シンドバッドさんが顔を見せると門番は跪いてスグに教王の元に案内されたという。
城の一番奥が教王の部屋。
「や、アル・ラシード。元気かいぃ」
5人が部屋に入ると教王アル・ラシードは大泣きして床に頬ずりしていた。
「うわーん!ウワーン!うわわーん!!」
「オイ、コイツが教王か?」
アーズさんが指をさす。
「そうだよぉ。またフラれたのぉアル?」
「うわー・・・ややっ!これはシンドバッド様!シンドバッド様の幻覚が見えるー!うわーん!」
「泣くのを止めてぇ。幻覚でもないよぉ」
「幻覚じゃないー!これは現実~!うわーん!」
「うるさいな、コイツ」
「切るか」
「おお、やるかバイコ」
「シンドバッド、教王様が千夜一夜物語の居場所を知っているんですか?」
「君達クールだねぇ。まぁそうだねぇ」
「うわーん!!」
その後教王アル・ラシードは30分は泣き続けた。
シンドバッドさん達が何もしても泣き止まなかったらしい。
30分後、教王は訳を話し始めた。
「実は私、この間理想の方を見つけて。あ、シンドバッド様2年振りお久しぶりです。それでその方にアタックしようと思ったのですが。あ、これはアラジン様もお久しぶりで、アラジン様も2年振りで」
「話すか挨拶かどっちかにしろよ!ってか床に正座ってなんだよ!」
「これはガラの悪い方、初めまして。ではそちらのソファにどうぞ」
ソファに座り話の続き。
「初めましての方が多いでね。シンドバッド様の友人で?」
「まぁそうねぇ、それでぇ」
「オイいつからお友達になった、俺たちヨォ」
「そうだ、ボクはご主人様の為に来たんだぞ」
「アーズィム、バイオ、友人でもない者が教王様の部屋に無断で入ったら即死刑だ」
「シンドバッド様の親友のアーズィムです」
「同じくバイオです。コイツも親友のバイコです」
言葉の分からないバイコさんはとりあえず合わせて良い笑顔をする。
「私が教えてた頃より友人が増えたのですねシンドバッド様」
「他にも面白い友達いるよぉ、今は南の方にいるけどぉ」
「それはそれは家庭教師をしていた身としては嬉しい限りです」
「それでぇ?理想の子にアタックしようとしてだっけぇ?」
「そうです!そうです!それで手紙を書いてそれを詩人のアブー・ヌワースに託し、渡してもらおうと思ったのです。が、アブーがもう1週間戻らないのです。これはダメだったという事ではないのかと思い泣いていました!」
「戻らないと失敗なのぉ?」
「いえ分かりません。がアブーが私に気を遣って戻らないのかと思い・・・・」
「んだよ、じゃあそのアブーって奴ん所に行って確かめりゃ良いじゃねぇか」
「いやそもそも自分で渡しに行け」
「酷い!ガラの悪い方に前髪の方!そんなの怖くて出来ませんよ!」
また泣きそうになる教王。
「ん~まぁ好きな人からの答えって聞きたくて聞きたくないからねぇ。気持ちは分かるよぉ」
「シンドバッド様~!」
「教王、そのアブー君の所に私達が言ってあげようぅ。その代わりに頼みがあるんだぁ」
「おぉ!本当ですか!?何なりと!」
「この街にある本の中から変な本を探して欲しいぃ」
「変な本?この街の本の数はグランドで一番。変な本だらけですよ」
「体感型って言うのかなぁ。その本の話を読むんじゃなくて見る近い感じのぉ」
「見る??」
「教王なら開けば分かるよ」
「この街の本全て開いて探せと!?何万冊あるとお思いですか!」
「知らないぃ」
話を聞いた時はなんてえげつない頼みなんだろうと思った。
「君の恋の為だよぉ。さ、皆んなも何か頼みがあるなら頼んどくと良いよぉ」
「まだあるんですか!?」
その時同時にアーズさんととバイオさんが言った。
「「バイコにグランド語を教えてくれ!!」」
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